4話 日常
「ごめんなさい…」
「分かればよろしい」
結果的に合気などを使って一方的にボコボコにしておいた。煽ったから自業自得だ。
「次煽ったらわかってるよね?」
「はい、もうしません…!」
「よし」といって家の中に戻り、冷蔵庫にあるジュースを飲む。飲んでいるのはグレープジュースでとても好きなメーカーのものだ。疲れた後によく飲むので毎月かなりの量を買って飲んでいる。
「まぁーた、それ飲んでるの?ほんと好きだよね」
「うるさいな、うまいの知ってるだろ?」
「まあそうなんだけども…」
「一本いる?」
「いる」
そう言って2人でジュースを一気飲みする。前はお酒だったのだが未成年になってしまったので代用だ。
「あとで買いに行くんだけど、なんか欲しいものある?」
「私の分買って置いて欲しいのと夜ご飯用に野菜をお願い」
「りょーかい」
そう言って荷物を整えて買い物に出かけた。
「よお翔!久しぶりだな!」
「あぁ、蓮か。久しぶり。中学卒業以来か?」
声をかけてきたのは木下蓮。俺の中学の時の友人でかなり頭が良くて、イケメンだ。茶髪でかなりのイケメン、そして背も高い。俺とは真逆のような人間だが本の話で盛り上がって仲良くなった。
「そうだな、今日は買い物か?」
「あぁ、夜飯とジュースをな」
「またいつものやつか?あれ、ほんと好きだね〜」
「まあな。そう言うお前はどうしたんだよ?」
「俺は本を買いに来た。ついでにお菓子もだけど」
それから春休みをどう過ごしているかを話してから別れた。
「ただいま〜」
「おかえり〜、お風呂にする?ご飯にする?」
「ご飯で」
「はいよ〜、買ってきたもの頂戴」
「ほいよ、使わないやつは冷蔵庫しまうから抜いたら返して」
「これお願いね」
「はいよ〜」と再び軽めの返事をして卵や冷凍食品などを冷蔵庫にしまっていく。少し買いすぎてしまったようで冷凍庫がパンパンになってしまった。明日はまぜそばでも食べようかな。
「「いただきます」」
いつも通り命に感謝を述べ、頂く。今日は和食だ、サワラと煮付けと白米、シンプルだけどとても美味しい。
「うまい」
「よかった〜、毎回美味しいって言ってくれるから言われなかったらどうしようって不安なんだよね〜…」
「大丈夫、この世の料理で一番うまいから」
「言わせ続けられるように頑張るわ」
「そりゃありがたい。ところでもう直ぐで学校じゃん?」
「そだね、もう明後日だ」
「学校めんどくさいんだけど…」
「またかよ…、いっつもあんた学校やだって言うよね?!」
「だってなぁ、頑張るということが嫌いなんだもん。なんか頑張れる理由が欲しい」
「とか言いながら前世の時は高校くらいから超本気で何事にも取り組んでたのに」
「それは……だれかさんに恥じないように…的な…?」
「照れてる〜」と言いながらほっぺをツンツンされる。まあ悪くはないんだけども。
「まあでもさ?私たちの通う高校は昔は"自由の学園"って言われてたくらいだし、楽しめるんじゃない?」
「そうなるといいかな」
そうしていつも通りの生活が流れていき、2日後入学式を迎えたのだった。