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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第3部3章 毒蛇の王ニドの謀略と魔人族の始祖アニミダックとの闘い

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173/360

3-45. 敵も強いはずだが最強には敵わなかった(2/2)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 アニミダックが触手を増やしに増やし、床や壁の全面に配置した。メイリはムツキの【バリア】で守られているため、普通の触手であれば、攻撃を受けない。


 そもそも、アニミダックもこの状況でメイリに構っている余裕はない。


「ハンデをやる……お前が逃げなければ俺は歩いてお前の所にゆっくり行く。その間、いくらでも攻撃してこい……俺がお前の所に辿り着いたら……終わりだ」


 ムツキはそう宣言してから、ゆっくりと歩いていく。一歩一歩と進むと、地面がその度にひび割れている。


「舐めやがって! 言ったことを後悔しろ!」


 いくつもの黒い触手、紫の触手、ムツキの【バリア】用の濃い紫の触手がムツキへと迫り、彼を殴ろうとしたり、突き刺そうとしたりする。


 しかし、彼のいくつかの攻撃無効化により、攻撃は弾かれ、彼の横へと為す術もなく流れていく。


「悪いな。中距離攻撃、近距離攻撃、近接攻撃、どれも無効なんだ」


 ムツキは攻撃を仕掛けて来た触手に、ただただ魔力を直接ぶつけるだけで消滅させていく。その間も彼は、一歩、一歩とゆっくりとひたすらアニミダックの方へと進んでいく。


「小賢しい! ならば、魔法で……ぐっ……魔法が戻っているだと?」


 赤い触手が炎魔法を、青い触手が水魔法を、橙の触手が土魔法を、黄の触手が雷魔法を、緑の触手が風魔法を、藍の触手が何かしらの溶解液を、それぞれが得意とする魔法や攻撃を繰り出す。


 しかし、魔法は数倍の威力で跳ね返されて、遠距離攻撃は急に角度を変えて地面に叩きつけられたかのようにムツキの周りで落ちる。


「もちろん、遠距離攻撃も無効化だ。魔法攻撃は数倍になって反射するぞ」


「ふざけた真似を! なら、これはどうだ!」


 数少ない白い触手が毒や眠り、麻痺などの状態異常を撒き散らすもムツキは眉根1つ動かさない。


「悪いな。状態異常攻撃も無効だ。それに、俺は攻撃を受けても大丈夫だ。最強だからな」


「どうなってやがる! 異常にもほどがあるだろうが! 弱点がないわけないだろ!」


 ムツキはアニミダックの攻撃をすべて無効化して、彼の方へと一歩一歩近づいていく。これにはアニミダックも恐怖を隠せなくなってきていた。


「弱点ならある……。最強の代償として、一人でご飯は食べられないし、一人で身体も頭も顔すら洗えないし、一人では眠ることもできない上に、一人では朝にアレが勃っていても処理すらできない。一人で着替えができないから、トイレでもズボンとパンツを脱がしてもらえないとできないぞ。なんだか、人としても、男としても、割と終わっている気がするよな」


「ふざけんな!」


 アニミダックには冗談にしか聞こえなかった。しかし、すべて事実である。ムツキは最強ゆえに一人で生きることのできない呪いを身体にいくつも宿している。


「でも、脱げれば、トイレは自分でできる。手と歯だけは自分で綺麗にできる。歯磨きは俺が俺にできる唯一の楽しみだ。それに、モフモフも妻も撫でられるし、ハグもできるし、妻たちと愛し合うこともできる。それに呪いのおかげで、何もできないおかげで、誰かに何かをしてもらえて感謝することもできる。弱点だらけで、しがみつかなければならないけれども、俺は最高に幸せだ……」


「だから、どうした!」


 橙の触手の土魔法で、ムツキの下にある床を一部崩壊させるも、彼は【レヴィテーション】でゆっくりと飛んでくる。


「俺の大事な妻たちをお前は脅かした……さらには、メイリを瀕死になるほど痛めつけた……」


「くたばれええええええええええええええええっ!」


 アニミダックは黒い触手の塊を空中から出し、攻撃ではなく、落下という方法でムツキにぶつけようとする。


 それを気にすることもなく、ムツキは右の拳を大きく振りかぶる。


「お前がだああああああああああああああああっ!」


「ぐべぇっ!」


 黒い触手の塊も、防御のためにアニミダックが出した数々の触手も、ムツキの拳は全てを貫通し、アニミダックの左顔を思い切り殴りつけた。アニミダックは壁に思い切り叩きつけられる前に触手を出してクッションにする。


 しかし、それだけで終わるわけがなく、ムツキはアニミダックの方へと駆け寄って、両方の拳を使い始める。


「メイリを、メイリをボコボコに痛めつけやがって! 女の子の顔や腹を痛めつけていいと思っているのか!」


「ぎゃっ! がっ! ぐぇっ! ごべっ……げえっ……あ……や、やめてくれ……」


 ムツキは顔だけでなく、腹や肩など全身を殴りつけていく。アニミダックは全てを貫通されることが分かった今でも触手で精一杯防御をしていた。そうでなければ、もし直接攻撃を受けてしまったら、そのまま命の潰える可能性があるためだ。


 アニミダックはムツキにやめるように懇願する。ムツキはピクリと眉根を動かす。


「やめてくれ?」


「そうだ。俺が悪かった……なんなら、半獣人にも謝ってやる……」


「許すわけないだろうが!」


 ムツキは冷めやらぬ怒りを込めて、アニミダックをさらに殴りつけた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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