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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第3部1章 ムツキと楽しい日々

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3-7. 暑すぎる夏だが海を口実に外に出される(6/7)

約2,500字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 ナジュミネたちの休憩も兼ねて、妖精たちの見事な連携のチアリーディングが披露される。ムツキはそれをいつになく満面の笑みで堪能していた。


「以上でチアリーディングは終わるニャ。みんニャ、拍手をよろしくニャー」


「最高だ! 100点中100点、いや、200点だ!」


 ムツキは1人スタンディングオベーションで妖精たちのチアリーディングに拍手を送っている。


「ムッちゃんたら、モフモフに釘付けね。私たちの水着もたまにチラチラ見ているけど、モフモフはガン見し過ぎでしょ……。もう! 後で見せつけてあげるわ!」


 2回戦は「ナジュミネ&リゥパ」対「コイハ&メイリ」である。


 ナジュミネがパワータイプ、リゥパがコントロールタイプ、サラフェとキルバギリーがバランスタイプなのに対して、メイリとコイハは2人ともスピード&トリッキータイプだった。


 コイハは自身たちへの強化魔法と固有魔法の【狐火】を使うバフ型トリッキータイプで、メイリは相手への弱化魔法と固有魔法の【変化の術】を使うデバフ型トリッキータイプである。さらには2人とも獣人、半獣人ということもあって、スピードが魔人族、人族、妖精族の比ではなかったのだ。


 さすがに、メイリの弱化魔法は相手への攻撃として禁止されたが、【変化の術】が球技において強力過ぎた。


「これは決まったか! コイはんの強化魔法によって強くなったメイりん師匠が【変化の術】で繰り出す強烈かつ分身したボールたち! メイりん師匠の魔力消費を抑えるために分身したボールの正体のほとんどがコイはんの【狐火】だ! これもすごいコンビネーションだぞ! どれが本物だ? どれが本物なんだ!? あぁっ! すべてのボールがナジュみんとリゥぱんをあざ笑うかのように、2人の手すら掠めない! 強いーーーーっ、強いっ! 強すぎるぞ! メイりん師匠! コイはん! 一方的な試合運びでゲェーム……セットォッ!」


 ユウは先ほどから終始楽しそうである。幼女の姿で飛び跳ねているため、楽しくてはしゃぐ子どもそのものだった。


「ユウ、ずっとノリノリだな……っと、この試合はコイハ&メイリの勝ちだ」


 ムツキはユウが楽しそうにしていることを微笑ましく思って優しい笑みが零れる。


「やった♪」


 メイリとコイハが勝利のハイタッチをする。パンッという乾いた音が妖精たちのチアダンスの開始音になる。妖精たちがポンポンをぶんぶんと振り回しながら楽しそうに踊り出す。


「次は……少し休憩してから……モフモフを堪能してから……最後の……コイハ&メイリ……対……サラフェ&キルバギリーを……するからなー……おぉ……すごい……」


 ムツキは妖精たちのモフモフチアダンスに釘付けになりながら、次のアナウンスをする。


「負けてしまった……。メイリの【変化の術】でこんなに攪乱されてしまうとは……」


「……そうね。まさか、2連敗になっちゃうなんて……。でも、面白かったわ。ご褒美は残念だけどね」


 リゥパもナジュミネもめいっぱいに身体を動かしたからか、負けても悔しいという気持ちになっておらず、むしろ、晴れ晴れとした気分になっていた。


「そうだな。それは残念だが、皆の魔法の使い方やそれぞれの戦い方を知ることができた。メイリ、さすがだな」


「ありがとう! 姐さんもリゥパも強すぎるから、【変化の術】を使うしかなかったよ」


 実際に魔法や固有魔法をナシにしたなら、ナジュミネとリゥパに敵わない。それはサラフェやキルバギリーも同様である。


 ナジュミネが炎の魔法が得意というのも不利に働いた。実は炎の魔法でボールを強化しようとしたら破裂したのだ。さらにリゥパも咄嗟に出せるのが【マジックアロー】のため、ボールを撃ち抜いてしまって、2人の魔法はトコトン相性が悪かったのだ。


「……さて、実に良い時間だった。そろそろいいか?」


「なんかビーチバレーがついでになってない? さすがにムッちゃん相手でも怒るわよ?」


「なってないぞ! 俺はビーチバレーも真剣に見ているぞ」


 ムツキがチアダンスを終えた妖精たちからポンポンまでもらえてご満悦な顔になっているところに、リゥパがジト目で釘を刺す。彼は少し焦ったように首を横に振っていた。


「えー、試合中の女の子たちをマジマジとやらしい目で見るというのもなんだかなー……」


「おいおい……それじゃあ、俺にどう答えろと言うんだ……」


「あはは、冗談よ、ムッちゃん、怒らないで」


 そのムツキの焦る様子にリゥパは少し意地悪をしたくなったようだった。唸る彼に彼女は笑顔で返した。


「まったく……メイリ、コイハ、サラフェ、キルバギリー、用意はいいか?」


 4人はそれぞれの位置について、ゆっくりと頷いた。


「それでは、試合開始!」


 その後の試合展開は、それぞれの得意な魔法の応酬だった。


 サラフェとサラフェに変身したキルバギリーが水の魔法のコンビネーションを華麗に披露する。


 一方で、コイハもメイリも持ち前のスピードでどんなボールにも追いつきつつ、コイハが強化魔法を掛けた上で分身ボール用の【狐火】を繰り出し、メイリが【変化の術】で数十個のボールを散弾のように相手のコートの四方八方にぶちまけていく。


 サラフェやキルバギリーが【ファウンテン】ですべてのボールを地面につかないように跳ね上げる。しかし、コート全体に噴水を出現させるような大掛かりな魔法を何度も使ったことで魔力の消費が激しく、また、跳ね上げてからの攻撃に繋げることも難しかったため、じり貧で後半はほぼ為す術がなくなっていた。


「サラべえが魔力枯渇か! 膝から崩れ落ちた! キルちゃんはまだ魔力に余裕があるけれど、メイりん師匠とコイはんの猛攻撃を1人では捌き切れない! ああーっと、ここでサラべえとキルちゃんがギブアップだーっ!」


「サラフェとキルバギリーのギブアップにより、メイリとコイハの勝ち!」


「第1回ビーチバレー大会はメイりん師匠とコイはんの優勝で幕を閉じたーっ! おめでとう! メイりん師匠! コイはん!」


 ムツキはユウが最後の最後まで楽しんでいるようだったのでホッとした。


 プレイヤーとして参加したナジュミネ、リゥパ、サラフェ、キルバギリー、コイハ、メイリもお互いにお互いを讃え合って、終始円満に大会は終わった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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