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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第2部2章 ハーレムの女の子が一気に増える 

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2-23. 相手が勇者だったので戦いになってしまった(2/5)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

「何? どういうことだ。ん? 家の中が騒がしいな……おっと、小石か」


 ムツキはサラフェの話の真意を読めない。その最中に家の方が少し騒がしいことに気付いて、彼は後ろを向こうとしたが、彼女が注意を引くために彼に小石を投げる。


「こっちに集中しなさい。まったく、聞いておいて、余所見とは……。話は簡単です。元々、獣人や半獣人は妖精族との交流がありますよね。まあ、あとは魔人族とも少し交流がありますね」


 サラフェは何かを意図的に隠しているとムツキは感じつつも、ナジュミネやリゥパが家の中にいるるため、彼女たちに家のことを任せることにした。


「……それで?」


「つまり、彼らは人族と敵対関係にある妖精族や魔人族とも交流をしているわけですから、そんな彼らから人族の情報が筒抜けになっているかもしれない、ということです。今までは樹海の資源欲しさに彼らを上手く利用しようと考えていましたが、それをやめようとなったわけです。人族も知識や知恵が蓄えられてきて、手持ちの資源でより効率の良い方法を模索できるようになりましたからね」


 ムツキは思いもよらない話に思わずこめかみに指を当てる。彼にとって、頭が痛くなるという段階をとうに超えていた。何かの冗談であってほしいと思うくらいの破綻した話だった。


「……言っていて恥ずかしくないのか?」


 ムツキのピリッとさせる空気に、サラフェも唾をゆっくりと飲み込む。しかし、彼女は臆したままでは終わらずに口を開く。


「恥ずかしい? 何故です?」


「獣人や半獣人たちを利用してきたと平気で言い、恩人であるはずの彼らを疑い、あろうことか排除という選択をするなんて、恥ずかしいと思わないのか?」


 ムツキはモフモフがどうとかの話でなくなっていた。人としての道徳観に訴えかけるように話しかける。それに対して、サラフェは不可解といった表情で返す。


「危険性より利用価値があれば適度に使う。利用価値より危険性が増せば切り捨てる。当然の選択だと思いますけど? 元々少数の種族です。いなくなったところで変わりはしないでしょう?」


 ムツキは煽られているのかと錯覚する。むしろ、そうであってほしいと願うばかりだった。冷静さを欠かせるための言葉の数々だと思いたい。彼は人族に対して失望したくなかった。


「本心か?」


「『本心か』ですか? そんなわけないでしょう?」


 ムツキは少し安堵する。


「なら」


「サラフェが欲しいのは仕事ではなく、名誉と称賛、そして、遊んで暮らせるだけの金ですよ。獣人とか半獣人とかが生きていようが死んでいようが、心の底からどうでもいいことです。なので、さっきの話はただの大義名分の受け売りです。サラフェは仕事を早く終わらせたいのです」


 ムツキは愕然とする。それ以外に彼を表現する言葉はない。


「ユウ……本気でサラフェを俺の妻にするつもりなのか……」


「何をボソボソと呟いているのですか?」


 ムツキはユウの真意を読み取れない。目の前のサラフェの顔だけは一級品だが、周りとの軋轢しか生みそうにないのだ。ハーレムを形成する上で一番大事なのはコミュニケーションだと思っているのは彼だけではない。


「……いや、君の性根をどうやったら叩き直せるかを考えていたところだ」


「面白い冗談ですね。さて、用件の2つ目ですが、あなたを倒すことです」


 サラフェは可愛らしい顔でクスクスと笑う。笑顔は間違いなくとても可愛らしい。


「人族の敵だからか?」


「お察しの通り。ですが、倒すのはやめることにしました」


「どういうことだ?」


「サラフェは面食いですから、あなたのようなイイ男は大歓迎です。でも、サラフェが上に立ちたいので、小間使いとして飼ってあげますよ」


 どうやらサラフェはムツキを手に入れたいようだった。彼は、彼女の遊んで暮らせるという点で懐柔することはできないか、と考える。彼の妻になれば、少なくとも変なしがらみも何もなく不自由なく暮らせることは間違いなかった。


「なるほど。先ほどの話を聞いて、良い提案があるぞ」


「何でしょう?」


 ムツキの話にサラフェは食いつく。彼女は打算的であり、敵味方関係なく、自分の利益になる話に興味があるようだった。


「俺の妻になれば、ここの家で暮らせて、三食昼寝付きの家事手伝いなしだぞ。その代わり、俺の言うことには従ってもらう。あと、他の妻とも仲良くしてもらう必要はある」


「……魅力的な話ですね」


 サラフェは顎と口に指を当てて少し考える。


「どうだ?」


「ただ、残念ですが、サラフェはサラフェが1番なので、あなたを立てるような妻になるのはごめんですね。つまり、サラフェがこの家を乗っ取ればいいだけです。あなたの配下もあなたの妻も、私の下僕にすればいいだけです」


 さすがにムツキもその話に乗ることはできない。譲歩などあるはずがない。


「交渉決裂だな」


 ムツキが諦めてそう呟いた時、何かが背後からサラフェの方へと飛んでいく。彼女は驚いたような顔をした後に、悔しそうな顔を隠さない。


「なんだ?」


「失敗しました。炎の魔王、ナジュミネがいるとは思っていませんでしたからね」


「……仕方ありませんね。作戦変更ですね」


「サラフェが……2人?」


 ムツキの前に服装は異なるが、全く同じ顔の2人が現れていた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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