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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第3部2章 女の子たちの帰省とモフモフライフ

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3-19. 丁寧で穏やかだが何を考えているか分からない(3/3)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 ムツキとニドの大声が発せられた後、ケットやクー、アルを含む全員が急いでニドの棲む最下層の泉に向かっていた。全員が途中で合流し、モフモフ洞窟探検隊のイベントは半ば中断の様相である。


「ご主人! 大丈夫ですか……ニャ?」


 急いで最下層に辿り着いたケットたちの目に映るのは、楽しそうに話しているムツキとそれを楽しそうに聞いているニドと妖精たちだった。完全にムツキの独演会と化している。


「どういうことだ?」


「マイロードと一緒にいる彼らに聞くしかないでしょうね」


 後から来た妖精たちがムツキの周りにいた妖精たちを呼んで、事情を聴く。


「にゃー、にゃ、にゃー」


「わん、わん、ぐるる、わん」


「ニャるほど。ちょっといざこざはあったけど、既に和解して、ご主人がニドにいろいろとお話をしているってことかニャ?」


「にゃー」


「ありがとうニャ!」


 ケットはうんうんと頷いて、妖精たちに礼を言う。


「はっはっは……これは愉快、愉快。そのメイリ様はとんだタヌキですねえ」


「そうなんだ! メイリの「変化で見せるその人は絶対にしない言わないショー」は中々に最高だよ。後で俺まで怒られることもあるけどな……。ちなみに、キルバギリーと一緒にそのショーをしているとより面白いし、たまに本人も一緒になってやると間違い探しみたいで楽しいぞ」


 ニドが大笑いし、ムツキが滅多に見ないニドの大笑いに嬉しくなって、ドンドンといろいろなことを話している。完全に話と場が温まりきっていた。


「いやはや、変化や偽装でしたか。中々に独特な能力を持っていらっしゃる。それに、ムツキ様とほかの奥様たちのエピソードもいい。いずれも中々に面白いものが外にはあるものですねえ。ん? おやおやおや、これはケット様。おひさしゅう」


「ニド、久しぶりニャ! 元気かニャ?」


 ニドはケットたちに気付いて、彼らに挨拶をする。


「ええ、この場所で好きにさせてもらっていますよ……この場所だけですがね」


 ニドは多少皮肉めいた物言いをする。クーとアルは引っ掛かるが、ムツキやケットは特に気にした様子もない。


「おい、良からぬことは企んでいないだろうな?」


「おやおや、人聞きの悪いのことを仰いますな。クー様も私めを疑うくらいにはお元気そうで」


 ニドは面白そうに笑みを浮かべながらクーに話しかけ、クーはいつも通り、楽しくなくても楽しそうな笑顔で話している。


「ふん。お前は信用ならないからな」


「それは、それは……残念、残念……」


 クーのきつい言い方もニドは気にしない。アルがクーに話しかけ始める。


「やめなさい、クー。ニドに非はないですよ」


「ふん、たしかにな。だが、お前はいつもどこか胡散臭い。化けの皮が剥がれないように気を付けることだな」


「はっはっは……いやはや、怖い、怖い……化けの皮はありませんが、脱皮はありますねえ。脱皮した際の抜け殻でもお渡ししましょうか?」


 クーに向けたニドの軽口だが、クーは小さな溜め息を吐いた。


「いると思うか?」


「いえ、まったく」


 クーとニドの話の流れがまずいと思ったケットは、2人の間に割って入る。


「とにかく、みんニャ、無事で良かったニャ。今日はみんニャ、ここで泉の水を汲んで、みんニャでこのまま帰るニャ。今回は特別に全員合格ニャ」


「にゃー!」

「わぅーん!」

「ぷぅ!」

「があっ!」

「ぴぃ!」


 特別合格。つまり、今回のモフモフ洞窟探検隊の参加者は皆、大人の仲間入りを無事に果たしたということになる。


「ニド、今日もありがとうニャ。今度、ゆっくりと話そうニャ」


「ええ、いつでもどうぞ。私めはここで同胞たちとお待ちしておりますよ」


「ニド、それじゃあなー。また話をしに来るよ!」


「ムツキ様の楽しい話、いつでもお待ちしておりますよ」


 ケットとムツキがニドに別れの挨拶をし、ニドは丁寧に返した。やがて、モフモフ洞窟探検隊が全員、泉の前から引き上げると、暗く静かになった空間が広がる。


「……まったく、騒がしいやつらだ。あのお喋りの1%で十分と言うに。しかし、実力があるから侮れない。特にクーは私を疑っているからな。あやつには警戒しないと」


「しゅーっ、しゅーっ……」

「ふしゅ……」

「ふしゅる」


 ニドのぼやきが終わると、毒蛇たちがニドに話しかける。その中に先ほどケガを負った蛇もいる。


「おぉ……大丈夫か、同胞よ。治って本当に良かった。お前のおかげで、貴重な情報も得られた。さて、どうしてくれようか……」


「ふしゅ……ふしゅ……」


 別の毒蛇がニドに話しかける。ニドの顔が嬉しそうに歪む。


「そうだな。あやつ……いや、いかん、いかん、あの方と言っておかねばな。居場所の見つかったあの方を起こして、けしかけてしまえばよかろう。あの方たちは、あの出来損ないの女神のことになると目の色を変えるからな。ムツキという泥棒猫を知れば……」


「ふしゅ……」


「あぁ……丁寧に起こして差し上げろ。こちらの用意してやるショーもせいぜい楽しんでもらおうじゃないか。他の者たちは引き続き、探しておくれ、頼んだぞ」


 ニドは泉の方へと戻っていき、無数の毒蛇がムツキたちを避けて最下層から洞窟の外へと静かに誰にバレることもなく抜け出していた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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