女の子二日目→就寝
皇 うぃん:元地域最強クラスの男子高校生、皇 勝利。現在は親族の意向により女体化しており、女性として生きることを決意。一ヶ月の入院生活により、筋力は一般女性クラスまで低下している。一人称はアタシ。
兎月 美未:私立清峯学園二年生。うぃんのクラスメイトで、大人しめの性格。あずきとのいじめ問題は解消され、今は最初のような仲良しに戻っている。一人称は私。
狼山 あずき:私立清峯学園二年生。うぃんのクラスメイトで、美未の親友、小倉の姉。美未のいじめ問題を通じて、二人の仲は深まることとなった。一人称はウチ。
狼山 小倉:私立清峯学園一年生。あずきの弟。喧嘩好きでタイマンとはいえ双龍の二人に勝利している。一人称はワイ。
「あぁー…疲れたぁ…」
ーーぼふっ。
アタシはベッドの枕に顔を埋めた。
このまま目を瞑ってたら一瞬で寝落ちる自信がある。
それくらい、今日は気を張り詰めていた。
まさか女になってから双龍の敵討ちをするなんて。
全く考えていなかったわけではないけれど、それにしても早過ぎる。
女になってまだ二日目だっていうのに、こうもイベントがてんこ盛りなのはいかがなものか。
そういえば、美未ちゃんとあずきには本当に困った。
更衣室や入浴が一緒でもいいなんて、短期間にそこまで好きになってくれることありゅ!?
…。
でも、他の利用者に申し訳ないから、アタシは時間をずらせるよう調整してもらおう。じいちゃんに頼んだら、それくらい一瞬で受け入れられるはず。
アタシが常識人で良かったな!利用者ども!!
ーーポコッ。
「ん?誰からかな…って、噂をすれば美未ちゃん」
『身の回りのモノを揃えないととの事でしたので、次のお休みに三人で買いに行きませんか?』
おぉ!なんて嬉しい申し出ッ!これぞ友達ッ!何を選んだらいいかわからなかったから、困ってたんだよね!
「えーっと、『ぜひお願いします!』っと…」
へへ、お友達とのお出かけかぁ…なんか、ドキドキするなぁ。
…。
え、ドキドキ?…も、もしかしてアタシ、女の子と出かけることに…浮かれているのではッ!!?
うー…意識したら急に緊張してきた。
…。
え、お茶代とかアタシが払ったほうがいいのかな?
ーーー
ーー
ー
「あ!美未ちゃんお待たせー!」
「うぃんちゃん?今日は三人なので、うぃんちゃんは行けませんよ?クスクス」
「え?」
「そうだしー、今日はウチと、美未と、
小倉だし!!」
「そうよーん、ワイやでぇ〜?」
「うわあああああああ!!!!!」
…はぁ、はぁ、…はぁ。
…本当に一瞬のうちに寝落ちてたらしい。
なんなのコレ、フラグ回収のつもり?
なんか…心臓が痛い。
すごく、切ない。
アタシはスマホを取ると、ものすごい勢いでタップする。
『三人って、アタシと美未ちゃんとあずきだよね!?』
ーーポコッ。
『もちろんです!』
良かった…。
っていうか小倉、なんで女装してたの。