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デスティニーパークへ行こう!からの帰宅

すめらぎ うぃん:元地域最強クラスの男子高校生、すめらぎ 勝利しょうり。現在は親族の意向により女体化しており、女性として生きることを決意。一ヶ月の入院生活により、筋力は一般女性クラスまで低下している。一人称はアタシ。

「ほい、無事到着ッス」

 そう言うと、その子はアタシの家の前で立ち止まった。

 アタシの名前を知っていて、アタシの家まで知っている。

 でも、アタシはこの子と面識がない。

 

「どうしたんッスか?入らないんッス?…ボクが開けちゃうッスよ?」

 その子はガチャとドアを開けると、


「ただいま帰りましたッスー」

 とても自然に声をかけると、先に中へ入っていく。

 え、なんで?


「あら、はるかちゃん、お帰りなさい!お迎えありがとうね」

 パタパタと玄関へ現れた母さんが、当たり前のようにこの子にお礼を言った。


「大丈夫ッス!少し危ない状況だったんで、しゅんが後始末に向かってるッス」

「まぁまぁ!何かあったの!?」

 母さんが心配そうにこちらを見る。

 なんと言っていいものかわからず、アタシは曖昧な表情を浮かべた。


「可愛いっていうのも考えもんッスねー」

 遥と呼ばれたパーカーの子は、涼しそうな顔で言う。


「とりあえずお迎えありがとう、二人とも中に入って」

「了解ッスー」

「うん、ただいま」





「え、じゃあ二人はアタシの親戚なの?」

「そうらしいッスよー、ウチの母親がおじさんの妹なんッス。…ウチの母親はおじさんと不仲っぽいッスけど」

 アタシの質問に遥が答え、冗談っぽく笑う。

 父さんは苦笑しながら頭をかく。


「まぁ、そうだね…ウチは長男贔屓ちょうなんびいきが凄かったから、正美まさみ、妹は苦労して育ってね…あまり兄妹仲は良くないんだ」

「それなのに、どうして存在すら知らなかった親戚が急に?」

「それなんだけど、正美の旦那さんが海外出張になったらしいんだ」

 海外出張。やり手の人なんだろうか?


「正美は旦那さんをサポートするために一緒に行きたいが、この子達は日本に残りたいみたいで、面倒を見てくれないかと言われてね」

「そういう事ッス」

 突飛な事情ではあるが、じいちゃんを始めとして、性転換させちゃう両親といい、血筋なのかもしれない。

 なんて理解のあるアタシ。


「今は勝利くんもいなくて、他にも居候を面倒見てるって話ッスから、ボクらの面倒も見てくれないかってダメ元で頼んだんッスよ」

「へぇ…そ、そうなんだ」

「ところでうぃんさん、めっちゃ可愛いッスね?こんな可愛い親戚がいるなんて知らなかったんッスけど、皇家とはどういう関係なんッスか?」

「「えッ」」

 アタシと父さんがハモる。

 どうしよう、一応、一応アタシが勝利だということは隠している。

 一応とにごしたのは、既にアタシが勝利だと知っている同級生が数人いるからだ。


「お義父様、モテるから」

 台所から母さんの声が聞こえる。


「…え?そ、ういえば、叔母さん、うぃんさんと似てるッスね…。…あ、あぁ…聞いちゃいけない感じっぽいッス」

 遥が挙動不審になって色々な所に視線を彷徨さまよわせる。

 なんだかよからぬ妄想、母さんとじいちゃんのいけない関係に想いを馳せているようだが、母さんが笑っているので特に訂正しない事にした。


 …アタシと勝利の誕生日的にどう考えても無理なのだが。

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