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        8 指名依頼

 マリエール達に指名依頼だ。隣国にミリー王女を捜索に行くというものだ。国交のない隣国に行くのは不法侵入だ。

          8   指名依頼



 指名依頼はS級冒険者にされるものだ。ギルド最大戦力を持ってしなければ実現しない依頼。受付嬢がかってに私達への依頼としたマリ―シアのことは指名依頼でも何でもない。マリ―シアが父親の実家に行こうが行くまいが国家の存亡には関わりがない。要するに国家の存亡に関わることが指名依頼されるのだ。

 ギルド長室に呼ばれた。ギルド長は真剣な表情をしている。

「国より君たちに指名依頼だ。国家存亡の時にしか指名依頼はしないし、Cランク冒険者にするのはおかしい。しかしこれはある意味国家存亡の危機だし。転移やフライの出来る君たちにしか頼めないことだ。」

転移やフライがあることが条件とすれば遠くでの仕事だろうし討伐でもない。人探し。当たりのようだ。

「ミリ―王女が隣国に逃げたらしい。これがミリ―王女の似顔絵、そしてこれが隣国からこの国に訪れ、接触し恋仲になった可能性のある男性のリスト。」

幾つか疑問が浮かんだ。

「其処まで判っているなら隣国に調査を頼めばいいのではないですか。ミリ―王女が外遊されたならそんな絞り込みは出来ませんよね。ミリ―王女が奔放な方なら尚更ですよ。王女が勝手に出て行ったなら好きさせて於けばいいのではないですか。」

ギルド長も渋い顔している。

「我が国には隣国との正式な外交関係はない。前回この国を来訪したの゙は向こうの貴族の次男三男達、言わばどう処分されても構わないもの達を送って寄越した。こちらの国も適当にあしらって追い返した。何処がミリ―王女の琴線に触れたかミリー王女は彼らに熱心に接していたそうだ。ミリー王女は外遊されたことはない。ミリー王女は男性不信なのか積極的に男性に話し掛ける方ではない。前回が特別だったから絞り込めのだ。放っておけばいいとは私も思う。誰が国王に君たちのこと伝えたのか、国王が一縷の望みを君たちに託した。」

ギルド長は1枚の紙をマリエール達に渡す。指名依頼書だ。依頼書とは思えないものだ。手紙を渡し返事を貰って来て欲しい。状況を確認して欲しい。状況が悪ければ連れ戻って欲しい。とある。万策尽きて最後は少女達に頼るのは国王としても心苦しいのだろう。命令ではなくお願いだ。ギルド長は金銭を二種類出した。後王の手紙と地図、先程名前の上がった人達居住地も書き込まれている。地図は国交ない国なのであまり詳しくない。

「一応調べてくれ。危ないと思ったら引き返してくればいい。ペナルティはない。判ったことだけを報告すればいい。やるだけやって判らなければ国王も諦めるだろう。」

マリエール達には実感はわかないが、これは不法侵入を国王がマリエール達に強要しているのだ。マリエール達に特別の力がなければ断るべき話しだ。ギルド長にはマリエール達の力が判らない。ただこの依頼が10代前半の少女達には荷が重いと感じた。

「行って会えなければ、帰って来てそう報告しますよ。」

護衛依頼を幾つかこなしているが戦闘の報告は上げていない。討伐の件数はそれなりだが安全な討伐方法があるそうだ。ギルド長は娘を送り出す親の気持ちになった。

 ギルド長はマリエール達が心配だ。危険を感じたら直ぐに帰って来るように伝える。

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