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        1 家を出る決意

 マリエールはとんでもない相手と婚約させられること知り家出することを決意する。

          1  家を出る決意



 男爵令嬢マリエールは家を出る決意をした。先程男爵より同じ男爵の子息との婚約を告げられた。男爵は領地からの年貢だけでは暮らしていけない。領主自らが農作業をすることあるし商売で家を賄う場合もある。しかし我が家は賭場を開いたり盗賊紛いのことまでしている。兄と婚約を告げられた男爵の子息はつるんで盗賊活動をしているのをマリエールは知っている。

 そんな婚約結婚には応じられない。アイテムボックスに荷物を積み出発の準備をした。思い残すことは妹のことだ。マリエールは魔法が堪能だ。転移やフライも使え空中から魔法を放ってアイテムボックスに収納することもできる。家事や畑仕事が忙しく中々行けないが、マリエールはDランク冒険者だ。マリエールは妹だけには魔法を使えることを話し魔法を付与した。妹もEランク冒険者だ。付与魔法は完全に自分の魔法にしない限り、付与者が近くにいないと数日で魔法を失う。そのあたりはしっかり伝えてあるが今回妹に話すことは躊躇いがある。話せば一緒に行くと言うだろうが、それが妹に取って幸せなことかどうか悩ましいのだ。男爵令嬢として暮らしたほうが幸せなのかも知れない。マリエールには妹シルビアを幸せにする自信がないのだ。

 一目見て逃げたと判るほどの荷物は持ち出せない。いきなりばれるのは避けたい。不在が続き発覚した時には安全なところまで逃げておきたい。妹には不憫だが魔法は諦めて貰おう。

 決心が付き家出の準備を進めた。ある程度の物はアイテムボックスに入れてあるので着替えとか洗面用具とか毛布とかそういった物が必要だ。

 概ねこのくらいかと思うところまで荷物が積み込めた。後は王都に転移だ。積み忘れがないか確認していると妹が現れれた。

「もう家出の準備は出来た。私も行くわよ。」

妹に読まれたか。魔法付与を繰り返すと相手の心理がある程度判るものだ。個人の鋭さや鈍さにもよるが、妹は鋭い方だ。

「いや、何も家を出るとか思ってないし。」

妹は悲しそうな顔をした。

「お姉さんが私を足手まといに思うのは判ります。でも私はここ残れば不幸になることだけは判ります。一緒に連れて行って下さい。

最大限努力します。それでもなお足手まといなら置き去りにしてください。」

私はあなたの幸せを思うだけだ。不幸にはしたくない。私だけで逃げたら妹があの男爵子息の婚約者にされるかも知れない。

「判ったわ。其処まで考えているなら一緒に行きましょう。幸せになれるかどうかは判らないけど。」

それから準備の確認と今後の予定を話しあった。寝る場所は私の亜空間の中だから、寝具何もないよと言うと毛布を持って来ました。とシルビアは応える。

 家出は2人ですることになった。今夜向こうに行って店開いていないだろうから、亜空間に入って寝るだけにしよう。明日ギルドに行き依頼をこなして買いものをしよう。と打ち合わせた。

 最終確認をして、冒険者ギルドの公園に転移した。直ぐに亜空間を開き2人で入った。水魔法でタオルを濡し、身体を拭き、パジャマに着替え毛布を出して寝た。お互いに始めての経験で寝付けなかった。

 マリエールは妹のことが心配だ。どうするのが幸せか。妹は付いて行くという。

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