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大打撃? いいえノ―ダメージです

 ひたすら蹴る。蹴りまくる。

 馬頭鬼が反撃できないほどに蹴り続ける。

 気分は格闘ゲームで蹴りつけながら徐々に壁際に寄せて行ってからのハメ連撃である。

 もはや蹴りの連撃に耐えきれず反撃ばかりか体勢も立て直せなくなる馬頭鬼。しかしダメージはまだ喰らっていない。


 さぁ、そろそろ行くぜ必殺技その二。

 殺、殺、殺、殺……

 蹴り足に殺意を集めるイメージを作る。今はまだ長い間念を込めないと出来ないみたいだが、そのうちすぐに集められるようにしたい物だ。これはちょっと面白そうなので覚えよう。

 生身で使えるようになればさらに良しだ。

 警察がどれだけ調べても殺害状況不明の暗殺方法すら編み出せるかもしれない。

 そうなれば保険金が……ふふ、ふふふ。


 おっと、今せっかく集まりかけた赤い光が真っ黒に。馬頭鬼が無駄に元気になりかけていたので慌てて殺意を込め直す。

 危ない危ない。金に関する考えは戦闘中はしないようにしなきゃ。

 暗黒パワーで敵を強化する事になっちまいますよ。


 赤い光が足に灯っていく。

 それに伴い馬頭鬼が悲鳴を上げ始める。

 おお、徐々にだけど相手の胴を穿ち始め……あ、違う。胴じゃなくてコレ、下半身。しかもモロに金た……んんっ。急所に当ってます。

 ふふ、くははははっ。もげろ。もげちまえっ。はーはっはっは。


「ブルアアアアアアアアアアアアアアッ」


 さすがに怒り心頭らしい。

 もはや体勢も何もあったものではない。必死に身体を動かし私から逃れようとする。

 でも無駄だ。既にハメ技は完成している。


 攻撃を繰り出そうとする馬頭鬼の腕、足、頭、その全てを蹴り潰す。

 攻撃をしようとピクリとでも動いた瞬間そこに蹴りを叩き込み身体の一部を削り飛ばす。

 ルストとかいう良く分からない神様の力らしいけど使えるモンは何でも使えが私の信条だ。


「そぉら無駄無駄無駄。あの馬頭鬼が手も足もでないとか、何この必殺、最強技思い付いちゃったっぽい?」


 いい加減足が疲れてきたかなと思い始めたころだ。身体前面部が殆ど削り飛ばされ見るも無残なスプラッターと化した馬頭鬼がようやく力尽きたように動かなくなった。

 よし、これで勝利。


 ようやく足を止めて一息つく。

 うん。やり方さえ覚えればいつもの借金取り業とそう変わらない。

 少しアクティブさが増した程度だ。

 これなら十分魔物と戦えるね。というかこんなボロい商売他にないかも?


 さってヤクザ娘の方はどうなって……

 物未の方を見てみると、丁度椋鳥に鎌を叩き込んでいる時だった。

 が、切り裂いた傍から傷が回復されていて、真っ二つに分かたれても椋鳥はすぐにくっついている。


 やはり、神聖技とやらを使わないとダメージにならないらしい。

 しかもここは巨大な魔穴が開いているせいでどうにも瘴気が濃いらしいのだ。

 魔物の回復量も桁違いだった。


 うーん。アレじゃ決着付きそうにないな。

 かといって物未に神聖技のやり方教えるもな。

 まぁ、教えたところでアレが愛だのなんだのと溜められるはずもないか。

 私と同じで敵の強化に一役買いそうである。


 羽ばたきながら空中を移動する椋鳥。その顔には悪い笑みが浮かんでいる。

 相手が自分に対して有効な攻撃を持たないことを理解しているから見たいだけど、さって、どうするかね?

 手伝いに行くといろいろ恨み買うだろうし、むしろあいつがやられかけた後にぶっ倒して貸しでも作ってやるか。


 私の貸しは高いよぉ。ふふふ。

 あ、そうだ。折角だからお茶しながら見学してよう。

 懐からマイ湯呑みとポットを取り出しお茶の用意を整えると、一口ずずっと啜る。


「ぽえ~」


 至福の一時を行っていると、物未と椋鳥がこちらを見た。


「「お前は何してるっ!?」」


 敵味方から同時に突っ込み入れられてしまった。

 いや、だって暇だったし。

 こっち来て手伝えという視線をする二人。って、椋鳥さんや、私参戦しちゃっていいんですかい。自分を不利にしたいドMな方でしたっけ?


「っ!? 後ろッ!!」


 こっちを見ていた物未が思わず叫んだ。

 なんだ? と思いながらも今まで培った経験が、感覚が、そして身体が、私が思考するより早く動いていた。

 前方に飛び込むその刹那。

 背後から突風。

 フルスイングの馬頭鬼の腕が空を薙いだ。


 ちょっ!? あんた死んだんじゃなかったの!?

 そう言えば、牛頭鬼の方は消えたよね。

 こいつはまだ消えてなかった。

 そしてここは瘴気が強い。

 失敗だ。トドメを刺した気になってたけどとんでもない。相手が復活するまで時間待ちしてしまっただけだ。


 折角のお茶も前に飛び退いて転回した時にこぼれてしまった。

 片手で床に手を突きもう片方で庇ったのに衝撃を殺し切れずにお茶が散乱したのだ。

 ああもう、折角のお茶が台無しだ。

 馬頭鬼許すまじ。


 特大級の殺意で穿ち殺してくれようぞ。

 湯呑みを懐にしまって意識集中。

 滅殺、滅殺、滅殺……

 赤黒く輝く光を拳に溜めて、拳を握り込み深く腰を落とす。


「砕け散れ! 大いなる一撃グレイテスト・ストローク!!」


 大地を蹴って、渾身の一撃を馬頭鬼へと叩き込んだ。

登場人物


 ひじり 小影こかげ

  現在16歳、彼氏いない歴イコール年齢の少女。

  基本金かお茶にしか興味がないので、金貸しの回収を行う以外は緑茶をすすってぽけっとしている。

  特技に瞬間記憶を持ち、金貸し業の関係で覚えた指弾とデビルスマイルを得意とする。

  座右の銘はお前の物は俺のモノ。貸したら返せ命を掛けて。

  聖戦士になったようです。ルミナス・スプリングと名付けられた。

  メルトに寄生されている。ルストが見つかるまでは共生するようだ。


 メルト

  原初の柱の一つであり地球外生命体の細菌。

  時空石と呼ばれる黄金に光る石の内部に存在していて地球へと降って来たらしい。ルストと共に地球へ飛来したが、長い年月を経てルストは行方不明となった。

  以来ルストを探しているのだが、空気感染型のルストとは違い飛沫接触感染型のメルトは自身を運べる存在がいなければ移動できない。

  人間をルストと共に造り出した神らしいが、生物に触れると相手を融解させてしまう特性を持つ細菌。生き物を媒介にする場合は特定の容器である必要がある。


 結城ゆいしろ 杏奈あんな

  現在16歳、彼氏無し。

  小影曰く、紫色に染めたけど、髪が伸びたせいで半分より下だけが紫色になっちゃったとっても可哀想な人らしい。

  不良生徒になりかけていたが、小影に打ちのめされて以降小影のツッコミ役にされる。

  姐御肌らしく悪態付きながらも手伝ったりする様が密かにクラスメイトから人気を集めている。


 神殺かみさつ 物未ものみ

  父と兄が死んだため神殺組組長となった少女。

  パックの緑茶が好きらしい。

  闇金融の蔓延を不快としていて彼らの殲滅を始めているが、今のところは弱小金融の成敗だけで大物を相手にする実力には届いていない。

  組員の殆どが警察に捕まったせいで弱体化を余儀なくされたらしい。

  ルミナス・ウインターとして魔物退治に参戦。

  聖戦士として実力を付けて密かに小影抹殺を狙っている。


 増川健治

  渋いサングラスをかけた丸刈りの厳ついおじさん。闇金融をしている人。

  声がでかいので普通に話しかけると子供が泣き叫ぶ。

  金ラメや龍柄のシャツを好んで着ている。

  子供好きで野花を愛する性格だが、厳つい容姿のせいでよく通報される。


 ハニエル・ルーマヤーナ

  神の愛と称される大天使の一人。

  全ての愛される要素を内在し、顔は清楚に、身体は妖艶に。でも思考は限りなく幼児に近いある意味残念な存在。

 ただし内包する知恵と頭の回転は凄まじく、先見の明を持つため落ち零れとされる天使から大天使候補の原石を発見するのが上手い。


 ファニキエル・シュイタット

  ハニエルにより見出された落ち零れの天使。

  前回の天使試験で見習いのまま消失の危機を迎えていたが、ハニエルにより見出され付き人のような役割についている。

  未だハニエルが見出した実力は開花しておらず、実力は限りなく弱い。


 舞羽まいばね 椋鳥むくどり

  学校に魔穴を開いたと思しき黒幕。

  鳥人間らしい。

  昼間は人間に擬態して学生として生活している。


 牛頭鬼

  黒い靄から発生した悪魔。

  黒い靄で移動し、人間あるいは天使を見付けると出現し、戦闘を行う。

  夜間の校舎内を見回る様に動いている。


 馬頭鬼

  黒い靄から発生した悪魔。

  黒い靄で移動し、人間あるいは天使を見付けると出現し、戦闘を行う。

  夜間の校舎内を見回る様に動いている

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