私も今日まで生きてみました
お馴染みの“月曜真っ黒シリーズ”です。(^^;)
私は醜い。
どんな感じかと言うと、まず、左右のシンメトリーが取れていない。この時点で西洋絵画ではNGの顔立ちなのだが……しょぼしょぼの腫れぼったい目に、指で押し潰された様な鼻、平べったくひしゃげた口、そして右の小鼻の脇には大きなほくろが……以前はあった。
社会人になる前にバイトで貯めたお金でホクロは除去したのだが、どうやらこのホクロのボリュームが左右の不均衡をある程度抑えていた様で、そのタガが外れたおかげで左右の不均衡がクローズアップされ“失敗したピカソの落書き”と言った風だ。
そんなわけで男の子との恋物語とは全く無縁の立ち位置で、合コンなども“引き立て役”が必要な時で無いとお声が掛からないのだが、たまたま引っ張り出さた去年のクリスマス前の“書き入れ”合コンで相手側も同じ立場のブサMENが居て、まるで予定調和の様にペアリング固定枠にされてしまった。
私は綺麗な顔の人が好きだ!男女を問わず。
同じ様に、私の目の前に座っている男も綺麗な女の子が好きなのは自明の事。
そんな二人だから、その日の合コンは自虐ネタで盛り上がり、さほどお酒の強くない私は泥酔気味で、事もあろうにその男に“お持ち帰り”された。
“何もかも初めて”の私とは違い、ブサMENはキスや“お着換え”以外は経験が有る様で……私はサンドバックみたいにされて、翌日クリスマスの喧騒を潜り抜けて家に帰った。
お互いこれきりだろうと思っていたのに、クリスマスに年末年始とL●NEは鳴りっぱなしで、呼び出された私はその都度“サンドバック”にされた。
図らずも訪れた“リア充”の相手がどんな人なのかは合コンメンバーから会社の人達には知れ渡っていたので、私に注がれたのは失笑を含んだ視線のみ。
初出の日には……特に着飾っていたわけでもないのに“姫始め”の陰口と哄笑が耳に入って来た。
そんな事を言われても、繰り返される“行為”は私には苦痛でしかなく、でもイク振りをしないといつまでも止めてくれないのでひたすら演技していたら、オトコは私の“初めて”の時と比べながらその事を耳元で囁くと言う本当に下品な輩だった。
その母親もどうやら“困った”人らしく“お年玉”と称して、とんでもないセンスのバッグを息子を介して贈って寄越こした。確かに値は張りそうな作りだけと、私の母でさえ持たないシロモノだ。
ところが次のデートの時、私がそのバックで来なかったらオトコは激怒した。しかも人目を気にする外では無くホテルに入ってからだ。
手を挙げそうな勢いだったからとにかく土下座して床に頭を擦り付けて殴る蹴るは回避できたが、いつもの“お願い”は無視されてヤられた。
その結果、来るものが来なくて、できてしまった。
私は美しいものが好きだ。
その私が醜いものの掛け合わせをこの世に産み出すなんて有り得ない!!ましてや悪夢の様な“事件”の末にできた子供など顔を見るのもおぞましい!!!
まあ、オトコも子供を持ちたいとは思わないだろう、“費用”も負担してくれるだろうと告白したら
「でかした!! すぐ結婚しよう!! お袋もきっと大喜びだ!!」
と言われた。
「冗談じゃない!! おろす!!」
と言葉を返したら“人非人”呼ばわりされた。
「お前のようなヤツを拾ってやるのはオレしか居ねえんだ!! この身の程知らずが!!」と蔑まれた。
そう!! 男はいつも好き勝手!!
自分の手はキレイなままで最後には“責任”を女に押し付ける。
これだって“暴力”!!
だから私は、これ以上“暴力”を受けない為に“流した”。
そんな私は鬼畜女呼ばわりで、オトコは優しく傷心な立ち位置へレベルアップ。
その内に“私の初めて”も酒の肴にされるのだろう。
私にしつこく語り掛けたように。
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支出がかさんだし陰口なども耳に入れたくないので、独り公園のベンチで菓子パンをかじっている。
値引きシールの貼ってあるメロンパンの皮はボソボソして、時折カケラが零れ落ちる。
私ではなく、そのメロンパンのカケラの甘い香りにたかり出したアリ達を、私はN模様のスニーカーの踵でなぞりながら、グリッ!グリッ!と踏み潰した。
何と言うか……
(-_-;)です。
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