生活の始まり
イモムシ生活がはじまって少し経つとある事が分かった。
この世界は様々な生き物にエネルギーがあり、より高いエネルギーを補食すると体力、知力が上がるようだ。
イモムシコミニティーを形成した隼人は効率的に良い葉っぱを皆に分け与え、外敵から襲われにくい場所を確保した。
仲間との共同生活を行うイモムシ団は隼人の影響もあり完全に意思疎通が出来るチームとなってしまった。隼人はリーダー的存在となっていた。
また、チームメンバーに俺は隼人と名乗るも上手く伝わらず、ハットと言われてそれが定着してしまった。
「ハットさん、今日はもうコレぐらいにして葉っぱ食べに行きましょうよー」
「あーケイくんか。今日のノルマが終わってないし、今の季節に月華草を貯めて置かないと餓死するからね。うーむ、でもまだ時間はありそうだし今日は良しとするか。」
完全に前世と同じ構図になっているハット(隼人)は全く気づいていない。
ガザっと音のする方に目線を動かすとこの辺りの天敵である丸星カミキリな現れた。
「ケイ!Aチームに急ぎ伝えて対策実行をしろ!取り敢えず俺はコイツを引きつける!」
唯一ハットはイモムシ団の中で唯一丸星カミキリの移動速度についていける。天敵が来る時の為に毎日走り込みをしていたのだ。
それでもハットにコイツを倒すパワーは無く、逃げるのに精一杯だ。
「もう少し、もう少しで辿り着く。ここだ!」
ハットは木の枝の端を噛みついて急停止する。
丸星カミキリは勢い余って木から落下した。
落下地点には深い井戸のような筒状のモノを設置しており、その中にストンと入って行った。
近くに待機していたAチームリーダーのエイくん(元Aくん〕達が蓋を閉めた。
「良し!水を入れるぞ!」
そこからは呆気無く終わった。
蓋を閉められた丸星カミキリは暴れ回るが、中に水を一杯に入れられ、3分と経たずに息絶えた。
何と、産まれて間も無く襲って来たカミキリ虫的なヤツを集団で倒したのだ。




