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ファルシマ・ストゥ【3】


え、変身魔法?


それで今回、言われてみればライカちゃん、私のこと移動拠点(ここ)でずっとメグって呼んでたのか───それはやはり、美女エルフを(ねら)う連中に移動拠点に入り込まれてしまったからに他ならない。


駄菓子菓子(だがしかし)───


「魔法少女何ちゃら、みたいな ⁉」


話が話だったので、思わずワクテカしながら身を乗り出してそう聞き返してしまう。


すると、(にわか)紫紺(しこん)色の魔導服姿の美少女の眉根(まゆね)が軽く(ひそ)められる。


しまった……!

魔法少女だの魔女っ子だのはこちらの世界(ニウ・ヘイマール)では通じないんだった。


「……それ、師匠やヴィンセント様も似たようなこと言ってたんですが、何なんですか?」


そのライカちゃんの言葉に思い切りずるっとコケる。


里和ちゃんやヴィンセントさんも言ってたのか……。


まぁ、変身魔法とかって、誰もが子供の頃に一度は(あこが)れるもののはずだから、出来るようになればそれはもう楽しかろうなぁ、とか思っちゃうだろうし。


いや、それ以前に里和ちゃんもヴィンセントさんも私も、ある意味(すで)に変身してるようなもんなんだけども……元の世界の自分とは全く别な存在になっちゃってる訳だし。


「あ、ごめんごめん。後で説明する」

「………? とにかく、師匠がそう言った方が伝わりやすいからって話だったんですが……私が以前アイラーツァのエシラでお見せした擬態(ぎたい)魔法ですよ」


あぁ、ライカちゃんが冒険者風な青年になったあれか……!


「でも、変身魔法使わなくても透明マントとかで充分じゃ───?」


そもそも透明化(インビジブル)魔法もあるのだが、その時は里和ちゃん謹製(きんせい)の透明マントがあるので、どちらの魔法も小難(こむずか)しいしわざわざ覚えなくても問題ない、と言う話だったので()えて覚えなかったのだが。


それに四次元p……もとい、同じく里和ちゃん謹製魔法の収納マントがあるとは言え、何気(なにげ)に荷物が増えたり、咄嗟(とっさ)に姿を隠したい時には地味に装着するまでの時間がかかるのが難点と言えば難点な魔導具だったりする。


なので、主に潜入や逃走用に使われてはいるのだが、うっかり誰かや何かにぶつかればバレてしまう場合もあるし、高位の術者や武術の使い手なんかであれば、割とあっさりとその存在を見抜かれてしまう事もあるらしく───とは言え、気配を隠すことさえ出来れば、ある意味完璧に透明人間になれるのが透明マントの面目躍如(めんもくやくじょ)なところだったりしますが。


でも一番面倒なのが見つかった場合、ほぼ100%透明マントを奪われてしまう事だろう。


そしてそうなれば間違いなく、何かしらの犯罪に使用されがちな魔導具でもある───って言うか実際、透明マントを奪った連中がそれを強盗なんかで使って捕まってる訳で。


「透明マントは基本、()()()使()()()()方のための魔導具(アイテム)ですので、もう上位魔法を使いこなせるようになってきた香月(メグ)さんには()()()()んじゃないですか?」


()くまでも愛らしく、小首を(かし)げてにっこりと笑う魔導師見習いの美少女に胸を射貫(いぬ)かれつつ、そのあざとえげつなさに思わずがくりと(こうべ)()れる私なのであった。


それまで私たちのやり取りを面白そうに見ていた()色の髪の青年と、不気味なほど静かに見守っていた黒髪の青年だったのだが、


「そんじゃ、そろそろオレ達は風呂入って体休ませてもらうよ。魔法の話なんざ聞いてもちんぷんかんぷんだしなー」


と、イアンさんが先にそう口火(くちび)を切った。

ところが、毎度(まいど)なうしろのカイル氏が、


「いや、俺は(あと)で……」


と、口を(にご)し、そこから動こうという気は皆無な様子(ようす)だった。


えぇっ、何でよ ⁉

忘れかけてた件を掘っくり返す気?


私は地味に戦慄(せんりつ)する。


ただそこで、単なる偶然かも知れないが、緋色の髪の青年が気を()かせたかのように(おもむ)ろに黒髪の青年をヘッドロックしたかと思うと、


「馬っ鹿、汗臭い(おとこ)は嫌われるぞ───って言うか、休める時に休むのも武人の務めだ。さっさと行くぞ!」


そう豪快に(のたま)いながら、何事(なにごと)か抵抗するカイルを(おさ)え込みつつ浴室(バスルーム)へとずるずると引き()っていってしまった。


ナイス、イアンさん……!


と、私が内心グッジョブしてると、その浴室の方から唐突(とうとつ)にその緋色の髪の青年の大爆笑が響き渡った。


その居間をもビリビリと揺るがす大音声(だいおんじょう)に、それまで私のソファーの横で眠っていたと(おぼ)しき(ブラック)ジャガーがびくりと身を起こし、私とライカちゃんがぽかーんとして顔を見合わせていると、


「……おっ、おまっ………その体、どうしたんだ〜 ⁉」


と、抱腹絶倒(ほうふくぜっとう)な緋色の髪の青年の息も絶え絶えの叫び声が聞こえてくる。


そこで私たちは再度半笑いになって顔を見合わせた。


し、しまった……!


カイルの体中にあった傷跡(きずあと)を半分だけうっかり消してしまってから、その残りの半分の傷跡、消す約束してたのにちゃっかりあっさりがっつり忘れてた ‼


昨晩22時に書きながら寝落ちし、本日深夜2時に目を覚まし数度寝落ちしながらどうにか書きましたが、文章見直す元気もなく……取り敢えず投稿しますが、何とぞよしなに


【’24/08/26 誤字脱字加筆修正しました】

【’24/08/29 エピソードタイトル変更】

【’25/01/07 誤字修正改行調整しました】

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