1 2つの序章
※実際の歴史とは異なる点が多く、あくまでフィクションですのでご注意を!!
それでも読んでやろうという方ぜひ読んでやってください。
梅雨の合間の五月晴れの日差しが、夏がそこまで来ていることを教えてくれている。
わたしはその眩しい日差しから目を離し、手元の『古事記』に目を向けた。
すると、襖の外から声がした。
「殿。梶原でございます。お聞きしたいことがありまして・・・。よろしいでしょうか?」
この男、梶原平馬という。
身長は154㎝弱、まだ若いが、企画力には目をみはる所があり、
優男であるが、戦国武士のような風格を持つ。
私は本を閉じ、梶原に部屋の中に入ってくるように言った。
梶原は礼を取り座った。
「聞きたいこととは何か?」
「殿。最近、よく“結様”というお姫様の名前をお聞きします。
この方はどういった方なのでしょうか?
私が城にあがった時にはもういらっしゃらなかったので。」
(結か・・・。懐かしい名だ。)
私はまっすぐこちらを見る梶原から目をそらして、枯山水の庭に向けた。
(今日のような天気であれば、あれならすぐ外に飛び出していくだろう。)
「もし・・。殿がおっしゃられたくなければいいのです。・・・失礼しました。」
表情の変わった容保にとまどい、梶原はした質問に後悔し、足早に退出しようとした。
「よい。梶原。結について話そう。」
目を梶原に一度向け、容保は話し出した。
「あれは暑い夏の日ことだ。
夕立の後だったか・・・・。
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「やだ!!!!絶対ドレスがいいの!着物なんていや!」
こちらで駄々をこねているのは結(8歳)。
こけしのようなおかっぱの髪型に薄桃色の地に大輪の牡丹が描かれた着物をきている。
どうやら、従兄弟の結婚式に行くらしい。
「お黙り。あんたは財閥のお嬢様でもオーロラ姫でもジャスミン姫でも何でもないの。
サラリーマンの子どもらしく親のこと考えなさい。」
娘同様着物を着込んだ母はビシッと我が子に向かって人指し指を突きつける。
おい、母さん。8歳の子にそんなこといっても分からないから。な?
「・・・・・うん。そうだよね。だから去年の七五三の着物なんでしょ?」
えっっっっっ!納得するの???
「こんなこともあると思っておばあちゃんに大きめのサイズ頼んで正解だったわ(*^-^)」
この母さん、我ながら名案!!と自己満足に浸っている。
「そのうち、まじめにやってれば、きっとシンデレラになれるよね?」
娘、やはりドレスの夢は捨てられないらしい。少し、希望を持った目を母に向ける。
「無理ね。そんな非現実的なこと起こるわけ無いわ。」と母、すんなり否定する。酷いΣ(‘0’*)。
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ところ変わって結婚式場
結は不安そうな面持ちでキョロキョロしている。
「わ・・・・。結婚式場広すぎ。わかんなくなっちゃったよ(_TдT)
変な人に声かけちゃいけないって言われてるし・・・・。」
そして結は半ベソかきながら近くにあったソファーに座ったのだった。
うとうとして寝入ってしまった。
ウォミングアップですから軽く書きました。
ちなみに結ちゃんのママは政治担当の新聞記者なんです。
嫌いなことは非現実なことだそうです。