表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第4部2章 毒蛇の王ニドの暗躍と人族の始祖レブテメスプとの遊戯の開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

203/360

4-Ex5. 服装がいろいろあるから話し合いになった(1/2)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 アニミダックと妖精たちが部屋を片付けている中、全員が煤を取り払って座っていた。試練くんが試練を伝えるまでゆっくりと過ごすほかなかったからである。


 その時、ケットがムツキの方を見て思い出した。


「そういえば、ご主人、服を仕立てたニャ。……ここにあるどれか着るといいニャ」


 ケットが妖精たちを呼んで持ってきてもらったのは小さくなったムツキ用の衣類だった。今の今まで布切れで古代ギリシャ人のような格好だったので、彼は嬉しそうに衣類をいくつか広げてみる。


「ありがとう! 上は長袖、半袖か。下も長ズボン、半ズボンもあるのか……。一通り揃っているのか……」


 ムツキは長袖にスラックスといういつもながらのスタイルを選ぼうとした。しかし、彼は目の色を変えたナジュミネに手を握られて、まじまじと見つめられてしまう。


「旦那様! せっかくだから、いろいろ着てみせてほしい」


「え、ああ、せっかくってのはよく分からないけど、たしかにいろいろ着てみた方がいいかもな」


 少し様子のおかしいナジュミネに気圧されてしまい、ムツキは順番に服を着替えることになった。


「うーん。半袖、半ズボンか」


 パリッとした白い薄手のワイシャツに、黒のハーフパンツとサスペンダーをしてみた。ムツキ自身から見ると、とても子どもっぽい感じがして恥ずかしいのか、早く着替えたがった。


 しかし、ナジュミネの目が輝いている。サラフェやコイハも満更ではない様子だった。


「次に、長袖、半ズボンか。さっきよりマシだけど、これにジャケット着ると……なあ……」


 どうにもある作品のキャラクターが頭にちらつくムツキは、子供らしさもあいまって、ハーフパンツをどうにか避けられないかと考えている。


「そして、長袖、長ズボンか。やっぱり、これがしっくりくるな!」


 黒のスラックスに満足げなムツキを見て、リゥパとメイリがつられて嬉しそうに顔を綻ばせている。ユウもうんうんと肯き、満足げだ。


「半袖、長ズボンか。もう暑い時期は超えたから、長袖の方がいいかなあ」


 ここで、ナジュミネが攻勢に出る。


「どれもかわいいが……下はハーフパンツで決定だな! 今の旦那様に適した子どもらしさがとてもいい!」


「え……そうなのか?」


 ムツキの戸惑い加減も見つつ、待っていましたとばかりに、リゥパが反論を始める。


「ちょっと待って……それは違うわ。下はスラックスよ! 子どもがちょっと大人な感じの格好をしているのが、背伸び感があって、いいんじゃない! 今のムッちゃんにピッタリなのはスラックスよ!」


「や、やっぱり、そうだよな? 背伸びって単語は気になるけど……」


「いえ、サラフェはナジュミネさんに賛成ですね。せっかくなのだから、この頃の子どもらしいハーフですよ」


「俺も姐御やサラフェと同意見だな。ハーフの方が似合っている」


 ナジュミネの旗色が悪いと感じたのか、同意見のサラフェとコイハがナジュミネの援護に入る。すると、メイリとユウが手をビシッと挙げた。


「はい、はーい! 珍しくコイハと意見が分かれちゃったけど……。僕は子どもっぽいダーリンもいいけど、子どもでも大人びたダーリンの姿がいいな♪ 大人びた子ども姿のダーリンに守られたらキュンキュンしちゃうと思う!」


「はーい! 私もリゥぱんやメイりん師匠に賛成だよー。ムツキはね、ロングがすごく素敵でいいと思う。紳士はやっぱりスラっとしたスラックスよね」


 その光景を見ていたアニミダックが掃除をしつつも思わず笑いながら禁句を口にする。


「はっはっは。センスが歳で分か……」


「【マジックアロー】」


 リゥパの【マジックアロー】がアニミダックの顔面目掛けて飛んできたので、彼は転げ回って退避しつつ触手で【マジックアロー】を受ける。触手が【マジックアロー】の勢いにより消滅した。


「わっと、危ねえ! 何すんだ! ……て……めえ…………」


 アニミダックが怒りの声をあげようとする前に、彼はリゥパの尋常でない怒りのオーラを目の当たりにして口が動かなくなる。


「次、その話題に触れてみなさい? 容赦なく眉間を射るわよ?」


 アニミダックの口が少し震える。ムツキが怒った時ほどの恐怖はないものの、弱体化している今の状況では確実に本気で射貫かれると悟り、首を縦に振るほかなかった。


「あ……あぁ……分かった。気を付ける……」


「……よろしい」


「弱体化しているとはいえ、アニミダックが反論せずに承服したのか……かわいそうに……」


「自分の服も満足に決められないご主人も大して変わんニャいニャ……」


「うぐっ……そう……だよな……ははっ……はーっ……」


 ムツキは弱体化したアニミダックの立ち位置を憐れみつつ、ケットの容赦ない一言で自身の立ち位置も似たようなものだと自覚して涙が出そうになった。

最後までお読みいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ