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まさかの助っ人、何してんの!?

 まるでシャワーでも浴びているようにただただ私を見上げたまま光の乱打を受け続ける青鬼。

 その表情は心無し嘲りが見える。

 その程度の攻撃、蚊程も効かぬわカトンボが。くらい言われそうな顔つきだ。


 だが、悔しいかな。今の私の実力じゃどう頑張ってもこいつに勝てそうにはなかった。

 だから、光のイメージを一気に変化させる。

 殺意をイメージしたその刹那、光の散弾は赤い血塗られた弾丸へと変化した。


 驚き目を見張る青鬼。

 この連撃が自分にとって危険だと判断したのか、当る直前地面を蹴飛ばし背後に逃れた。

 出来る。

 筋力が並外れている上に危機察知能力も私より上か。

 これだと頭も相当切れるんだろうな。


 できるならこういう手合いは搦め手、交渉で仲間に引き込みたいところだが、どうも日本人の言葉を理解できていないらしい。

 そもそもこいつ言葉わかってないんじゃないだろうか?


 着地と同時に私は青鬼から距離を取る。

 さすがに接近戦をやって勝てる相手じゃない。

 下手に攻め寄るのは愚策だろう。


 かといって遠距離と言っても私にとっての遠距離が相手にとっては近距離でしかないというのが辛いところだ。

 今の距離だって、おそらく一歩で詰めてくるだろう。

 その動きはかろうじて認識出来る程度。あの筋肉から繰り出されてくる速度に私が付いていけてない。


 まさに化け物である。

 これが……鬼か。

 牛頭や馬頭が可愛く思える日が来るとは思わなかった。

 しかもたった数日で。


「さぁて……さすがにこれを野放しにする訳にはいかないし、有効な手立ては全くなし。どうしたもんかいね……」


 これでもまだ下っ端の鬼なのだろう? だったら魔王クラスの敵とは一体どれ程の脅威なのか、想像すらできない。

 というか、こいつが魔王だと言ってくれた方がまだやる気が出せた気がするよ。

 こんなのでも下っ端とか、鬼の上位と戦う事が果たして出来るんだろうか?


「殺意攻撃はなんとか効きそうか。じゃあ、とりあえずやるだけやってみて、無理そうなら逃げるか」


 その場合学校は確実に魔界に堕ちるだろうが、命を失うよりはマシだろう。

 私は殺意の光を灯した。紗那螺が徐々に赤く輝きだす。

 うん、これくらいになればなんとか通用するだろう。


「っしゃ。反撃行くか」


 私に遠距離攻撃はない。

 悲しいくらいに近接メインで一部中距離攻撃を持っているだけだ。

 紗那螺自身を打ち出す攻撃だが、アレをすると無防備になるので、結局できるのは白兵戦だけだろう。


 紗那螺を構えて深く腰を落とす。

 相手もこちらが近接戦闘に切り替えたと気付いたのだろう。

 余裕の表情で同じように腰を落とし鋭い爪の生えた腕をコキリと鳴らした。


 先に動いたのは青鬼だった。

 私が瞬きした次の瞬間床を蹴りというより割り砕き私へと突撃して来た。

 しっかりと見据えていたせいかなんとか身体が反応する。

 手に持っていた小石を思い切り弾く。


 隠し武器は乙女の嗜みです。

 ルストの光を放つ小石は青鬼の左目に直撃し、どうやら左目を消失させたらしい。

 そのせいで目算狂った青鬼の爪が私の髪を浅く薙いだだけで振り上げられた。

 さらに腰を低く溜めて思い切り床を踏み鳴らす。


 溜めに溜めた一撃を、渾身の大いなる一撃グレイテスト・ストロークとして青鬼の厚い胸板目掛けて振り上げる。

 周囲を削り飛ばす災厄の打撃。

 打撃音を響かせながらも青鬼の胸を削り飛ばして行く。


 だが、やはり青鬼はタフだった。

 拳の打ち上げが半ばで止まる。

 筋力に押し戻されるようにそれ以上が入らない。


「これは……無理っぽい?」


 さすがに呻きを上げる青鬼だが、その腕が振われた瞬間、私の身体は紙くずみたいに空を滑空していた。

 苦し紛れに振られた一撃で意識すら一瞬吹き飛ぶ威力だった。

 私は受け止められる人も無く、体育館の壁にぶつかり盛大に息を吐き出す。

 肺に溜まっていた分全てが吐き出された気分だった。


 あ……ダメだ。一撃でこれとか、無理ゲーだ。

 ずるずると壁を滑る様に地面にずり落ちて行く私。

 この時点でようやく物未もこちらの異変に気付いていたが、次元の違い過ぎる闘いに彼女は二の足を踏んでいた。


 くっそ、青鬼の奴、私からターゲッティング外そうとしない。

 しかも悠々向って来てやがる。

 このままじゃ本気で殺されかねん。


「そこまでにせいやぁッ!!」


 立ち上がろうとして身体に力が入らず無様に転んだ時だった。

 私に近づく青鬼の背後から、釘バット両手に思い切り上空からのスイング。

 青鬼の頭蓋に直撃したところで、その行為を行った蛮勇、増川健治がそこに居た。


 って、健さん!? 何故ここに!

 青鬼に一撃喰らわせた健さんは、俺もたまに役に立つだろ? といった顔でウインクして見せた。

 死ぬ気か健さん……

登場人物


 ひじり 小影こかげ

  現在16歳、彼氏いない歴イコール年齢の少女。

  基本金かお茶にしか興味がないので、金貸しの回収を行う以外は緑茶をすすってぽけっとしている。

  特技に瞬間記憶を持ち、金貸し業の関係で覚えた指弾とデビルスマイルを得意とする。

  座右の銘はお前の物は俺のモノ。貸したら返せ命を掛けて。

  聖戦士になったようです。ルミナス・スプリングと名付けられた。

  メルトに寄生されている。ルストが見つかるまでは共生するようだ。


 メルト

  原初の柱の一つであり地球外生命体の細菌。

  時空石と呼ばれる黄金に光る石の内部に存在していて地球へと降って来たらしい。ルストと共に地球へ飛来したが、長い年月を経てルストは行方不明となった。

  以来ルストを探しているのだが、空気感染型のルストとは違い飛沫接触感染型のメルトは自身を運べる存在がいなければ移動できない。

  人間をルストと共に造り出した神らしいが、生物に触れると相手を融解させてしまう特性を持つ細菌。生き物を媒介にする場合は特定の容器である必要がある。


 結城ゆいしろ 杏奈あんな

  現在16歳、彼氏無し。

  小影曰く、紫色に染めたけど、髪が伸びたせいで半分より下だけが紫色になっちゃったとっても可哀想な人らしい。

  不良生徒になりかけていたが、小影に打ちのめされて以降小影のツッコミ役にされる。

  姐御肌らしく悪態付きながらも手伝ったりする様が密かにクラスメイトから人気を集めている。


 神殺かみさつ 物未ものみ

  父と兄が死んだため神殺組組長となった少女。

  パックの緑茶が好きらしい。

  闇金融の蔓延を不快としていて彼らの殲滅を始めているが、今のところは弱小金融の成敗だけで大物を相手にする実力には届いていない。

  組員の殆どが警察に捕まったせいで弱体化を余儀なくされたらしい。

  ルミナス・ウインターとして魔物退治に参戦。

  聖戦士として実力を付けて密かに小影抹殺を狙っている。


 増川健治

  渋いサングラスをかけた丸刈りの厳ついおじさん。闇金融をしている人。

  声がでかいので普通に話しかけると子供が泣き叫ぶ。

  金ラメや龍柄のシャツを好んで着ている。

  子供好きで野花を愛する性格だが、厳つい容姿のせいでよく通報される。


 ハニエル・ルーマヤーナ

  神の愛と称される大天使の一人。

  全ての愛される要素を内在し、顔は清楚に、身体は妖艶に。でも思考は限りなく幼児に近いある意味残念な存在。

 ただし内包する知恵と頭の回転は凄まじく、先見の明を持つため落ち零れとされる天使から大天使候補の原石を発見するのが上手い。


 ファニキエル・シュイタット

  ハニエルにより見出された落ち零れの天使。

  前回の天使試験で見習いのまま消失の危機を迎えていたが、ハニエルにより見出され付き人のような役割についている。

  未だハニエルが見出した実力は開花しておらず、実力は限りなく弱い。


 舞羽まいばね 椋鳥むくどり

  学校に魔穴を開いたと思しき黒幕。

  鳥人間らしい。

  昼間は人間に擬態して学生として生活している。


 牛頭鬼

  黒い靄から発生した悪魔。

  黒い靄で移動し、人間あるいは天使を見付けると出現し、戦闘を行う。

  夜間の校舎内を見回る様に動いている。


 馬頭鬼

  黒い靄から発生した悪魔。

  黒い靄で移動し、人間あるいは天使を見付けると出現し、戦闘を行う。

  夜間の校舎内を見回る様に動いている


 青鬼

  魔穴から出現した中級魔族。

  人語は話せないがそれなりに意味を知ることはできているらしい。

  ハーフハーピーよりもずっと実力が上のため従属はしないらしい。

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