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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第3部3章 毒蛇の王ニドの謀略と魔人族の始祖アニミダックとの闘い

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3-41. 途中まで上手くいっていたが危機に陥る(1/3)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 時はナジュミネとモフモフ軍隊が暴れ回る直前に遡る。


 洞窟の最奥。アニミダックの住む明かりも少ない仄暗い場所には、ご機嫌なアニミダック、数十本の触手、眠らされ続けているユウ、そして、覚醒し始めたメイリとキルバギリーがいた。


 彼女たち3人はまだムツキの【バリア】に守られており、複数の触手で作られた鳥かごのようなもの中に【バリア】ごと入れられているような状態だった。


 メイリはもちろん、リゥパの姿をしており、魔力の質まで変化させているのでアニミダックが気付くことはない。


「さて、ムツキの魔力をベースに、【バリア】を破壊する触手を新たに作らないとな……久々に新しいのを作るから時間がかかるな……」


「んぅ……ムツキ……」


 ムツキという言葉に無意識に反応したのか、ユウが眠り続けながらも小さな声を出す。


「おぉ、ユースアウィスは……本当にかわいいな。他の男の名前を呼ぶのは腹立たしくもあるが、寂しくなって変な男に捕まっていたのなら仕方ない。もはや、それは過去のことだから、俺は水に流すことにしようじゃないか」


 アニミダックの声に、メイリとキルバギリーは完全に覚醒する。メイリは立ち上がって、地団太を踏みながら叫び始めた。


「ちょっと! 私たちをどうするつもりよ!」


「煩いやつだな……」


 メイリのその地団太のリズムがキルバギリーとの合図の1つだった。悪戯をする前の合図だと気付いたキルバギリーは、リゥパの姿をしたメイリだと理解する。キルバギリーはメイリに妙案があると信じて、その悪戯に乗った。


「……リゥパさん、ちょっと落ち着いてみたらどうでしょう」


「キルバギリー……そうね」


 キルバギリーの返答にメイリが確信する。アニミダックへの悪戯、もとい、攪乱作戦の始まりである。とはいえ、すぐに動けるわけもなく、【バリア】もあるので様子見をしながらである。


「ん? そういえば、2人とも気付いたのか。催眠ガスの吸いが悪かったか? そもそも、そっちのラブドールはそういうのが効かないのか?」


「私にはキルバギリーという名前があります」


 キルバギリーがピシャリと言い放つが、アニミダックは気にした様子もなく、軽く笑いながら彼女を見る。彼の彼女を見る目は、間違いなくユウを見る目とは異なっていた。


「正直な話、お前ら2人の名前など、どーでもいい。俺とユースアウィスが一緒になった時に、使用人として使ってやろう。だが、俺はユースアウィス一筋だから、お前らには手を出すつもりがない。だが、ムツキの下に返すつもりもない。ユースアウィスを掠め取った泥棒猫のところなんかに、ユースアウィスに似た女を置いておかせるのだけでも許しがたいからな! どうしても寂しくなったら、それ用の触手でも作ってやろうじゃないか」


 アニミダックが悪びれもせずにそう言うと、メイリとキルバギリーの目が曇る。生理的に嫌悪があるからというのもあって、2人は彼の話がすべて受け付けられない。


「うわ……本当に最悪ね……。めちゃくちゃなこと言ってないで、ユウ様も私たちもムッちゃんの所に返しなさいよ! この陰湿触手変態もやし野郎!」


「そんな幼稚な悪口で俺が隙を見せるとでも思ったのか?」


「リゥパさん、本当のことを言っても気付かないようですから、言うだけ無駄ですよ」


「…………」


 さすがのアニミダックも無言になった。怒りが沸々としてくるが、何とか抑えようとしている。


「そうなの? 私は親切心で言ってあげてるのよ? あんたがムッちゃんより勝っているのなんて、その身長くらいだわ。でも、ひょろっとしてそうな不健康そうな身体じゃダメね。ユウ様は仰っていたもの。ムッちゃんが健康的な筋肉質でうっとりしちゃうって」


 比較をされれば、誰もがいい気はしない。アニミダックもメイリの言葉に反応する。


「ユースアウィスがそんなことを言っていたのか!?」


「……ええ、そうだけど?」


 メイリはしめたと思い、脱出のために魔力を込め始める。しかし、アニミダックはその次には手を口に当てて考え込むポーズを取る。


「なるほど。貴重な情報だ。なら、鍛えるしかないな……今日からトレーニングを開始しないとな。たしか、食事も重要だったな。トレーニングはどこでもできるが、食料が豊富な場所に引越しするか」


「……意外と素直ね」


「よほど、ユウさんに好かれることが大事なのでしょうね……」


 メイリとキルバギリーがアニミダックの意外な一面を知った後、突如、小さな地震のような振動と何かの音が伝わってくる。ちょうどこの頃に、ナジュミネとモフモフ軍隊が無数の触手相手に暴れまわり始めていた。


「っ! なんだ、この振動と音は……」


 アニミダックは嫌な予感がしたのか、触手を少し増やしつつ、新しい触手づくりを急ぐ。


「ムッちゃんが来たのよ!」


「……何? たしかに、何かが近付いてくるな。それと同時に入り口の触手の数もどんどん減ってきている。何が起こっているんだ。なっ! 触手が!」


 アニミダックの気が逸れているタイミングでメイリが変化を解いた。


「キルバギリー! いくよ! 【ディテリオレーション】【ブランティング】」


「はい! メイリさん!」


 メイリの弱化魔法によって触手が弱体化および鈍化し、キルバギリーが自身に内蔵されているブレードで3人の近くにあった触手をすべて切り崩した。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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