ライ麦畑で会いましょう
誤字報告を下さった方ありがとうございます。
生活ゴミを燃やす熱を利用して
お湯を沸かす人工温泉施設が
家の近くにあるのですが
心に溜まったゴミを燃やして
エネルギーを回収できる
何らかの装置があったらいいですね
どこにでも持ち運べるくらい
ハンディなら言うことないですが
まあ、そこまで贅沢は言いません
特段、秀でたところのない人間の私ですが
心のゴミの排出量に関してだけは
自信があります
常時、衰弱というステータス異常を
患っていますので
たとえば道を歩いている他人を
見かけるだけで
小さくないダメージを食らいます
特に何を言われたわけでも
目が合って舌打ちされたわけでも
睨まれたわけでもないのに
我ながら意味不明過ぎて
最近、少しおかしみすら感じます
とはいえダメージはダメージですから
心(暫定的に心、と言っているが
なんとなくピンク色でつるんとして
細いモヤみたいな血管が網状に
覆っているものをイメージしている)
に蓄積されます
青あざができたり
場合によっては裂傷を負って
血を流したりします
心とは、想像以上に
肉体的なものだと感じます
そして心は最近、流行りの
レジリエンスを持っていません
いや、持っているのかもしれませんが
私の心は弱っていて
レジリエンスを発揮しても
常時、襲ってくるダメージに
対応しきれないようです
結果、蓄積されたダメージは
委譲という形で外に吐き出されます
要するに、押しつけと言っていいでしょう
押しつけの対象は自分より弱い人、
失敗した人、
間違っているとみんながレビューした人です
こうして「上」から「下」へ
ダメージの押しつけが
どんどん昂じていけばどうなるか
……よく分かりません
別に社会を論じたいわけではありません
道徳を説きたいわけでもないのです
ただ、あまり面白くないことになるだろうな、
という気はしています
ですから冒頭の温泉の話になるわけです
何が言いたいのかというと
気の持ちよう、とかいう
一種の自己催眠ではもう無理で
何らかの装置が必要なのではないかと思います
そんなもんないよ、ですって?
まぁ、そうなんですけどね(笑)
あなたの心も……まぁ、ずいぶんと傷痕だらけですね
よく生きていられますね
でも、夢くらい見たっていいじゃないですか
夢を見ている間は
外のことを忘れられるんですもの
それも嫌だとおっしゃるのなら
眼をつむって耳を塞いで
何も喋らなければよい
ダメージを食らわない
ダメージを与えない
それも悪くないかもね
では
ライ麦畑に行ってらっしゃい
私も、後から行くかもしれません