表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

誰が駒鳥殺したの?わたしとスズメが言いました。だから皆は語らない。

作者: 怒れる布団
掲載日:2026/02/03

誰が駒鳥、殺したの?


わたしとスズメがいいました。


弓と矢で殺した。


------------------------------------------------------


誰が死ぬのを見たのかしら?

私よ、とハエが言いました。

私の小さな目で、彼が悶え苦しんで死ぬのを見たの。


誰が血を受けたのかしら?

私だ、とサカナが言いました。

私の小さな皿で、水が汚れないように私が受けた。


誰が死装束を作るのかしら?

私だ、とカブトムシが言いました。

私の針と糸で、身体の傷なんてわからないように私が作ろう。


誰がお墓の穴を掘るのかしら?

私よ、とフクロウが言いました。

私のシャベルとツルハシで、深く深く掘るわ。


誰が牧師をするのかしら?

私だ、とカラスが言いました。

私の小さな聖書で、私が何もなかったようにつとめよう。


誰が世話人をするのかしら?

私よ、とヒバリが言いました。

暗闇の中なら何もわからないので、私がつとめます。


誰が松明を持つのかしら?

私だ、とヒワが言いました。

すぐに戻って持って来て、早く済ませるために私が持とう。


誰が喪主になるのかな?

私よ、とハトが言いました。

恋しいあの人を思って赤い目から涙がこぼれるの。


誰が棺を担ぐのか?

私だ、とトビが言いました。

夜を徹して、私が棺を担ぎましょう。


誰が棺覆いを運ぶのかしら?

私たちだとミソサザイが言いました。

夫婦そろって、あの方のために、そっと静かに、棺覆いを運びましょう。


誰が聖歌隊を務めるの?

私よ、とムクドリが言いました。

すぐに賛美歌を、誰よりも美しく私が歌うわ。


誰が鐘を鳴らすのかしら?

私だ、と雄牛が言いました。

力いっぱい、なにも聞こえなくなるほど私が鳴らす。




ねえ、もう一度聞くね。

誰が駒鳥殺したの?


皆知っているのよね?

スズメって。

でもね、最初に言ってたじゃない?

わかってないの?


誰が駒鳥殺したの?

「わたし」と「スズメ」、がいいました。

「弓と矢で殺した」って。


でも、どうしてスズメだけが殺したことにされたのかしら。ハエだって見ていたし、魚だってその血を受けたのに。


ああ、そうか、なんだ。やっぱり皆知っているのね?

あの駒鳥がルビーのようなあの人に酷い事をしてた事を。


「ねえ、なんとか言って?」


それでもスズメはこれ以上、なにも話さない。

だってスズメにとっても大事な人だから。


------------------------------------------------------



空の鳥たちは皆、かわいそうな駒鳥のために鳴る鐘を聞き、ため息をつき、すすり泣きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ