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アイシュール【1】

*続きを読んで下さっている方へ*

話がつながらない場合、前回にまた地味に新たにお話を追記してありますので、お時間ございましたらお読み下さい

気になさらない方はそのままどうぞ


「……………終わった、んだよね?」


私は安全ランプにぼんやり照らし出された薄暗い坑道内を、きょろきょろと見回しながらそろそろと口を開いた。


荒く掘られたまま放置されたと(おぼ)しき人気(ひとけ)の感じられないその場所は、先ほどの騒動が嘘だったと言わんばかりにしんと静まり返っていた。


ただ(いっ)(しょ)を除いて───


さっきまで黒々とした悪意の(かたまり)(わだかま)っていた袋小路から、圧を感じるほどのエネルギーが発せられている。


あぁ……まだ終わってないやー………。


まだ魔鉱石を掘り出す作業が残っていた事を思い出し、私はがくりと(こうべ)()れる。


「メグ、大丈夫かい?」


不意に背後から両肩を(つか)まれ、最近聞き慣れてきた甘めのテナーボイスが頭上から降ってきた。


わあ、いきなり肩を触んじゃない!


途端にびくりとし、私はキッとして背後を振り返る。


茶髪の青年が珍しく心配そうな表情を見せ、私を見下ろしていた。


………あれ?


再び微妙な違和感が私の中に()き上がってくる。


取り()えずそれを気取(けど)られないよう、ダイジョブダイジョブと軽くそれを()なす。


えーと、そういや───


「アリカント(じい)ちゃんは?」

「さぁ? どっかに走って行っちゃったっきりだよ」


サーシャは軽く肩を(すく)め、両(てのひら)を上に上げる。


おいおい……。


更に私は肩を落とす。


あー………どこを爆走してんだ、アリカント爺ちゃん。


この入り組んだ坑道をサーシャと二人だけで戻れる自信は皆無だった。


「とにかく、オパールを掘り出そう。爺ちゃん探すのはその後だね」


私は自分に言い聞かせるようにそう宣言すると、魔鉱石が埋まっているであろう場所に行こうと足を動かしたのだが───なぜか目の前がくらくらとし、そのまま体が前に傾きだした。


わっ、ヤバっ!


「メグ!」


咄嗟(とっさ)に私の胴に腕を回し、私が派手に倒れるのを茶髪の青年が防いでくれる。


それとほぼ同時に体に力が入らなくなり、私の視界がぐるぐると回り始める。


あ、あれ?


「……あんな高出力で無茶な魔法の使い方すれば、反動でこうなっちゃうよ。魔鉱石はボクが掘り出すから、メグはここで休んでて」


サーシャは妙に優しい口調でそう言い、私の身体を近くの岩壁に寄り掛からせると、そのまま背を向け坑道の奥に向かって歩きだした。


追い掛けようにもインフルエンザで高熱を出した時のように目が回り、岩壁に(すが)ったままずるずると力なく座り込む。


え、掘り出すって、魔法での掘削(くっさく)方法、私しか聞いてないはずだけど───


思う間もなくサーシャは両(てのひら)を前に突き出し、私の理解できない言語で何事か(つぶや)く。


『О Велес! Услышь мой голос, разбей свое тело и выпусти сияние своей давней мечты моему народу !』


すると(にわか)に茶髪の青年の全身からバーミリオンオレンジの光が陽炎(かげろう)のように立ち(のぼ)り、彼の手元に流れてゆく。


喝破(ラズルシェーニエ)!」


その掛け声と同時に、彼の手元を包んでいた炎のように揺らめく輝きが、前方へビームの(ごと)く放たれる。


えーーーーーっ!?


止める間もなかった。


ドゴォオォ……………ォン─────!!


物凄い轟音(ごうおん)と振動が辺りを揺るがし、飛び散る石と粉塵(ふんじん)が私を襲う───かと思われたが、美女エルフから貰ったフィルジャの印章(シジル)を施されたドルイドマントから青白い光が発せられ、私の全身を包んだ。


………魔鉱石(オパール)()()ミジンコか?


いやいやいや、それよりこんな派手に壊して、サーシャは!?


「さ、サーシャ、無事なの!?」


いまだ回る視界の中、ゴツゴツした岩壁にしがみついて立ち上がろうとしながら、私は焦って声を掛ける。


私自体は、里和ちゃんのドルイドマントに仕掛けられた防御魔法が発動してくれたお陰で、石礫(いしつぶて)が軽く当たっているのが判る程度な上に、なぜか呼吸も普通に出来ている始末───里和ちゃん、やっぱ○ラえもん並に凄いんですが。


「大丈夫だよ」


安全ランプに照らされた白い砂埃(すなぼこり)がもくもくと充満する中、けろりとした風情でサーシャが私の前に現れた。


そんな茶髪の青年も、砂埃で少々白くなりながらもよく見ると、透明な何かの被膜(ひまく)(おお)われているかのように見える。


ほっと胸を()で下ろすのと同時に、まだまだサーシャにも得体の知れない部分があるな、とつくづく思う。


「はい、これ」


そんな私をよそに、目の前に右拳を突き出したかと思うとぱっと開いて見せる。


そこには直径3cmほどのオパールの原石が、虹色の光彩を放って妖しく(きら)めいていた。


ロシア語翻訳はググるさんです……合ってなかったら苦情はそちらへ願います

片仮名表記する元気がなかったので何とぞお許しを

因みにサーシャは


『ヴォーロスよ! 我の声を聞きてその身を砕き、己が積年の夢の輝きを我が同胞へ解き放ち給え!』


的な内容を言ってるはず、です………間違ってたらすみません


【’24/03/04 22:28 少々加筆してます】

【’24/03/04 23:58 がっつり加筆してます】

【’24/03/05 少々加筆してます】

【’24/03/06 少々表現を訂正しました】


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