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暁の悩

『手紙、届いたかな？』

　唯人から送られてきたメールに、はっとした。

「あの写真、まさか…」

　唯人が、宵のことを調べていた？

でも、なんで。

なんであたしの妹が宵だと知っていた？なんで調べようと思った？なんで匿名で写真を送りつけてきた？

　携帯を握りしめたまま、固まる。けれど、考えれば考えるほどわからない。

　なんなの？わたし、どうすればいいの？

　突如、鳴り響いた着信。サブディスプレイには、朝倉唯人の文字。

　反射的に、通話終了のボタンを押していた。

　こんなことして、あの学校に居づらくなるのは自分なのに。

　冷静にそう思う余裕はあったが、やってしまったものは仕方がない。このまま、ひっそりと学校をやめてしまおう。そのためには、父親に電話せねば。

　すぐさま電話したものの、父親にはつながらず。話し中の、ツーツーというむなしい音が耳に残った。

　わたしがかけたのはプライベート用の携帯電話番号なのに。いくら仕事があったとしても、父は仕事用の携帯も持っている。だから、滅多にプライベートの携帯に電話がなることは珍しい。

　誰がかけているんだろう。

　そう思ったが、父親のプライベートなど自分には関係ない。夕方、もう一度かけなおしたときにはつながり、退学準備をしてもらうことになった。