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白い翼

作者: ばなーな

みこという名前の私には、昔彼氏がいた。





~ある日~





「あっ...あのさ」


私の好きな翼くんが話しかけてきた。


「好きですっ!」


告白された思い出のあの日は二度と忘れない。

風が吹き、時間がとまったようにかんじた。



もちろん、私の答えは[OK]



そして、私たちは付き合うことになったのだ。




付き合い始めてから1年後。



「今日は一年目だね!」


私は嬉しそうにいう。


「....。」


あれ、翼?


翼は浮かない顔をしている。


嬉しくないのかな?ボーッとしてるだけ?


「おーい、翼?」


「ごめん...。」


翼が泣きながらいう、


「俺、もう半年しか生きられない。」



そう、翼は末期ガンで余命6ヶ月だったのだ。



「え....。」



私は信じられなかった。

いや、信じられなかったのではなく

信じたくなかったのであった。




「ねえ!治療は?そんなの嘘でしょー?」


私は震えた声で聞く。


「治療は...もう諦めたんだ。病院の中で成功するかどうかわからない治療をするよりも、こうやって、残りの人生楽しんだ方がイイなって思って。」


私は泣いた。泣き続けた。


1番泣きたいのは翼のはずなのに...



そして、私は翼の残りの人生を楽しませるために特別な事はせず、今まで通り普通に生活した。


それは、翼の最後のお願いだったから。



~翼余命3ヶ月の頃~


私たちはケンカした。


それは本当にくだらないことで。


「ねーえ、本当に私の事好きなの?」

「んーと、アイドルの方が好きw」

「え、それまぢでいってる?」

「え、違うって!嘘だって!」

「嘘つき翼のいう事だし、それも嘘でしょ?」

そう、たったそれだけの喧嘩だった。




わたしは後で後悔する事になるとは知らずに。





喧嘩はヒートアップする


「お前なんなんだよ!俺の事も信じられないで!」

「そんな彼氏いらないって、別れよ」




そうして私たちは別々の道を歩む事にしたのだ。




翼のお母さんから連絡がきたのはその3時間後くらいだった。



「みこちゃん!翼の体調がおかしくて、もうダメかもしれないの...。早く来て、!」



私は病院へ向かった。




走って走って




汗と涙がとまらなくて



病室についた。




扉を開ける....。




そこには悲しんでいる翼の家族、そして、うつむいている病院の先生の姿がみえた。





「翼、翼?!」




私は走って病室の寝ている翼の元へはしる。





「つば......さ?」



翼は....もう意識がなかった。




私だ!私のせいだ!


私は自分を恨んだ。


私があんなことで喧嘩したから...。

最期くらい翼と仲良くしたかった....。



そう考えてると、翼のお母さんが私に1枚のメモをくれた。


それは...。翼からの手紙だった。



みこへ


みこ、喧嘩しちゃったね、

僕の体調は良くないみたいで、

今も耐えられなくって。

あまり、長い手紙もかけない、ごめんな、

俺が死んだのはお前のせいじゃない。

みこ!自分を恨むな!

そして、みことであえた日々は俺の宝物。




と翼が最後の力をふりしぼって震えた字で書いた手紙だった。


私は泣いた。



すると翼からも涙が....。



流れていたような気がした。




翼は天国へ行く



~翼と付き合って2年目、翼がしんで1年目~


今日はあなたの命日、




そしてあなたとの最高の人生の始まりの日。



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