プロローグ
「北から攻めて来るときが、この世の終り始めなり、天にお日様一つでないぞ、二つ三つ四つ出て来たら、この世の終りと思へかし、この世の終りは神国の始めと思へ臣民よ、神々様にも知らすぞよ。」(ひふみ神示 富士の巻第十六帖より)
2012年この世界に終焉は突如訪れた。ラグナロク。アポカリプス。カリユガ。世界中に様々な伝承が残る世界の終末の神話。
空に幻日が複数浮かび上がるとともに世界中のあちこちに次元の裂け目が現れそこより機械で出来た異形のものが現れたのだ。
北欧のスカンジナビア半島にはロキとその子供を筆頭とした終末の巨人型兵器ヨトゥンたちが。
中東地域から南欧にはシャイターンとヘレルベンサハル率いる異形の戦術兵器堕天使が。
インドにはすべてを浄化する巨人型兵器カルキとその眷属が。
中南米では巨人型兵器テスカトリポカとその眷属が、北米では巨人型兵器イタクァとその眷属が。
中国では超技術の塊である宝貝を武器とする古代の神仙が、エジプトでは巨人型兵器オシリスとその眷属が。それぞれ現れ周辺を破壊し尽くした。
そして日本に現れたのは12000年の遠き昔に天若彦尊により地に落とされた国常立尊と、豊雲野神、同じく遠き昔に天津神によって滅ぼされたとされる荒覇吐と呼ばれる神々やその眷属だった。
彼らは北海道に出現し瞬く間に周囲一帯を蹂躙し、無人の土地とすると1年後には津軽海峡を渡って三陸を南下し、2014年には利根川の河口にある鹿島神宮にある「武甕槌大神」と香取神宮にある「経津主大神」の結界を破壊した。
それにより関東地方全体の結界は破壊され大地震の発生とともに利根川、江戸川、中川、多摩川の河口周辺地域や東京南東部、川崎、横浜の多くの土地が水の下へと沈んだ。
更に駐留していたアメリカ軍はアメリカ本土の防衛に回すためにとっくの昔に日本を離れ、自衛隊は孤軍奮闘したがその戦闘能力には圧倒的な差があり、自衛隊はその戦力の多くを失い首都圏は敵の手に落ちた。
そして霞が関とその官僚機構に所属するものも多くが殺され大阪府と京都府の知事が日本臨時政府を設立するに至った。
そしてここまでに日本はその人口のおおよそ半分を失った。
2014年日本の首都関東圏の壊滅に伴い、日本臨時政府は、長野県に首都を移転、しかしミシャグチ神、蛇神ソソウ神、狩猟の神チカト神、石木の神守谷神などの古代神の復活により長野県下も壊滅するいたり2015年京都府の平安京への再度の移転をするに至った。
日本臨時政府は『遺憾ながら東日本の放棄を決定する。』との声明を発表し、長野県、新潟県、静岡県に至るまでの東日本は完全に放棄され、富山県、岐阜県、愛知県を干渉地域として、福井県、滋賀県、和歌山県を防衛圏としてなんとか政府共同体の瓦解を防いでいた。
しかし、このことを予見していたものが世界各地で対策機関を設立していたのだ。
日本ではミハシラ機関と呼ばれるそれの本拠地は淡路島にあった。
ミハシラ機関は太古の昔の日本において運用されたという超古代兵器を発掘、整備しそれを運用するための人員を集めていた。
その資格があるとされたのは古代に於いて日本の神々として、かって生まれたものの転生者とされたものであった。