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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第4部3章 女の子たちに課せられる試練(ナジュミネの章)

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213/360

4-Ex7. 女神様の見た目が幼いから誤解を招いた

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 夜。ゆっくりとした時間の中で夕食は、楽しい幼い頃のナジュミネの話で大いに盛り上がった。彼女は思い出話を恥ずかしいやら何やらといった表情で終始聞いていて、ムツキはその思い出話を真剣な表情で聞き入っていた。


 やがて、そんな楽しい時間も全員の満足げな表情とともに特に合図もなく終わり、さらにゆっくりとした食後の小休止の雰囲気になった。


「ごちそうさまでした。お腹いっぱいー」


 ユウが満面の笑みで頭を傾けて、隣にいるムツキの肩に預けている。その彼のさらに隣にはナジュミネがやはり彼に寄り添うように座っていた。


「にゃー」

「わふ」

「ぷぅ」


 モフモフ応援団は部屋を囲うようにして、全員が丸まったり伸びたりしながらリラックスモードで休んでいた。お世話係の妖精たちもこの家では特に手伝えることもなかったようで、実にまったりとしていた。


「お粗末さまでした。ユウちゃん、まだ小さいのに試合の審判とかいろいろできて偉いわね」


 ナジュ母は使い終わった食器を集めながら、手料理を一番喜んでいたユウに向かって嬉しそうな顔を見せる。彼女はナジュミネが小さい頃を思い出して、少し懐かしさを覚えていた。


「うん。私、なんでもできるからね!」


 それを知ってか知らずか、ユウは自然と見た目の年相応の様子、つまり、幼い子どもらしい様子を振る舞っていた。


「ふふっ……なんでもできるのね。じゃあ、後でお父さんのお肩をトントンしてもらおうかしら」


「はーい、後でナジュみんパッパのお肩をトントンするー」


「ありがとうね、ユウちゃんが手伝ってくれると、お母さん、助かっちゃうわ」


 ナジュ母は、創世神の何でもできる、ではなく、子どもの何でもできる、と捉えて、さらっとナジュ父の肩たたきをお願いしていた。ユウのことをよく知らない周りから見れば、微笑ましい光景である。


 しかし、その様子に違和感しかないムツキがそっとナジュミネに耳打ちする。


「あれ? ふと思ったんだが、ナジュ、お義父さんやお義母さんにユウのこと言ってないのか? 今回、初対面で挨拶したのは間違いないだろうけど」


「うーん、言ってないかもしれないし、言ったけど忘れられているかもしれない。どうだったかな……」


 ナジュミネが記憶を掘り起こすも伝えたかどうかは定かではなかった。仮に彼女がきちんと伝えたとしても、重要なことだと思われていなければ、両親には忘れられている可能性も十分にある。


 過去の記憶や認識などは実に曖昧で、今の自分の目に映っている真実がそれらを書き換えることもあるのだ。


「え、じゃあ、お義父さんとお義母さんには今、俺、ただの幼女を妻に迎えたと思われているのか……?」


 ムツキがナジュミネにそう聞くと、彼女はただただ満面の笑みで彼を見つめていた。もちろん、言葉で濁すことはなく、ただただ満面の笑みで見つめるだけだった。つまり、そう認識されていると彼女も思っているということである。


「……あ、もしかして……」


 ムツキはユウとナジュ父、ナジュ母が最初に会った時のことを思い出す。ユウが元気よく挨拶をした後に「自分も彼の妻の一人だ」と伝えた際、彼の目にはナジュ母の表情が若干変わったように見えたのだ。


「なあ……ナジュ……後で……後でちゃんと伝えてくれよ?」


 ムツキが少し不安そうな顔をしてナジュミネの身体を小さく揺らしていた。


 多夫多妻が認められているこの世界でも、年齢に関しては少しばかり世間の目が厳しくなる。もちろん、見た目だけが幼い種族は多く存在するため、見た目だけで冷ややかな目を向けることはない。ただし、幼い見た目のパートナーが多いとそのような性的な嗜好に偏っているのだなとは思われるのである。


 要はロリコンに見えるかどうかである。彼はロリコン認定を阻止したいと思っている。しかし実のところ、ユウやサラフェ、メイリのような身長が低めで童顔のパートナーがいるので、周りからはロリコンではなく、ロリも範囲内という更に悪化した認識を持たれていた。


「うーん、どうしようかな?」


 ナジュミネはムツキのその姿に少しばかり意地悪をしたくなり、考えるような素振りでいたずらっ子のような笑みを浮かべる。彼は次第に悲しそうな目で彼女を見つめ始めた。


「…………」


「ごめん、ごめん、ちゃんと伝えておくから、そんな目で訴えかけないで、ね? ね?」


 ナジュミネに少し罪悪感が芽生えてしまったようで、彼女はムツキの機嫌を取るように謝った。


「ナジュみんパッパ、お肩トントンするよー」


 ユウが小休止を終えて、ナジュ父の肩を叩き始めた。


「ムツキさん、ユウちゃんっていい子ね」


「そ、そうですね」


 ナジュ母がそっとムツキの方に寄って、小さな声で話しかける。


「その……人のあれこれに口を出すのもいかがなものとは思われるでしょうけど……もちろん、きっと、……その、ね? 何かいろいろとあるのでしょうけど、ね? まだユウちゃん、小さいから、ね? 昨日も添い寝して、その、ムツキさんも今は小さいとはいえ、ね? あ、もちろん、その、咎めるつもりではないのよ? そう、それは誤解しないでほしいのだけれど……」


 ムツキの予想通り、思いきりナジュ母が全力で誤解していた。


「え……いや、その……違うんです……違うんです……違うんです……」


「お母さん、ちょっと旦那様への誤解があるようだから、説明するね!」


 ムツキは衝撃と感情が複雑に絡まり過ぎて、虚ろな目で乾いた笑みと涙を浮かべて「違うんです」を連呼し壊れ始めたため、それを見たナジュミネが速攻でユウのことを説明したことで彼の尊厳が事なきを得た。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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