7話 友達
「…おはよう」
「おはよー、朝ごはんは?」
「冷凍ご飯をあっためて食べるわ。うめぼしってある?」
「あるよ、これ」
「さんきゅー」
眠いうえにだるい体に鞭を打って、気合いで動く。二度寝をしたいが、したら怒られてしまうので出来ない。これだから学校は嫌いなんだ。
「二度寝したい…」
口から本音を漏らしながら梅と白米を口に運ぶ。少しだけ酸っぱさで目が醒めた。
「今日も確か大した内容ないよね?」
「うーん…、委員会決めかな?」
「うん、大した内容はないね」
「いまなんじ?後どんくらいで出なきゃ行けない?」
「あと10分後には出なきゃだよ?」
「やべっ、用意してないわ」
昨日の夜も漫画を読んでいたので用意をしていない事を思い出して、残ってる米を口に急いで詰め込む。
「リスがいる!」
「だれがリスじゃ」
「セーフ、…ギリギリだな」
8:25分、8:35には席につかないといけないので少し危ない時間帯だ。能力で短縮できるとは言えできれば使いたくないので明日から少しだけ生活習慣を改めようと思った。
「翔〜、暇だからなんか話題振って〜!」
「雑な無茶振りやめい」
「だって〜、暇なんだもーん」
「扱い雑すぎん?そうだな、面白いかどうかは別として一個教えてやろう」
「なにさなにさ?」
「廊下に誰かさんが話しかけたそうに、でも姉ちゃんが俺に話してるから声をかけれずに隠れてるやつがいる」
俺が窓の方を向き、姉ちゃんが廊下の方を焦った顔で見る。すると足音が聞こえてきた。俺は見えていないのでどんな人かはわからないが多分女子だろう。
姉ちゃんは男女どちらからも人気があるのでこれはよくあることだ。前世は凄いモテモテでしょっちゅう告白され、休み時間にはいつも女子達が彼女を取り囲んでいた。今の彼女は前世と同じくらい…、もしくはそれ以上に美少女なので中学の時も告白されまくっていた。まあ…、漏れなく全員フラれてたけど…。
「えっと、大宮さん…だよね?どうしたの?」
「えっと…その…、如月さんとお話ししたくて…」
「うん。いいよ!」
それから2人は大宮さんの席の方に移動して仲良く話していた。1限目が始まるまでずっと話していたので俺は机で小説を読んで過ごした。ほんとはラノベを読んで過ごしていたいが、流石に学校で読むわけには行かないのでこの前見た映画の原作を読んでおいた。
泣きそうになったが寝たふりを使って誤魔化しておいた。姉ちゃんにはバレて笑われた。