表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/63

女の子二日目→刹☆那

すめらぎ うぃん:元地域最強クラスの男子高校生、すめらぎ 勝利しょうり。現在は親族の意向により女体化しており、女性として生きることを決意。一ヶ月の入院生活により、筋力は一般女性クラスまで低下している。一人称はアタシ。


九頭龍くずりゅう 慎吾しんご:私立清峯学園二年生、双龍の片割れ。成績を重要視しており、喧嘩は勉強のストレス発散として位置付けている。基本的に人付き合いが悪い。一人称は僕。

「皇 勝利の居場所を知りたい?それとも、アタシが誰か知りたい?」

 相手の言葉を返すように問いかける。


「そんなん決まっとるやろ、皇 勝利の居場所や。何のために連日ここ来とる思ってんねん」

「でもアタシ、口が軽い男は嫌いなんだよね、みんなに言っちゃうでしょ?」

 小石を蹴るようなポーズをして見せる。


「言わん!大阪人は皆おしゃべりやと思ってんねやろ!?」

「そう?なら安心した」


「…うぃん、さんッ…だめ、…です!」

 まだ這いつくばったままの慎吾が、声を振り絞ってくれる。

「待っててね、慎吾」


 アタシは大阪弁の前まで来ると、大きく息を吸い込んだ。


「…アタシに勝てたら教えてやる」

「はぁ?」

 身長差、約25cm差かな。


 上等。


「アンタはアタシの大事な二人を傷付けた、理由はそれだけで充分だ」

「せやけど、負けることも覚悟の上で勝負受けてんねやろ?それで負けたから、怒りますは子供っぽいんちゃう?」

 ケラケラと笑う。


「わかるよ、アンタの言いたいこと。間違ってない。でもね、


 それはそれ、これはこれ」


「ブハッ!めっちゃ自己中やんけ!!」

「そうなの、アタシ自己中だから。だから、アタシを倒さないと教えてあげない」


「…ええやろ、普段女は殴らん主義やけど、今回は話が別や。簡単にギブアップさせたる」

 指をパキパキと鳴らしながらアタシを見下ろす。


「行くよッ!」


 瞬発力で懐に飛び込む、アタシの常套手段。

 その瞬発力は、見る影もなかった。


 のろい。


 思いっきり左腕を持ち上げて、駄々っ子のように振り下ろす。


ーーパシッ。


「…お前、何しに出て来てん」

 そのまま相手の右腕にグイッと引き寄せられる。


「雑魚の分際でしゃしゃり出てくんなや。


 サッサと皇 勝利の居場所を吐け」


ーーコンッ。


 引き寄せられたことでリーチ差を埋め、アタシは全身全霊の右こぶしを相手の顎にかすらせた。


 ややあって、拘束された左腕が解ける。

 呆然と立ち尽くす相手の上半身を全力で押しながら『小外刈り』を仕掛けた。

 なすすべなく倒れた相手に素早くまたがると、そのまま相手の目の前に2本の指を突きつける。






挿絵(By みてみん)






「…ぁ、あ?」

「意識、戻った?」


「!…ワイが、なんでや!」

「脳を揺らしたの、ごめんね…こんな姑息なことしか出来なくて。アタシは目を潰せる状況にあったけど、しなかった。


 お願い…これで、アタシの勝ちを認めてくれない?」


「…お、おぉ…おおおおぉぉ!?なんやアンタ!!めっちゃ強いやんけ!!何が姑息やねん!!自分が出来る全力で相手倒したんやから、実力やろ!?こんなん、油断しとったワイの完全敗北やッ!!」

 そういうと、アタシの下で満足そうに笑う。


「良かった…ありがとう」


「…うぃんさん、あなたは本当に、バカですね」

 ようやく身体を起こせるようになった慎吾が言った。


「ごめん、本当馬鹿だよね。慎吾の介抱より、敵討ち優先しちゃった」

 へへと笑って見せると、慎吾も仕方ないといった様子で笑顔を見せてくれた。


「いやー、しっかし先輩らがこんな強いんやったら、ホンマ皇 勝利にも期待出来るでぇ!」

「…え、先輩?」

「せや!清峯学園一年、狼山ろうやま 小倉おぐら!苗字みたいやけど名前やで!っていうんが持ちネタやねん!」

 だからコイツ、学校が始まった昨日から現れたのか…って、


 え、狼山?


「あー!小倉おせーしー!何時だと思ってんのー?」

「おう姉ちゃん!今先輩らと遊んでもらっとってん!」


「「ろ、狼山 あずきー!?」」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ