エピローグ
『と、いうことはぁ、魔界でお母さんを見付けられさえすればいいってこと?』
『……まぁ、そうだけど。訂正としては、親父な』
母親じゃないのかよ!?
『ガンダルヴァの方だったのよ!?』
「正直どうでもいいわ。これ、結局殺していいの?」
物未が聞いてくるが、ハニエルは答えずさらに質問する。
『じゃあ、他に方法があるなら魔穴を広げる必要はないってことでいいのよ?』
まぁ、話を聞いてるとそうなる訳だけど、ハニエルさん? 何を考えてますか?
問答無用で殺殺殺っとやっちゃっていいんじゃないでしょうかね?
私のお金にしませんか? 今なら一千万で手を打ちますよ?
『まぁ、そんな方法があるなら……魔穴開く意味はないだろうけどよ』
『ふふ。なら、あなた霊鳥目指しなさいな。天使の乗り物ではあるのだけど、大抵パワーと一緒に魔界探索にとか魔界警備に出向いたりしてるのよ。魔穴開いて魔界と天界のパワーバランスを崩して大戦争を招くより随分穏便に済むのよ』
『霊鳥……』
マジか!?
さすが神の愛とか言われてるだけはあるね。
敵の悪魔を霊鳥とやらにしようとか。
でも、確かにこいつをなんとかすれば魔穴はこれ以上広がらない訳だし、味方にしてしまえば戦力が増強する上に敵の戦力も減らせる訳だから、なるほど、それもただ倒すよりも有効打だろう。
つまり、こっちの方がいいと相手に思わせて死地に送り込む訳だ。天使って恐い。
そして、結局椋鳥はハニエルのこの言葉を半信半疑ながら頷いた。
これで彼女は天使の飼い犬というより飼い鳥になった訳だ。
彼女が気付いた時にはもう、後戻りが出来ない程に洗脳された後だろう。可哀想に。
まぁ、私はその事言わないけどね!
んで、私達ルミナスナイトになった二人はというと、脅威が無くなり再び敵同士に……
なりはしなかった。
椋鳥の話によると、本当に魔統王がこっちに来ているらしいのだ。
この学校に潜伏しているとあっては魔穴の大小関係なく、いつ開くかすらわからない。
魔統王を倒すか魔界に送り返すまで、しばらくはまだ物未との停戦になりそうだ。
メルトとの約束もあるし、これからもいろいろと問題が起こりそうな気はする。
でも、私はいつも通り金の取り立てしながら片手間にするだけさ。
家に帰ったら緑茶飲んで寝て、明日も一日頑張りましょうか!
ご愛読ありがとうございました。
次回作については妖少女の第一部終了後に始める予定です。
といっても完結させた作品の第二弾ですが。
題名は【その彼の名を誰も知らない】で続き始める予定です。