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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第2部2章 ハーレムの女の子が一気に増える 

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2-Ex10. 事情が事情だったので許されることになった(2/2)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

「ですけど……」


 サラフェが再び口を開くと、コイハは彼女を制止する。


「あー、蒸し返すな! 蒸し返すな! 話がどんどんややこしくなる! 許す! 許すけど条件がある!」


「条件?」


 コイハがそう言い放つと、サラフェが聞き返す。


「そうだ。条件だ。そもそも、サラフェは獣人族や半獣人族の抹殺の命を受けて来たんじゃなかったか?」


「……そうですわね」


 コイハの話にサラフェが頷く。


「じゃあ、サラフェが失敗したってなったら、次のやつが来るじゃないか。それじゃ、ほかの皆が危ない」


 コイハは先ほどの話から他の獣人族や半獣人族のことが気がかりで仕方がなかった。彼女の言葉に再びサラフェが頷く。


「そうですわね」


「だから、ハビーやケット・シーと交渉して、獣人族や半獣人族が樹海で暮らせるようにして、全員を無事に連れて来てくれ」


「コイハ、名案だね!」


 コイハの出した条件をメイリが称賛する。サラフェは少しの間を空けてから、またゆっくりと頷いた。


「……なるほど。わかりました。元より何かしらの交換条件は覚悟の上。立派にその責務を果たしましょう」


 サラフェが笑顔で了承を口にする。キルバギリーは口を開けて驚く。


「怠惰なサラフェが、理由があるとはいえ、2つ返事で働くと言っているなんて……普段はどれだけ仕事させるのに大変だったか……」


「キルバギリー、しばきますわよ? ……あなたも一緒ですよね?」


 サラフェは少し冷ややかな目をキルバギリーに向けた後、次の瞬間には支援を請うように困った表情をして問いかける。


「もちろん、それは分かっています」


「じゃ、それで決着だ」


「いや、僕からも条件付けちゃおうかな」


 コイハが手打ちにして終わらせようとした瞬間にメイリが切り出すので、コイハがコケる。


「……なんでしょう?」


 サラフェは直感的にメイリが苦手なのか、笑みを浮かべるメイリに少し引き気味である。


「ダーリンの奥さんの順番だけど、サラフェが4番目、キルバギリーが5番目、コイハが6番目、僕が7番目ね」


 メイリが提案したのはハーレムの順番だった。この世界において、多夫多妻の仕組みを持つ種族がいくつもあるが、そのいずれも数字の小さい方、つまり、1番に近い方が妻としての格が高いことになっている。


「ん? メイリは最後で良いのか?」


 ナジュミネは魔人族であり、妻の格を気にするタイプなので、メイリに確認を取る。


「うん。別に気にならないから。むしろ、私たちにとって、4は死を連想させるからあんまり良い数字じゃないからさ。6は禄ってことでお金や食べ物の意味に通ずるし、7は単純にラッキーセブンだし、なんか数字が大きいほど若い感じがする!」


 メイリが「若い」という言葉を出した瞬間に、リゥパの笑みがそのまま凍る。ナジュミネは言葉に引っ掛かって、メイリの方を向いて口を開く。


「ん? 若い感じ? メイリはいくつなんだ?」


「え? 僕? 僕はちょうど1,000だよ?」


 メイリが何気なくそう言い放つと、彼女とコイハ以外の全員が面食らったような表情で開いた口が塞がらなくなる。


「せ、1,000!? 1,000!? え、1,000!? ……1,000?」


「ぷふっ……姐御、びっくりし過ぎて、連呼しちゃってるぞ?」


 あまりにもナジュミネが驚いているので、コイハが笑ってしまう。メイリはしてやったりという感じで両手をピースサインにする。


「あはは。まあ、僕は半獣人族でも、いろいろあって、妖精族に近い感じかなー。コイハは20歳だよ? 人族や魔人族と同じで考えていいと思うよ」


 メイリは何か含みのある言い方をしつつ、話題を逸らすためにか、コイハの年齢を勝手に言い始めた。


「メイリ、人の年齢を勝手にばらすなよ……まあ、いいけど」


「コイハが20で年上か。妾は17なんだが……姐御? 姐さん? 訳が分からん。ちなみに、サラフェは?」


 ナジュミネはやはり、呼ばれ方が気になってしまう。


「25ですわね」


「25!? え、年上なのか?」


 ナジュミネはまたもやびっくりする。目の前にいる身長が小さくて可愛らしいサラフェが年上だと思いも寄らなかったのだ。


「どういう意味ですの……プロポーションのことで言っているのでしたら怒りますよ?」


 サラフェは希少価値の高い自身のプロポーションを少しだけ気にしている。


「いや、妾がまさかの年下だとは……キルバギリーは?」


 ナジュミネはここまで来たら全員分を聞きたくなる。ただし、リゥパにだけは聞かない。


「眠っていた期間がありますが、造られて最初の起動を誕生とすると、生まれてからですと約1万2千ですね」


 キルバギリーが気にした様子もなく年齢を告げると、もはや、誰も大きく驚かなくなっていた。


「中々の年齢だな」


 ナジュミネはもうツッコまない。


「ちなみに、リゥパは」


「【マジックアロー】」


 メイリがリゥパの名前を口にした瞬間、リゥパは【マジックアロー】をメイリに放つ。ナジュミネが横から【マジックアロー】を鷲掴みにして、メイリの頬近くで止める。


「えっ?」

「危ないだろ!」


 メイリはあまりのことに言葉を失い、コイハがリゥパに文句を言っている。


「全員に告ぐ。リゥパの年齢の話はするな」


 ナジュミネが少し声を低くしてそう言うと、メイリやコイハ、サラフェの喉がゴクリと鳴る。


「その時点で年齢が高いと言っているような」


「【マジックアロー】」


「……容赦ないですわね」


 キルバギリーの言葉に再び【マジックアロー】が放たれるが、キルバギリーは最低限の動きで【マジックアロー】を避ける。おかげで新築の壁に穴が開いた。


 全員がリゥパの年齢には触れないことに合意した。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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