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イティプ・アプク【9】


「へ? (たくら)む??」


美女エルフ、珍しくぽかーんとする。


(とぼ)けないでもらいたい。

証拠は(そろ)ってるんだ!

………状況証拠だけど。


「それ里和(リワ)じゃないよー」


そこでサーシャ当人がモロ否定する。


え……?


里和(リワ)だったらボク、すぐ魔力波動で判るもん」


黒い火竜(ズメイ)たるサーシャには特殊能力(スキル)があり、魔力の感知と地脈による探査が可能だという。

それで今回、試しにアリカントの居場所を探ってもらっていた訳で。


何だろう、この鬼に金棒(かなぼう)的な状況は?

偶然と呼ぶにはあまりに出来すぎな感があるのは(いな)めないのだ。

それで疑うなと言う方が無理な気がする私であった。


「……何で教えてくれないの?」

「だって、その時はメグっちと関係あるの知らなかったし、()かれなかったし」


……………確かに、そうだけど!

てっきり美女エルフの悪戯(ガリトラップ)だと───


「ねえ、アリカントはどうすんの? うかうかしてたらまたどっか行っちゃうよ?」


はっ!?

そうだった!

悔しいけど追求はその後だ。


可愛い女の子化した黒い巨竜(ズメイ)(いわ)く、この五叉路の上にある中央の広め坑道に気配があるらしく、今のところ動かずそこに(とど)まっているらしい。


「そうだね。装備も体力も魔力もそろそろ危ないからね───じゃ、サーシャ、コレ真ん中に置いてきてくれる?」


美女エルフが自分の黒の魔導マントの(ふところ)から、一羽の地味な色合いの鳥を取り出した────いや、駄洒落(だじゃれ)ではなく。


「鳥?」


茶髪の少女が受け取りながら首を(かし)げる。


「そう、(にせ)アリカント」

偽物(デコイ)!?」


私が見たアリカントを里和ちゃんが水晶球に映し出させ、それを参考に以前採掘してあった魔鉱石化した黄鉄鉱(パイライト)急遽(きゅうきょ)作製した動くデコイだ。


つか、こんなので幾人(いくにん)もの欲深い(やから)を闇に(ほふ)ってきた(さか)しいアリカントが捕獲できるのだろうか?


里和ちゃんの見解だと、この魔鉱山はババイが増えたことで魔の素(元?)───イス・ブラッカーとやらが溜まりやすくなり、アリカントの食料にもなる魔鉱石が短期間で出来やすい環境が整っていたのではないか、との事で。


そうなると他のアリカントも必然的に集って来るだろうから、縄張(なわば)り争いをしょっちゅうしている可能性が高い。


当然この偽物(デコイ)も排除しに来るはずなので、更に念を入れてそこに(おとり)の大量の魔鉱石(エサ)もまき、満腹になるのを待って捕まえる、と。


アリカントは満腹になると激遅(げきおそ)になるらしいのだが、そう上手くいくのだろうか……?


「そんなの先人たちが散々やってたんじゃないの?」


動く偽物(デコイ)を作れる魔法は、瞠目(どうもく)すべき(すご)い技術で尊敬するけども───


「かも知れないけど、闇雲に追いかけ回して魔法打つよりは確実性高いんじゃないかな? それにまき()に金とかの高い鉱物を大量に用意できるような連中なら、そもそもアリカント捕まえる必要もないだろうし」


………確かに。


「で、大富豪の里和ちゃんは金に糸目をつけずに用意できるという事ですね」

「そう、よくお判りで───」


美女エルフは不敵な笑みをその花面(かめん)に貼りつけながら、柄頭(つかがしら)に水晶の原石のついたオーク材の大きめの魔杖(ワンド)を、五叉路の中央に向かって軽く振る。


すると、偽アリカントを置こうとしてたサーシャの黒革ダブルモンクストラップのハーフブーツの足元に、カラフルに(きら)めく乳白色の鉱石が山のように現れた。


「わあ、すごいー」


その余りに異常な光景に、乾いた笑いのまま思わず棒読みで拍手喝采(かっさい)する私。


「凄くないよ。元は魔鉱石化した黄鉄鉱(パイライト)だもん」


そうだとしてもぱっと見、ひと山100kg以上はありそうな魔鉱石化した黄鉄鉱(パイライト)だ。

いくら『愚者(ぐしゃ)の金』と呼ばれているとは言え、これだけの量を集めるのにはそれなりのお金と時間と労力は必要なはずだ。


それをあっさり魔法で偽オパールにしてしまえる里和ちゃんの魔力と技術。


凄くないなんて言ったら(バチ)当たるぞー。


とは言え───


「ここのアリカントってオパールが主食なの?」

「みたいだね〜。だってここ、オパール鉱山だもん」


なるへそ出べそ。

だからあの鳥、時々乳白色で光ってたのか。

これで捕まるといいんだけど……。


そこでなぜか座り込み、ごそごそと不穏な動きをしているサーシャの背中が見えた。


「………サーシャ、何やってんの?」


私が声を掛けるとびくりとし、黙ったまま茶髪の後頭(うしろあたま)がふるふると横に振られる。


ん?


前に回り込むと、サーシャの両頬がハムスターよろしく大きく(ふく)らんでいた。


「サーシャ……それ、偽物(ニセモノ)のオパールだよ」

「うん、判ってる。でもコレ魔鉱石だから、ボクも食べられるんだよね。だってお腹ペコペコなんだもん」


サーシャよ、お前もか。


「里和ちゃん、アリカントが来る前に無くなりそうなんですが……」


前話後半部に追記させてもらってます

読まなくてもいいように───微妙に出来ませんでした、すみません

気にならない方はこのままスルーでお願いします


現在古ノルド語蟻地獄にハマっております

また修正追記等すると思いますが、何とぞ良しなに


[参考文献]

毎度のウィキペディアさん

『Glosbe辞書 日本語 - 古ノルド語』

https://ja.glosbe.com/ja/non


【’24/02/25 02:11 加筆修正してます】

【’24/02/25 11:58am 加筆修正してます】

【’24/02/26 00:19am 加筆修正してます】

【’24/02/27 一部修正してます】

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