アタシは馬鹿ではないらしいからの就寝
皇 うぃん:元地域最強クラスの男子高校生、皇 勝利。現在は親族の意向により女体化しており、女性として生きることを決意。一ヶ月の入院生活により、筋力は一般女性クラスまで低下している。一人称はアタシ。
九頭龍 慎吾:私立清峯学園二年生、双龍の片割れ。成績を重要視しており、喧嘩は勉強のストレス発散として位置付けている。基本的に人付き合いが悪い。一人称は僕。
兎月 美未:私立清峯学園二年生。うぃんのクラスメイトで、大人しめの性格。あずきとのいじめ問題は解消され、今は最初のような仲良しに戻っている。一人称は私。
「はぁー…全然終わんないよー…」
買ってきた物を片付けるにせよ、『元々あったもの』もどうにかしなければならない。
片付けは一方通行ではないのだ。
ーーポコッ。
ん?慎吾からだ。
『助けてください、ストーカー被害に遭っています』
「…ストーカー!?」
画面を見たまま停止する。
『どういうこと?』
『先程、うぃんさん宅からの帰り道に女性を助けたのですが、僕らの後輩だったようで…それからずっと付き纏われています』
ーーズキッ。
ズキッ?
「…」
『可愛かった?』
『容姿の話ですか?…まぁ、可愛らしいと言えなくもないですが』
ーーズキズキッ。
あぁ、これ、ストレスかな。
『可愛い追っかけが出来て良かったね』
『良くないですよ、ですからこうして助けを求めているんです』
『仲良くなれたらいいのにね。アタシのこと好きって言ったくせに』
ーーポイッ!
スマホをベッドに放り投げる。
ーーポコッ。
ーーポコッ。
何度か通知が来ているようだが、もう見ない。
見た所で気持ちが晴れるとも思えない。
「…スゥー…はぁー」
アタシは深呼吸すると、目の前の荷物を眺める。
とても、今日片付ける気分じゃない。
そうと決まれば、さっさと寝てしまおう。
全て忘れて、明日のアタシに任せてしまえばいい。
「…」
…。
慎吾からのメッセージは見ずに、
『美未ちゃん!ちょっと聞いてよ!』
『うぃんちゃん、どうしたんですか?』




