ドラゴニックレギオン3
時はアキラが石像に触れるところまで遡る。
アキラ「ほな行くでぇー」
遠くでアキラの声が聞こえた。
丁度、石像の前に着いたミツルが口を開いた。
ミツル「アキラの奴気合い入ってるな、オレらも行くか?」
マサキ「オレはいつでもいいよ」
ジュン「オレも大丈夫だよ、どの道やるしか無いからな」
ミツル「了解」
ミツルは石像に触れた。
ゴゴゴゴゴゴ、ピシッピシッ
こちらも同じく音を立てながら石像にヒビが入る。
すると石像の表面が崩れ始めた。
ガラガラガラ、ドドドドォォォオン
〈……ん?、ここは……〉
水禍 〈赭土、水禍よ、私が分かる?〉
彼は赭土、頭が良く、戦闘では相手の二手も三手も先を読み切る頭脳を持ち、他の竜種からも一目置かれている、ちなみに竜種の中で最強の防御力を持つ。
赭土 〈水禍、瑞光、ここは…レギオンか?、なんでオレはここに居るんだ?〉
瑞光 〈まあいろいろあってね〉(笑)
水禍 〈ちょっと長くなるけど説明させて〉
水禍と瑞光が赭土に状況説明中……
赭土 〈なるほどなぁ、暁闇は何で面倒事を持ってくるのかなぁ〉
ミツル「初めまして赭土さん、私が貴方を呼んだミツルと言います、ちょっとお話しよろしいですか?」
赭土 〈これはご丁寧に、ミツルさんは私に何を聞きたいんですか?〉
ミツル「実は魔法という物に憧れがございまして、話を聞いていて赭土さんは相当な知識をお持ちと御見受けいたしました、私に魔法を教えて頂けませんか?」
赭土 〈なるほど、私の力に頼るでは無く自分の成長の為に知識を求めますか、面白い方ですね〉(笑)
ミツル「もちろん赭土さんに力を貸して頂けたら嬉しいですけど、折角こんな世界になったんです、やっぱり楽しみたいじゃないですか」(笑)
赭土 〈ねぇ水禍、なんかこっちの人間のハートって鋼か何かで出来てるの?〉(苦笑)
水禍 〈それは私も瑞光も思ってたわ、普通もっと絶望する物だと思うもの〉(苦笑)
瑞光 〈でも、こっちの世界の私達だもの、やっぱり本質は似てるのかもね〉(笑)
マサキ「まあオレ達はこっちの世界の文化(マンガ、アニメ)のせいで危機感的なのは欠落してるかもな」(笑)
ジュン「人生は楽しんだもん勝ちだからな」(笑)
赭土 〈これは鋼じゃ無くてダイヤモンドだな〉(苦笑)
水禍 〈それで赭土、どうするの?、力試しするの?〉
赭土 〈いや普通に力貸すよ?、魔法も教えてあげるし?〉
ミツル「本当に?やったぁ!!」
水禍 〈珍しいわね赭土、頼み事はとりあえず断る貴方が、ミツルくんの事がそんなに気に入ったの?〉(笑)
赭土 〈人聞きが悪いな、オレは頭を使わないバカが嫌いなだけだ!〉
瑞光 〈ちょっと!、私何回も断られたけど、私が馬鹿ってこと!?〉
赭土 〈そう言ったつもりだけど、馬鹿なお前には分からなかったか〉(笑)
瑞光 〈何ですってぇぇぇぇ!!〉
水禍 〈ちょっとあんた達辞めなさいよ〉
瑞光 〈だって赭土が…〉(泣)
水禍 〈赭土もそんな言い方は辞めなさい〉
赭土 〈オレは本当の事言っただ……〉
バリバリバリ、ドッカーーン
〈〈〈「「「!!!」」」〉〉〉
赭土が話し終わる前に突然、ユウ達が居る方から凄い衝撃波と共に大きい雷の音と爆発音がした。
マサキ「なっ、何だ!?」
ジュン「ユウ達の方からだ!!」
水禍 〈どうやら万雷とはやっぱり戦う事になったみたいね〉
水禍が言った万雷とはサイの相方の雷竜の名前で、万雷は俗に言う戦いたがりで、あまり話を聞かずに暴走する事がよくある、ちなみに竜種の中で最速のスピードを持つ。
赭土 〈水禍、瑞光オレはもうミツルに力を貸す事に決めた、ミツルが戦える様にレクチャーしてるから行ってこい〉
ミツル「お願いします、あいつらを助けてやって下さい」
水禍 〈分かったわ、あっちの事は私達に任せて、ミツルくん頑張ってね〉
ミツル「はい!!」
時はアキラが石像に触れるところまで遡る。
アキラ「ほな行くでぇー」
遠くでアキラの声が聞こえた。
石像に向かいながらユウが口を開いた。
ユウ『あいつテンション上がってるなぁ』(笑)
サイ「うん、この状況を楽しんでるな」
ユウ『サイも珍しくテンション上がってるな』(笑)
サイ「うん」
サイは無表情だがユウ達には何と無くサイの心情が分かる様だ。
暁闇 《2人共歩きながらで良いからちょっと聞いてくれ、サイの相棒、雷竜の万雷なんだが、話を聞くタイプじゃ無いから、すぐ戦闘になると思うから準備して置いてくれ》
ユウ『そんなにやばい奴なのか?』
暁闇 《まあ俗に言う、戦闘狂なんだよなぁ》
サイ「ユウみたいだね」
暁闇 《…うん、確かに似てるかも…》(苦笑)
サイ「苦労しそう…、暁闇これから仲良くしようね」
暁闇 《あぁもちろんだ、お互い大変だろうが頑張ろうな》(笑)
ユウ『オレをバトルジャンキーみたいに言うのやめてくれない?』(苦笑)
暁闇 《終わったらみんなに聞いてみろよ、多分同意見だぜ?》(笑)
3人が歩きながら話してると像の前に辿り着いた。
ユウ『ほら、お前らがオレをいじめてたらついたぞ』
暁闇 《別にいじめてた訳じゃ無いがな、さあ2人とも集中しろよ》
ユウ『あいよ』
サイ「うん、行くよ」
サイが石像に触れた。
ゴゴゴゴゴゴ、ピシッピシッ
こちらも同じく音を立てながら石像にヒビが入る。
すると石像の表面が崩れ始めた。
ガラガラガラ、ドドドドォォォオン
万雷 〈ギャオォォォォォォ〉
ユウ『おい暁闇!、あいつにも理性あるんだろうな!』
暁闇 《あるにはあるが、あの状態だと無いな》(笑)
サイ「来るぞ」
バチッバチッ、バリバリバリ、ゴロゴロゴロォォォ
サイ達が身構えると、万雷は雷を纏い始めた。
暁闇 《とりあえずあいつに強烈な一撃を入れて意識戻すしか無いな》
ユウ『了解』
万雷 〈グオォォォォォォ〉
雄叫びと共に万雷が動き出した、目で追えない速さでサイに突っ込む万雷。
シュンッ、ドオォン
『「!?」』
暁闇 《大丈夫かサイ!》
万雷の攻撃にいち早く気づいた暁闇はサイの前に割り込んで万雷の攻撃を防いで動きを止めた。
サイ「ありがとう暁闇助かった」
暁闇 《サイ油断するなよ》
2人が話しているとユウが万雷の後ろを取る。
ユウ『とりあえず一発くらっとけぇぇ』
バコォォォン、ドオォォォン
ユウは魔力を纏った拳で万雷の後頭部付近を殴ると万雷は吹き飛び壁に激突した。
ユウ『どうだ、多少は効いただろ』
暁闇 《うん多分、今ので十分だろ》
ガラガラガラ
土煙が立つ中、瓦礫の山から万雷が立ち上がって口を開いた。
万雷 〈いってぇぇ、オレを殴りやがったのはどいつだゴラァ!〉
万雷は涙目になりながら叫んだ。
暁闇 《おっ!正気に戻った》
ユウ『オレだよバカが、いきなり攻撃して来やがって、目は覚めたかよ』
万雷 〈誰がバカだゴラァ、おめぇは誰だ!〉
ユウ『オレは暁闇の相棒のユウだ!』
万雷 〈暁闇?、!、お前居たのか?!〉
どうやら万雷は暁闇の存在に気づいて無かったようだ。
ユウの言葉で暁闇が視界に入った万雷が続けて口を開いた。
万雷 〈暁闇、テメェの差し金か!〉(怒)
暁闇 《差し金も何もお前があの状態だったら話もできねーだろうが》
万雷 〈大体何でオレはレギオンにいるんだ?、オレの住処に侵入して来る奴らを潰して暇つぶししてた筈だ〉
暁闇 《お前そんなことしてたのか、まあとりあえず俺の話を聞け》
万雷 〈うるせぇ暁闇!、俺に指図してんじゃねぇよ!、それにやられっぱなしは俺の主義に反するんだよ!、お前ら覚悟は出来てるんだろうなぁ!!〉(怒)
怒り狂っている万雷は暁闇の話を聞く気は無く、咆哮をあげるとさっきの比では無い量の雷を纏い万雷は攻撃態勢に入る。
暁闇 《やめろ万雷!、俺の話を聞けって!!》
万雷 〈死んで後悔しろ…、紫電霹靂神〉
バリバリバリ、ドッカーーン
万雷が呟くと大きな雷鳴を鳴らしながら3人に突っ込んだ。