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イティプ・アプク【6】


『下手な鉄砲(かず)()ちゃ当たる作戦』改め『アリカント捕獲大作戦』( 里和(りわ)ちゃん命名 )は、私とサーシャが合流した事によってぬるっと始まった。


そもそも当初は里和ちゃん達で捕まえる予定だったらしく。

が、予想外に里和ちゃんが用意していたオリジナル魔法が()かなくて、その上アリカントは見えないしすばしこいからほぼ魔法自体を当てる事も出来なかったらしい。


更に面倒な事には、坑道内では火系や雷系の魔法が御法度(ごはっと)であると言う現実───粉塵爆発(ふんじんばくはつ)を防ぐためだ。


そのせいもあり、ババイ討伐の際にかなり里和ちゃん達は苦戦した訳で。


いや、よくそれで私に魔法で簡単に捕まえられるとか言えるよね。


それよりも───


臭いもなかなか強烈なのだが、坑道内に屍累々(しかばねるいるい)しているババイ、どうにかならないのかな?


恐らく里和ちゃん達が上手くアリカントを捕獲出来なかった理由、何気にそのせいもあったんじゃないかと思う。

この状態じゃ、私とサーシャだって断然無理めだ。


しかしそこではたとする。


「ねえ、サーシャ。里和ちゃん達が倒したババイは食べられないの? お腹()いてるんでしょ?」


ヴィンセントパパと感動の(?)再会を果たし、竜騎士のイアンさんとは意外な接点が判明したところで、サーシャがキッと私を見て言う事には、


「あんなグッチャグチャになった(ばっち)い魔物の(くさ)い死体、ボクに食べろって言うの? いくら(マスター)であるメグっちの命令でも、それだけはお断りだよ」


うっ………めっちゃ正論。


私は黒い火竜(ズメイ)から99ポイントのダメージを受けた!


とか冗談を言ってる場合じゃあない。

ホントに私、サーシャの調教師(テイマー)なのか……?


「だってさっき食べてたじゃ───」

「あれは踊り食い」


踊り食いて………。


私はその言葉にがくりとする。


かんっ……ぜんに美食家やん。


そこで一気に場に笑いが巻き起こる。


「大丈夫だよ、真夜(メグ)。ババイは魔物だから、ある程度時間がたったら勝手に消えるんだよ。魔物によって時間はまちまちだけど、魔物として発生してからの存在時間が長ければ長いほど倒されてからも消えにくくなるんだ。この残骸(ざんがい)もそのうち倒した順番に消えてくから」


私の兄になってしまった艶美(えんび)なエルフのヴィンセントさんが、愉快そうに笑いながらそう説明してくれた。


へぇー、そりゃ魔物の風化みたいなものなのかな?


魔物だから意味合いは違うのかも知れないけど、その辺は自然の(ことわり)から外れない、この世界の一部ってことなのかも知れない。


じゃあ、魔物って一体何なんだろう………?


もうちょっと深く()いてみたかったが、今はそれどころじゃなかった。


とは言え、サーシャと私のちぐはぐなやり取りで、心なしか先刻(さっき)まで疲れ切って青白かった皆の表情が明るくなり、不思議と精気が(みなぎ)り始めているかのようにこの場の空気感が和らいでいた。


するとそれまで動きやすくなるように、邪魔なババイの残骸を魔法で(わき)()けていた里和ちゃんが、その様子を見てにこにこしながら口を開いた。


香月(メグ)は下手な魔法使うより普通にこうやって誰かを笑わせられるから、あたしなんかよりよっぽど皆を元気に出来るかも知れないねぇ」


それ、()めてる?


別に笑わせようと思ってやってる訳じゃないんだけどなぁ……。


私が苦虫を()(つぶ)したような顔になっていると、サーシャがぴくんと反応して里和ちゃん達が出て来た方向と反対側の坑道の方に視線を移す。


「───来るよ」


毎度誤字等多いとは思いますが、地味に修正していきますので何とぞ良しなに


【24/02/21 加筆修正してます】

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