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異なる世界

ここは『日本』。紛れもなく『日本』である。




しかし、知る『日本』とは『異ナル世界』である。




政治がない。法律がない。警察がない。




正に『無法の世界』。自由と言えば自由な世界だ。




だが、天国か地獄かはわからない。




縛りがないだけに身勝手な人間は当たり前に多発する。




殺人、性暴力、強奪、虐待、詐欺。


やりたい放題だ。




法の裁きはない。




故に、悪は被害者、またはその身内、また依頼を承けた『狩人』という存在の手によって『復讐』『仇討ち』という形で罰を受ける。





そして当然のように『嘘』もつき放題である。


狩人は依頼されたままに人を殺めることもある。


被害者への同情や共感、ましてや正義などではなく、あくまでも報酬目的で引き受ける。


何故の殺しの依頼なのか、本当に罪を犯した邪悪な人間なのかリサーチすることもなく、金目的の殺しを平然と行う。そんな狩人も多々存在する。




そんな無法世界では今日も狩人達が獲物を狩るべく疾走する。




今、狩人が追いかけているのは『殺人鬼』と呼ばれている男である。名を赤座流鬼(あかざるき)という。


36人を殺めて逃走中とのこと。


狩人達は動機などを調べることもなく、殺す気満々で彼を追いかけている。




夜の欲望溢れる色街を手負いの男は全力疾走している。




素早く路地に逃げ込み、ほとんどの店舗が閉店となっている古びたビルに身を隠した。


この男、流鬼は狩人が発砲した一発の弾丸を肩に食らっている。


加えて狩人の数も30数人と多勢に無勢。やむなく敵に背を向けて逃走した。


応急処置はしているものの、傷は痛み、血も止まらない。


「くそっ!」


薄暗いビルの中、そう言って視線を向けた先には点滅している看板があった。


キイッと音をたてて店の扉が開いた。


中から出てきたのは金髪のロングヘアの女性。


胸元の開いた黒いノンスリーブに黒いミニスカート、ガーターベルトというなかなか過激な格好をしている。




「ん?んー…お客さん?」


小首を傾げて女性は流鬼を見ている。




「いや…客では…ない」


流鬼がそう答えると女性はポリポリと頬を掻いて肩に視線を落とした。傷に気づいたようだ。


「ケガ、してるよね?なんか訳アリっぽいし、とりあえず店に入んなよ。手当てしたげる」




匿ってもらう意味でも丁度いい。そう感じた流鬼は女性に言われるまま、店の中へ入った。



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