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4-16. 楽しみたいからとゲームを提案された (1/3)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 半球カプセル型のUFOに乗ったレブテメスプがムツキを見下ろす形で無邪気そうな笑顔を向ける。


「そう、ゲームさ☆ と言っても、受けるかどうかを決めるのはムツキだけど、メインでするのはハーレムの女の子たちだよ! ムツキとユースアウィスはサポーター側さ。まー、後、そこのアニミダックもオマケで付けちゃうよ☆ ゲームは多い方が面白いし、女の子の方が映えるからね☆」


「それは……どんなゲームだ?」


 ムツキはレブテメスプを睨みつける。彼は自分のことに女の子たちを巻き込むことが嫌なようで、巻き込もうとしているレブテメスプを好きになれないようだ。


「おいおい、そんな細かな質問をするってことは、主導権がどっちにあるかすら分かってないってことかい? もちろん、主導権はオレ様さ☆」


 レブテメスプはその無邪気な顔に、少しの邪気を加えたようにニイッと口の端をあげる。彼はムツキが最強であることを認めつつ、勝ちが薄い条件を取っ払って、どうにか勝率を上げようとしている。


「……どんなゲームかすら教えてくれないなら、俺はゲームを受けない」


「えーっ? このまま、ちっちゃいまんまでもいいの? ムツキは戻りたいと思ってるんじゃないの? もしかして、時間が経てば戻るとか思ってる?」


 ムツキが拒否すると思っていなかったようで、レブテメスプは口をあんぐりと開けて驚く。それは女の子たちも同じようで、一斉に目を丸くして驚きを隠さずにいた。


「戻りたいに決まってるだろ? 当たり前だ。いいわけなんかない。一刻でも早く、元に戻りたいさ。でもな、自分が好きな女の子を危険に巻き込むかもしれないなら、それで誰かがケガをしてしまうかもしれないなら、俺はそっちの方がずっと嫌なんだ」


 ムツキは意志が固いことを示すかのように、真剣な表情でレブテメスプを真っ直ぐに見つめる。レブテメスプはその黒い瞳を見つめ返し、やがて、溜め息を吐いた。


「はあ……つまんないね!」


「何がだ?」


「反応がつまんないって言ったのさ☆ 二つ返事でさっさと始めちゃおうよ! 女の子たちだって、ムツキに元に戻ってほしいって思ってるわけじゃん? むしろ、女の子たちの方が……って感じかもね!」


「もしそうだとしても、俺はさっきも言ったけど、女の子を危険に巻き込むようなことはしたくない!」


 レブテメスプは周りを見渡す。ムツキの意志とは反して、女の子たちは心配そうな目でムツキを見つめている。


 彼女たちのその心配そうな目は同時に、彼が1人で決めて抱え込む前に自分たちにも相談してほしいという目もしていた。


「ん-、め・ん・ど・く・さ・っ☆ けど、仕方ないな! 分かったよ! オレ様が分かる範囲で教えてあげるよ☆」


 レブテメスプは腹も立っているし、負けたくもないが、決してゲームをしたくないのではない。むしろ、彼は起き上がったばかりで娯楽に飢えており、腹が立った仕返しでコテンパンにムツキを打ち負かして、その負け姿を眺めて困らせられるだけ困らせたいだけだ。


 そのためにいろいろと手を尽くして、ゲームを面白くしようとしているのであって、レブテメスプはムツキが拒否してしまうとなんだか負けたような気がして面白くないわけである。


「なら、話を聞こう」


「まー、実はさ、ぶっちゃけると、オレ様にも正確にはどうなるか分からないんだよね☆」


 説明するはずのレブテメスプが急な手のひら返しで自信満々に説明放棄するので、ムツキは思わずコケる。


「は? どういうことだ? これ以上ふざけるつもりなら……」


「待て、話は最後まで終わってないからさ☆ 補足説明すると、オレ様はゲームに対して公平な男なのさ☆ ってことで、オレ様がオレ様基準で決めちゃうと、その公平性が出ないかもしれないし、そもそも文句が出るかもしれないから、この……発明道具を使おうと思っているんだ☆」


 レブテメスプがUFOの中から取り出したのは、高さが数十cmほどの人形だった。


「じゃじゃじゃじゃーん! 試練くーんっ! この試練くんに自動でゲーム内容を出してもらおうかと思ってね☆」


 その人形、試練くんが意志を持ったかのように手足を動かし始めると、リビングのソファ目掛けて自ら飛び降りて、ソファの上に跳ねながら着地する。その後、試練くんはムツキの方を向いて、バッチリと自分の存在をアピールするようなポーズを取った。


「し、試練くん? えっと、じゃあ、教えてくれ。これはどういうものなんだ?」


「オレ様の発明について、これが何かって聞きたいだって? しょうがないね☆ オレ様の発明のことを聞きたいなら教えてあげるよ!」


 レブテメスプが目を輝かせ始め、一方のムツキは彼のキャラクターに既に疲れ始めていた。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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