ラド森林
ハットはゴブタと情報交換しながら少し歩いていた。
「ゴブタはここを何て呼んでるの?というか、ゴブリンとして知ってるエリアを教えて欲しい」
そもそもハットからはこの土地に関する情報は皆無なので一方的にゴブタから聞くだけなのだが。
「ここの森はラド森林ってみんないってるナ。ゴブリン集落は数年おきに移動するけど、隣のゴザ平原とラド森林の境目あたりを行ったり来たりが主な行動範囲だゾ。」
ゴブタの話を聞いていると動物や魔物はラド森林の深く行けば行くほど強くなるらしい。またゴザ平原のその先は人族のような、魔物をむっちゃ敵対してる集団がいるので結局どちらにも深入りしていないらしい。
まーハットの認識もゴブリンは魔物として最弱の部類なので仕方ないだろうと、前世知識と一致するので理解が早かった。
ゴブタは逆にハット達に向かって話しかけてきた。
「ちなみにハットはどこか興味あるのかナ?」
「とりあえずゴブタの集落に行って仲間を紹介してよ」
ゴブタにとっても元々集落から見に来ていたので戻るつもりだった。
ゴブタ達がゴブリン集落に到着した際にはゴブリン達が大混乱していた。
「ゴブ?みんなどうしたのか教えて欲しいゾ?」
「お前!バカ?鈍感?分からないのか?圧倒的やばい魔力持ったヤツが近くに来てるダロ?今とにかく集落全体で逃げようとしてるゴブ」
「えー。それはやばいゾ。ハットくん、ケイくん、聞いたかナ?なんかとにかく早く移動するゾ」
…………………………。。。
しーんと鎮まりかえる集落。
少し経つと奥から集落の長っぽいシワだらけゴブリンがゴブタの隣、では無くハットの前に歩いて近寄って来た。
「皆、聞くが良いゾ。もう、逃げるのは無理ですゾ。」
その瞬間に長の体が淡い光に包まれた。
………………《ハット目線》………………
ゴブタの集落に近づいてみるとなんだかドタバタしていた。
急な大口注文が入り、工場や出荷対応にあたふたしていた前世を思い出していた。
そんな中、奥からシワシワおじいちゃんゴブリンが出て来た。
「ギャ、グギ、ゴゴ、ガ?」
敵対していないのは分かるのだが、さっぱり何を言ってるのか理解出来ない。
そんな時、ハットは口走った。
「ゴブリンの長だろうコイツはオッサブだな。」
その時、目の前のオッサブが淡い光に包まれ、右目を中心に黒く変色していった。
「オッサブさん、初めまして」
「ゴ!は、は、は、初めましてですゾ。」
無事オッサブと意思疎通が出来そうでホッとしていたハットだった。




