デスティニーパークへ行こう!からの就寝
皇 うぃん:元地域最強クラスの男子高校生、皇 勝利。現在は親族の意向により女体化しており、女性として生きることを決意。一ヶ月の入院生活により、筋力は一般女性クラスまで低下している。一人称はアタシ。
虎武 瞬:私立清峯学園二年生。うぃんの叔母の子供であり、遥とは双子。一人称は自分。
虎武 遥:私立清峯学園二年生。うぃんの叔母の子供であり、瞬とは双子。一人称はボク。
今日は楽しかった…けど、帰りで台無しになった。
ただ、運は良かった。
瞬と遥が来てくれなかったら、今頃どうなっていたかわからない。
この身体でも男子相手に善戦出来ていたから調子に乗っていた。
単純な力では、ちょっと勝てそうにない。
今後の身の振り方を考えさせられる事件だった。
結局、変質者は瞬によって交番へ連行されたとの事だった。
自宅近辺にああいう輩が出現するなんて、今まで知らなかった。
気付かなかっただけで、世の女の子たちは苦労してるんだなぁ。
そういえば、サラッと呼び捨てにしているのは、瞬と遥はアタシと同い年だったからだ。週明けからはこの家から同じ学校へ通うらしい。
親戚かぁ、ここまで存在を知らなかったということは、父さんと叔母さんの仲は相当悪いとみて良さそうだ。
昔は長男が優遇される時代もあったらしいが、その名残を受けてきたのだろうか。
もしそうなら、叔母さんサイドが父さんに良くない印象を持っているのかもしれない。
こういうことは不満を持っている側の憎しみが膨れ上がっていくものだから、出来れば解決したいものだが…。
アタシに何が出来るだろうか。
ーーコンコン。
ノック?
「はぁい」
「遥ッスー、おしゃべりしないッスかー?」
「うん、入っていいよー」
「失礼するッスー」
ドアを開けて遥が入って…。
「お風呂上がりで失礼ッス」
「遥!?えぇ!?」
「ん?あぁ、男子だと思ってたッスか?」
遥が慣れているといった様子で笑う。
「パーカーだとボクのちっぱい、隠れちゃうんッスよね」
「そうなの!?いや、それもだけど、一人称もボクだし、意図的に隠してない!?」
「隠してたらバラすような格好で来ないッスよ」
「…そ、それはそう」
遥はカーペットの上にスッと座る。
「ボクがこんな感じなのは、瞬の影響なんッスよ」
「瞬の?」
「ボク、瞬のことが好きなんッス。特に昔の瞬が大好きで、だからボクが昔の瞬を再現し続けてるってわけなんッスよ」
そう言うと遥はへへ、と笑った。
「二人、よく似てるもんね」
「そうッスよね、よく言われるッス。ボク達が双子だって知らない人達は、ボクを弟だと思うっぽいッスけどね」
遥はよく笑う子だ。この部屋に来てからずっと笑顔。
こんなに良い子に見える育て方が出来るなら、叔母さんは普段から父さんとのいざこざを表にするタイプではないのだろう…か?
「とにかく、これからお世話になる身ッスから、口下手な瞬に代わってボクが親交を深めようってわけッス」
「そういうことなんだ、うん、こちらこそ願ったりだよ!」
「じゃあじゃあ、早速ガールズトークでもするッスか!」
が、ガールズトーク…。
改めて言われると難しいな…付け焼き刃の女子力で、この場を乗り切れるだろうか。
兎にも角にも、怪しまれることのないよう、全力で面接に挑むのだった。




