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アシレマ【9】



蘭丸(ランマル)さんが()(つま)んで説明してくれる事には───



このミズガルズにおけるグロスマン財団とは、美女エルフが壊滅(かいめつ)に追いやってしまった西の大国アシレマにあった武器商人かつ元マフィアのグロスマン一家がなぜか運営している財団だという。


当時はグロスマン商会と名乗り、彼らが積極的に関わって商売をしていた世界的な大戦で(すで)にかなりの財をなし、里和ちゃん達が関わる頃には裏稼業(うらかぎょう)からは()()()足を洗っていたらしいのだが……。


結局、自己防衛の権利を振り(かざ)して国内外で大量の武器を売り(さば)いては、裏人脈で紛争の火種をミズガルズ中に振り()いていた事実を美女エルフ御一行(ごいっこう)見咎(みとが)められ、武器商人としては再起不能になるぐらいけっちょんけっちょんに叩きのめされた経緯(いきさつ)を持つという。


そんな彼らを改心(?)させたのが、情け容赦(ようしゃ)なくグロスマン一派を追い()掃滅(そうめつ)させた紫電清霜(しでんせいそう)の魔女、リワ・エイル・ギネヴィア───里和ちゃんなのであった。


しかしただとっちめただけでは、彼らは間違いなく自分たちの体面(プライド)を保つためにも、また復讐(ふくしゅう)に美女エルフ達を(ねら)いにやって来るのは明白だったので、そこで里和ちゃんは迷案……もとい、名案を思いついたのだった。



「だったら、グロスマン一家に自分たちのしてきた事を自覚してもらうためにも、あたし達と一緒に世界平和活動と慈善事業という名の(つぐな)いをしてもらいましょうよ!」



妙に明るく楽しげな宣言過ぎて、その場にいた全員が凍りついていたらしい……ご愁傷様(しゅうしょうさま)です。


なぜかこの話を聞いた時、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」とか言った、フランスのお貴族様が発したとされる嘘か本当か判らない話を思い出していた───自分でもなぜなのかは判らないのだけど。


その悪事で国を動かすほどに()め込んだ財力と権力、同じく(きず)き上げたミズガルズ中に蔓延(はびこ)っていた裏人脈を駆使(くし)し、里和ちゃん達の指導の元、グロスマン財団は慈善事業団体としてもミズガルズ中に名を(とどろ)かる事になったという。



ところが、である。



ある意味何の集団であってもそうなんだろうけど、美味しいところは自分と身内だけで(ひと)()めしたい、的な連中がぞわぞわと()いてきて、所謂(いわゆる)グロスマン財団の理事会で一悶着(ひともんちゃく)が起こった。


「不正会計が発覚した───我々が内部調査したところ、ギネヴィア氏の収支計上に多額の使途不明金があることが判明している」


ある日突然、当時の理事会議長でグロスマン一家の長男でもあるベンジャミン・レックス・グロスマンが里和ちゃんを糾弾(きゅうだん)したそうだ。



「何言ってるんだ、兄さん……!? そんな訳ないだろう!」



その頃はまだ美女エルフの一番弟子だったらしい、現在の通り名が魔術士マイケル・ファーマンことグロスマン一家の次男、マクシム・ジュダ・グロスマンが憤然(ふんぜん)と立ち上がったという。


当時はまだ里和ちゃん達と四六時中(しろくじちゅう)一緒に行動しており、当然里和ちゃん達がそんな真似をする(いとま)などあろうはずもない事を知っている人物だ。


しかし、あれよあれよと言う間に身に覚えのない証拠を(でっ)ち上げられ、気づけば里和ちゃん達はグロスマン財団を追われる破目(ハメ)になっていたという。


その身内の仕打(しう)ちに激怒した魔術士ファーマンこと若かりし頃のマックス坊っちゃんは、親兄弟が引き止めるのを無視し、美女エルフ達と共にグロスマン財団どころか家族とも(えん)を切ってしまったそうだ。



理由は至極(しごく)単純───



その財団の不正支出の犯人が腹違(はらちが)いの弟、四男のコンラッド・ジョシュア・グロスマンだと自力で()き止めた事と、何より彼の師匠である里和ちゃんの(ため)であった。


そしてそれ以上に、蘭丸さんが呼ぶところのマックス坊っちゃんはまだハイティーンだった当時、美女エルフに盲目(もうもく)的に恋をしていたのだった。


【’24/04/11 鬼加筆修正してます】

何とぞよしなに

【’24/04/12 少々加筆修正しました】

【’25/01/07 誤字修正改行調整してます】

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