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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第3部1章 ムツキと楽しい日々

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3-3. 暑すぎる夏だが海を口実に外に出される(2/7)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 ユウが唱えた途端に、ムツキ、ナジュミネ、リゥパ、サラフェ、キルバギリー、コイハ、メイリ、さらにはケット、クーと数匹の猫や犬、ウサギの姿をした妖精たちが見る風景は一瞬にして変わる。


「あ」

「えっ」

「えっ」

「はい?」

「おー」

「はあ?」

「おー!」

「ニャ!?」

「……ん?」

「にゃっ!?」

「ばうっ!?」

「ぷっ!?」


 そこは、どこまでも青い空が続き、熱い日差しが燦々と照りつけ、白い砂と薄青色の海が眩しく、南国にありそうな植物のまであるような美しくビーチだった。さらに、彼ら以外の人も魔人も人っ子一人見えない。


 つまり、ユウのワガママプライベートビーチである。


「やったー! みんなで海だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」


 ユウが嬉しそうに叫ぶ。一方で、そのほか全員は口をぽかんと開けて、脳内で必死に状況整理をしている。彼らの中で初めに声をあげたのはケットだった。


「ニャアッ! ニャんニャ!? ニャんニャ!? 急に場所が変わったニャー! 【テレポーテーション】ニャ? ご主人? ユウ様? どっちニャ!? ここはどこニャー!? お家はどこニャー!? オイラはまだやることがたくさんあるニャー!」


 ケットは自他ともに認める働き者であり、いつも家事や家の運営で忙しくしている。彼が的確に指示しているからこそ、ムツキはスローライフを日々送れているのだ。


「くぁーっ……ったく、そこで叫んでいるユウの仕業だろうな……。ケット、少し落ち着け。あと、やることは家に残った奴に任せて、お前は諦めろ。巻き込まれた時は楽しむに限るぞ」


 慌てるケットに対して、クーは一度大きな欠伸をした後、起き上がりながら象サイズの大きさに変化し、周りをゆっくりと見回す。遠くまで人の影は見当たらない。彼は焦る必要が無いと判断し、ケットに諦めることを促した。


「よくそんニャに落ち着いていられるニャ……」


「くぁーっ……まあ、俺はケットと違って、やること少ないし、そもそも今日は俺のやることが終わったからな。強いて言うなら、ユウと話してやってやるくらいだ」


「ニャー! ひっどいニャ! だったら、帰ったら少しは手伝ってほしいニャ!」


「わかった、わかった。俺にできることはするから落ち着け。お前が不安だと、ほかの妖精たちが不安がるだろう」


「にゃー……」

「あぅー……」

「ぶぅー……」


「ニャー……それもそうニャ。分かったニャ。でも、オイラたち、いつ帰れるニャ……」


 ケットとクーは昔からの親友のため、いつでもこういった軽口でやり取りができる。


「さて、と、ケトちんが落ち着いたところで……どう? 驚いた? 未開の大地にある綺麗な海を見つけちゃったの。皆に教えたくて。でも、アルみんとルヴァちゃんは家にいなかったかー」


 ユウはアルとルーヴァがいないことを残念そうに思っていた。


 アルとは彼らの仲間であり、鋭く黒いツノを生やした山吹色のウサギの妖精のことである。彼はケットやクーの親友であり、ケットやクーが普段樹海にいない分、樹海の不法侵入者を取り締まる警備隊の総隊長としての役割を果たしている。もちろん、手に負えないものはムツキに連絡して、対応してもらうことになっていた。さらに一時期、ナジュミネの世話役をしていたものの、樹海での大きな魔物騒ぎ以降、樹海の警備専属になってしまった過去も持つ。


 ルーヴァもまた彼らの仲間であり、全身が純白の羽に覆われた金色の瞳を持つフクロウの妖精である。彼女は普段、リゥパがユウの神託を受けた後にそれをエルフの里に連絡する伝令役を担っている。リゥパがムツキの下へ来た当初は彼女とともにムツキの家に一緒にいることも多かったが、最近はホームシックなのか樹海暮らしの日も多い。今この瞬間もちょうど樹海でのんびりと寝ていた。


「ユウ……まさか、全員を一度に【テレポーテーション】したのか」


 ムツキは驚いた顔のままユウに聞く。実はこの【テレポーテーション】はムツキが考えた魔法であり、それをユウに伝授したものである。つまり、新しい魔法を創って創世神に逆輸入した形である。


 しかし、彼の【テレポーテーション】は一度に大量のものを運ぶことはできない。加えて、精度も割と雑なため、だだっ広い場所へのテレポートはあまり問題ないが、洞窟や家の中などの狭い場所では変な所に出現することがある。


 過去の彼の失敗の中では、山の斜面に半分以上埋まった状態で出現したこともある。


「うん。ムツキから教わったのを少し変えてみたの」


「嘘だろ……」


 ユウはしてやったりという顔をしながら、ムツキに満面の笑みを投げかける。彼女も創世神という自負が少しはあるのか、彼が新しい魔法を教えてくれた時に、後で改良して驚かせるという気持ちになっていたのだ。


「あはは。ムツキの純粋に驚いた顔って可愛いよね! さて、それよりも遊ぼ! みんな水着に着替えてー。【クリエイト】」


 ユウ独自の魔法【クリエイト】。いくつかの条件があるものの、その名の通り、あらゆるモノをつくり出せる万能な魔法である。ムツキには【クリエイト】を使うことができない。


 そうして、簡易着替えスペースはもちろん、ビーチ用のテーブル、チェア、パラソルなどの小道具とともに何十枚もの水着が出てきた。


 各自、思い思いの水着を選び、サイズやイメージが異なれば、ユウにリクエストして再度【クリエイト】で水着を出してもらうのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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