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第四頁目
「…っこらぁ!起きろ!!」
「っぴぎゃあぁあ!?」
頭をがつんと何かで殴られた。
変な悲鳴をあげて飛び起きる。
と、クラスメイトの視線が私に集まっている事に気づいた。
…あ、これもしかしなくてもやべぇ?
はっとして前を見るとそこには怒ると怖いという噂の山田先生が真っ黒い笑顔で私を見ていた。
…あ、これもしかしなくてもやべぇな。
「端本さん」
「ハイ」
「放課後、補習室ね?」
「ハイ、ワカリマシタ」
にこやかな笑顔で授業を開始する先生。
私、硬直状態。
…え、めっちゃ怖いんですけど。
ていうか放課後補習室だと?
嘘やーん、今どちゃくそ補習室の怖い話読んだやーん。
そこにいけと??はい??
そこまで考えて気づく。
あの本はどこだろう。
机の中を漁ると真っ黒な表紙がちらりと見えた。
あ、持ってた。
でも私先生に内緒で本読んでたはずなのになんで寝てるんだ?
途中で寝落ちした?
にしては本は綺麗に机の中に収まっている。
考えて考えてから結論。
まぁいいや。
とりあえず今しなければいけないのは先生の目をかいくぐりながらノートを取ることだね。
…はぁ。