表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

第五頁目


ごくりと唾を飲み込む。

私、一世一代のピンチです。

「嘘でしょ…」

がらんとした補習室の中にはものの見事に誰もいなかった。

嘘やーん(二回目)。

これあれだよ。

あのパターンだよ。

「ま、まぁ、どうせ先生が遅くなってるだけだと思うし?」

絶対そうだようんうん。

自分を独りでに納得させてから席に座る。

さて暇だ。

何をしようか。

「こんな時の本だよねー。じゃじゃーん」

あの本を読むには少し勇気がいるので別の文庫本を取り出す。

ちょうどいいところで終わってたから続きが気になるんだよね。

私は本に集中することにした。



(※ただいま語り手が真剣に本を読んでおります。

 しばらくお待ち下さい)



△▼▲▽


どれくらい本を読んだのだろうか。

ふと時計を見るとあれからもう二時間ちょっと経っていた。

随分と読み込んでいたらしい。

ほぅ、と息をついて本を直す。

笑いながら呟いた。


「なあんだ何もないじゃん」


()()()


ぴたっと動きを止める。

…なんか嫌な予感がする。

そうそう、昨日のお風呂に入った時のような。

じわじわと冷や汗が吹き出るのを感じながら後ろを振り返る。

視線は自然とその先のロッカーを見つめる。


()()()()()()()()


ロッカーが()()()()()


そろっとカバンを胸に抱える。

ゆっくりゆっくり椅子を引いて出口を背にして後退る。

これはやばい。

本能的にそう思った。

教室の扉を開けようと後ろに手を伸ばす。

声が聞こえた。


()()


()()()()()()()()()


「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!??(泣)」

それが()()()()()()()だと気付いた瞬間。

私は泣きながら補習室を飛び出た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ