お友達とお買い物!1
皇 うぃん:元地域最強クラスの男子高校生、皇 勝利。現在は親族の意向により女体化しており、女性として生きることを決意。一ヶ月の入院生活により、筋力は一般女性クラスまで低下している。一人称はアタシ。
兎月 美未:私立清峯学園二年生。うぃんのクラスメイトで、大人しめの性格。あずきとのいじめ問題は解消され、今は最初のような仲良しに戻っている。一人称は私。
狼山 あずき:私立清峯学園二年生。うぃんのクラスメイトで、美未の親友、小倉の姉。美未のいじめ問題を通じて、二人の仲は深まることとなった。一人称はウチ。
狼山 小倉:私立清峯学園一年生。あずきの弟。喧嘩好きでタイマンとはいえ双龍の二人に勝利している。一人称はワイ。
「…はぁ、はぁ…本当にこの身体ッ、見積もりと合わないなぁ!」
『それでは、プリンスフォート東Aの出入り口に10時待ち合わせでお願いします』
『遅れんなしー』
昨晩のメッセージにチラリと目をやる。
大丈夫、10時きっかりならこのペースでもなんとかなるはず。
それにしても、でけー建物だな。
コレ、遊園地とかそういう類の施設じゃないのか?
外周にジェットコースターが走っていても驚かないレベル。
「お!」
東A出入り口、50m!
よっしゃ間に合った!そして、そこにいる二人組は!
「おーい!美未ちゃん、あずき!おはよーッ!!」
アタシは左手を大きく振る。
「「…」」
「…え?…どうしたの?」
アタシ、遅れちゃった?
あずきは眉間に指を当てる。
「ウチ、残念イケメンって初めて見たしー」
「あ、あはは…わ、私たちで可愛くしてあげよう?」
「…ひ、ひどいじゃん!アタシ今日楽しみにしてたんだぞー!?」
キーッ!と地団駄を踏む。
いいじゃないか!不労所得だぞ!?みんなの憧れじゃないか!
…まぁ、学生の身分で既にそんなことを考えているアタシは枯れているかもしれないけれども。
「まぁ、こういう欠点があったほうが可愛げあるしー?」
「そうですね、身の回りをお世話してあげる…母性がくすぐられます」
好き勝手言ってくれる女性陣だ。
いや、アタシも女性なんだけど。
「ふん!そんな態度を取れるのも今だけだぞ!今日のアタシは、コレの使用を許されているッ!!」
ポケットから取り出したカードを天高く掲げる。
「テッテレー!ブラックカードーッ!」
「「!?」」
「フハハ!ひれ伏せッ!本当にひれ伏すのはやめてくれッ!コレがブラックカードだ!どうだすごいだろー!今回の買い物には、じいちゃんというスポンサーがついているのだ!…性別が変われば準備するものも多い、アタシは身体を提供してるんだから、当然といえば当然の措置だな!」
高笑いを続けているが、二人はアタシのテンションに全くついてきていない。
…寂しいし、切ない。
アタシはクレジットカードをポッケに仕舞う。
「…じゃ、行こっか」
「行けませんよ!!」
「行けねーよ!!」
おぉ!?
「大体そんなもん裸でポケットに突っ込んでんじゃねーしッ!?」
「もしかしてスマホも何もかもポケットに仕舞われているのですか!?」
なになに?アタシまた間違ってるの?不労所得だけじゃなくて?
「…今日の買い物、めっちゃまわんなきゃだしー」
「服に合わせたバッグだけで…2点以上必要です…」
「…なんか、ごめん」
楽しいはずの買い物は、三人のため息から始まった。
「お、うぃんちゃんきてるやーん!休日も会えるとか、ワイめっちゃ幸せもんやでー!!」
げぇ!?
「な、なんで小倉がいるんだよー!?」
正夢!?一応…女装はしていないようだけど?
「うぃんの荷物がかさばるだろうから、ウチが連れてきた。きっと役立つしー」
「あ、あぁ…そういう?」
「そそ、せやから遠慮せんとジャンジャン着替えてやー!眼福タイムキタコレやでーッ!!」
うーん…まぁ、それで荷物持ちのモチベーションが上がってくれるなら、頑張ってもらっちゃおうかな…。
「それじゃみんな、今日はよろしく!」
「はい!」
「おー!」
「ほーい!」




