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意味がわかると怖い話

金縛り

作者: ゅぅ

俺は最近よく金縛りにあう。

そーいえば、この部屋に越してきてからだな…。


ま、所詮金縛りなんて体が疲れてるだけのこと。

引っ越しの片付けや仕事も忙しくなってきたし、有休使って温泉でも行くかな。



うっ…


今日もまた金縛りだ。

金縛りの時は決まって悪夢を見る。

いつも髪の長い女が俺を見つめてるんだ。

夢では俺は幽体離脱のように上から俺と女を見てる。


あれ…?

いつもより女が俺に近づいてる気が…。

気のせいだろうか…。


まぁ、いいや。

どうせ女も俺も、俺が上から見てるなんて気づきやしないんだ。

それに俺はこれが夢だってこと位知ってるしな。

金縛りで体は動かないけど目だけは動かせるんだ。

だから、いつでも目を覚ますことだってできる。


…けど、それはしないようにして俺は普通に寝ようと意識してまた眠るんだ。


なんでかって?


弱虫だって笑うかもしれないが、目を開けたら女と目が合いそうで怖いからさ(笑)




…―ピピピピピッ

うーん…朝か。

体も動くみたいだし起きるか。


俺はいつものようにベッドから出て珈琲を入れるためにお湯を沸かす。

その間に朝刊を取りにポストへ。


んっ?


朝刊と一緒に白い封筒がポストに入っている。


切手も差出人の名前もなしか…。


不信に思いながらも部屋に戻って封を切った。



『コイシチャッタノ

 一番あなたが好きよ

 ノーマルじゃなくて

 ロマンチックな夜を』



なんじゃこりゃ。

ラブレターにしては変な内容だな。



俺は気にしないようにしようとしたけど、それは無理だった―…


なぜなら―…

手紙はそれから毎朝届いたから。



二通目には三枚の便箋が入っていた。


『のこりはいらない』

『これらも必要』

『とくべつはイチトサン』

訳が分からない。

三通目には、


『目的はあなた

 ルールは頭』


だんだん気味が悪くなってきた。

封筒はまだ届いた。


『てがみを出したよ』


この謎の封筒が届いてからというもの、金縛りも毎晩起こるんだ。

あの悪夢も一緒に。


『るすはさみしいな』


悪夢では女が俺にどんどん近づいている。

毎晩少しずつ…。

気のせいではなかったみたいだ。

ついにあと少しで俺に触れる位まで来ていた。


そして封筒にも…―


『よびに行くね』


なんなんだ、いったい?!

もう限界だ!!

明日こそこの封筒の奴の正体を暴いてやる!


俺はふと窓を見た。


今日は満月か。

どうか明日からはゆっくり寝れますように…。


そんなことを願ってカーテンを閉めて布団に潜り込む。


明日は早く起きて見張っていよう。


そう意気込んで目覚ましをセットして俺は眠りについた。



うっ…


またかよ。

さすがにこう毎晩金縛りに合うと慣れるもんだな。


俺はいつものように意識を集中して寝ようとしたが、ある異変に気づいた。


今日はあの女がいない―…


ついに今日はあの女の正体が分かるかと思ったんだが…。

なんだか、拍子抜けだな。

今日ならこのまま目を覚ますこともできそうな気がする。

よし!この勢いで目を開けてみよう!


恐る恐る目を開けてみると―…


俺は見た―…













満月ってこんなに明るいんだな…。



…―こうして、ようやく俺は安眠できたんだ―…。
















【解説①】

一つ目の意味怖要素について解説します。一つ目は送られてきた封筒に隠された本当のメッセージです。カタカナだったり平仮名、漢字と使い分けられてる辺りから、別のメッセージが隠されていることが分かると思います。しかし、1通目だけでは本当のメッセージは読み取れません。

これは6通全てが揃った時に本当のメッセージが現れます。そこで、注目するのが3通目の "ルールは頭"

「ルール」とは本当のメッセージを読むための方法を示しています。「頭」とは手紙の頭文字を指します。つまり、頭文字を読めと言うことです。

これに従って読むと

『コ一ノロのこと目ルてるよ』となりますが、このままではまだ意味が分かりません。

そこで次に注目するのは2通目の "とくべつはイチトさん"

「とくべつ」は特別、「イチトさん」は1と3と変換します。ここで数字は何通目かを指しています。 つまり、1通目と3通目は特別な読み方をしろということです。ここで、もう一度3通目の手紙の頭文字をじーっと見てみるとある文字に見えてきませんか?

もうお気付きでしょうが、この2通は頭文字同士を組み合わせてできる合体文字なのです。

「コ一ノロ」→君 「目ル」→見 となり、手紙に隠された本当のメッセージは

『君のこと見てるよ』 となります。

以上が、一つ目の意味怖要素でした。


【解説②】

もう一つの意味怖要素は何故俺は安眠できたのか です。

俺が目を開けた時に見たのは満月でした。ここで思い出してほしいのが、俺は寝る前にカーテンを閉めたこと。では、何故俺は満月が見れたのでしょうか?

…―もちろん、カーテンが開いてたから。何故カーテンは開いていたのか―…つまり、誰かがカーテンを開けたから俺は満月を見ることができたのです…。

ここからは話全体の解説になります。

あの手紙を送ってきたのは、俺のストーカーでした。あの悪夢に出てきた女です。俺が見ていた悪夢は、ストーカーがどんどん近づいてくるという予知夢でした。あの手紙には隠されたメッセージとそのままのメッセージが含まれています。最後の手紙には "よびに行くね" と書かれており、 手紙のとおりに女は俺の所に来て、窓から侵入し、狂った愛情表現から俺を永遠の眠りにつかせました。俺が目を開ける直前に、夢の中に女がいなかったのは―… 女が"いなくなった"のではなく、俺が"女の側を離れた"ことを意味しており、つまり、俺は女に殺されてしまうのですが、女は捕まり、俺が女と離れることを予知していたのでした。以上が話の解説です。

説明下手なんで、分かりづらかったらごめんなさい。

ちなみにこの話は自分の金縛りの体験談と、先輩の金縛りの体験談を基に作らせてもらいました。本文も解説も長文だったのに、ここまで読んで下さった皆さん、本当にありがとうございます。

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