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体育館で鉢合わせ

 ファニキエルに誘われるまま、私達は体育館へとやってきた。

 正味ここは鍵締まってると思うんだけど……と思ったんだけど、体育館開いてるし。

 そぉっと中を覗いてみれば、ああ、うん。昼間には全く分からなかった魔穴が物凄い開いてますね。


 体育館の中心部から天井と床にくっつく位に巨大な魔穴が存在していた。

 これは校庭にあった魔穴とは比べるべくもない。

 おそらくこれが、メインの魔穴だ。


『おかしいんです。ここは一番最初に確認を終えたはずなんですよ。でも昨日のハーピーが入って行くのが見えたので見に行くとこれ程の大穴が』


「まぁ、何でもいいからとりあえずちゃっちゃと閉じてしまえ」


「邪魔する奴は私が潰しておくわ。早く魔穴とやらを消してくれる?」


 私と物未に促されてファニキエルが魔穴の元へ向う。

 でも、案の定、ここで待ち伏せしていた様に影が舞った。

 月明かりに照らされ颯爽と、魔穴に近づく鳩を足でキャッチする。


 うん、完全に捕食者だね。

 ファニキエルが私は鳩じゃないです――――っとか必死に叫んでいるけど、まぁいいや。

 私と物未は一度だけ視線を交わらせると、どちらからともなく口にした。


「「ルミナスナイト、ヴァサーティル!」」


 互いの服が弾け飛ぶのが見える。

 おお、物未の奴着やせタイプかと思ったらガリッガリに細いだけじゃん。

 胸ちっさ。


 と、私が物未の身体を見ながら笑った時だ。物未も同じように私を見て笑っていた。

 それに気付いた瞬間、互いに視線が交錯する。

 相手が念を送って来て、私も同じ念を送り返した。

 すなわち、【殺す】。それだけだ。


「慣れ合う気は無いわ。さっさと仕留める」


「先に私が仕留めるに決まってんでしょうが。そこで指咥えて見てなさい」


 変身を終えたと同時に私は走り出す。寸分遅れず物未も走り出していた。

 私の服に似ているが黒がメインの暗いイメージが付きまとう服装だ。

 彼女のルミナスアーマーらしい。

 ひらひらと舞うスカートの背後をたゆたう二本の羽衣。私のと形状は違うが同じ羽衣のようだ。


「紗那螺ッ!!」


 ファニキエルを拉致した椋鳥向い、紗那螺を召喚と同時にくっつけて打ち出す。


死卆犁しおり!」


 私に負けじと物未が武器を作りだす。

 その形状はどう見ても……死神さんが持ってそうな大鎌だった。

 魂を狩り取りそうな禍々しい姿は、確かに彼女の容姿とマッチする。

 ただ、聖戦士だと言われても闇戦士にしか見えないけど。


 どういう意味かは教えてくれなかったが、誰かの名前の当て時っぽい。

 あいつの知り合いに【しおり】さんとやらが居ないか今度調べとこう。

 お前が何も出来なくなる様な凄い秘密を見付けてやるぜ。待ってな物未。


 物未は手にした鎌を思いっきり投げ飛ばす。

 回転しながら椋鳥に襲い掛かった鎌は、寸分違わず椋鳥の足を切り裂かんと近づいて行く。

 さしもの椋鳥も、これには焦ったらしい。


 慌てて両足引っ込めたせいで足に持っていたファニキエルが宙空へと放り出される。


 ……あ。

 タイミング良く離されたファニキエルに私が打ち出した紗那螺が命中した。

 おお、まさに必中。……ファニキエル、死んだ?

 撃墜されたファニキエルが無様に落下して行く。

 なんか、すまん。


 慌てて消したけど、既に命中した後で、床に落下したファニキエルがひく付いている。

 うん、まぁ、尊い犠牲だった。

 魔穴はもう少ししてからでいいよね?


 椋鳥の相手は物未がやっているので私は別のことを……

 丁度いいところに黒い靄が私達を追うように出現していた。

 馬頭発見。


 よし、物未は気付いていないな。

 ならば今の内に馬頭鬼をぶっ殺しておきましょう。

 気付いた時には私がトドメを刺した後。物未、悔しがるだろうな。


 紗那螺を構えて黒い靄に注視する。

 すると馬頭鬼が靄の中から現れた。

 さぁて、しっかりぶっ倒して金にしちゃいますかね。


 馬頭鬼が咆哮を決めるより先に、先手必勝とばかりに飛び蹴りを叩き込む。

 が、足を受け止められた。

 若干、この辺りの空気が淀んでいるせいか、馬頭鬼の実力が以前より上がっている気がする。


 気合い一閃。馬頭鬼は手にしていた私の足を振りまわしてからすっぽ抜けるように飛ばしやがった。

 慌てて空中でターンして着地したものの、既に馬頭鬼が咆哮上げて突っ込んで来ていた。

 さすがに気を抜けばやられる。


 ここが砂地であれば目潰し等ができたのに。

 残念ながらそういった物が存在していないので、木製の床に思わず舌打ちしてしまった。

 さて。馬頭君とはこれで何度目の闘いだ? 


 まぁいいか。せっかくの記念だ。存分に暴れましょうかね。

 突撃して来た馬頭鬼を上段蹴りで蹴り上げ、さらに連撃を加える。

 蹴りによる連撃はまったく効いてはいないみたいだけど……ここからだ。

 私は蹴りに殺意を込める。

 さぁ、これで成功したら二つ目の必殺技になるのかね?

登場人物


 ひじり 小影こかげ

  現在16歳、彼氏いない歴イコール年齢の少女。

  基本金かお茶にしか興味がないので、金貸しの回収を行う以外は緑茶をすすってぽけっとしている。

  特技に瞬間記憶を持ち、金貸し業の関係で覚えた指弾とデビルスマイルを得意とする。

  座右の銘はお前の物は俺のモノ。貸したら返せ命を掛けて。

  聖戦士になったようです。ルミナス・スプリングと名付けられた。

  メルトに寄生されている。ルストが見つかるまでは共生するようだ。


 メルト

  原初の柱の一つであり地球外生命体の細菌。

  時空石と呼ばれる黄金に光る石の内部に存在していて地球へと降って来たらしい。ルストと共に地球へ飛来したが、長い年月を経てルストは行方不明となった。

  以来ルストを探しているのだが、空気感染型のルストとは違い飛沫接触感染型のメルトは自身を運べる存在がいなければ移動できない。

  人間をルストと共に造り出した神らしいが、生物に触れると相手を融解させてしまう特性を持つ細菌。生き物を媒介にする場合は特定の容器である必要がある。


 結城ゆいしろ 杏奈あんな

  現在16歳、彼氏無し。

  小影曰く、紫色に染めたけど、髪が伸びたせいで半分より下だけが紫色になっちゃったとっても可哀想な人らしい。

  不良生徒になりかけていたが、小影に打ちのめされて以降小影のツッコミ役にされる。

  姐御肌らしく悪態付きながらも手伝ったりする様が密かにクラスメイトから人気を集めている。


 神殺かみさつ 物未ものみ

  父と兄が死んだため神殺組組長となった少女。

  パックの緑茶が好きらしい。

  闇金融の蔓延を不快としていて彼らの殲滅を始めているが、今のところは弱小金融の成敗だけで大物を相手にする実力には届いていない。

  組員の殆どが警察に捕まったせいで弱体化を余儀なくされたらしい。

  ルミナス・ウインターとして魔物退治に参戦。

  聖戦士として実力を付けて密かに小影抹殺を狙っている。


 増川健治

  渋いサングラスをかけた丸刈りの厳ついおじさん。闇金融をしている人。

  声がでかいので普通に話しかけると子供が泣き叫ぶ。

  金ラメや龍柄のシャツを好んで着ている。

  子供好きで野花を愛する性格だが、厳つい容姿のせいでよく通報される。


 ハニエル・ルーマヤーナ

  神の愛と称される大天使の一人。

  全ての愛される要素を内在し、顔は清楚に、身体は妖艶に。でも思考は限りなく幼児に近いある意味残念な存在。

 ただし内包する知恵と頭の回転は凄まじく、先見の明を持つため落ち零れとされる天使から大天使候補の原石を発見するのが上手い。


 ファニキエル・シュイタット

  ハニエルにより見出された落ち零れの天使。

  前回の天使試験で見習いのまま消失の危機を迎えていたが、ハニエルにより見出され付き人のような役割についている。

  未だハニエルが見出した実力は開花しておらず、実力は限りなく弱い。


 舞羽まいばね 椋鳥むくどり

  学校に魔穴を開いたと思しき黒幕。

  鳥人間らしい。

  昼間は人間に擬態して学生として生活している。


 牛頭鬼

  黒い靄から発生した悪魔。

  黒い靄で移動し、人間あるいは天使を見付けると出現し、戦闘を行う。

  夜間の校舎内を見回る様に動いている。


 馬頭鬼

  黒い靄から発生した悪魔。

  黒い靄で移動し、人間あるいは天使を見付けると出現し、戦闘を行う。

  夜間の校舎内を見回る様に動いている

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