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さっくり完結短編

メールが一件届きました

作者: 昼行灯

携帯電話の着信音が鳴った。

確認すると1件と表示される。メールだった。誰からのメールなのかは着信音で理解している。急ぎの用事ではないだろう。急ぎだったのならば電話を掛けてくる相手だ。開ける前にどんな内容なのか想像する。

帰りになにか買ってきてという用事だろうか。遅くなるという伝言だろうか。面白い物を見つけた報告だろうか。もしかすると誤送信かもしれない。


たった一通のメールから様々な想像をしてしまう。


考えてみればメールなんてモノはただの文字の羅列で、電話のように抑揚もなければ、直接顔を合わせた時のような表情もない。手紙のように手書き独特の風味もない。ただの0と1が織り成す電波の結晶だ。


それなのに不思議と情が伝わってくる。伝わる気がする。


ほんの数十年前まではメールなんて存在すらしなかったというのに。今や仕事でもプライベートでもメール無しでは考えられない。最近はメールよりも簡潔なアプリケーションも流行っているが0と1の結晶に違いはない。どんな場所にいても、どこの国にいても、0と1の結晶は文字と一緒に情も届けてくれる。一瞬で情を掻い摘まんで届く現在は良い時代になったと思うのと同時に不思議な時代になったとも思う。

メールはなにも嬉しい事ばかりではない。悲しい時も寂しい時もある。


しかしどんなメールにも情がある。


新着と表示されているこのメールにはどんな情があるのだろう。期待と不安を胸に秘めながら君からのメールを表示させた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして わかります、わかります。 情、相手の想い、乗ってきますよね。 不思議ですね。
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