ドラゴニックレギオン2
瑞光が落ち着いたことを確認してからユウはマサキとジュンを問いただした。
ユウ『おいお前ら、これはどういう事だ』
ジュン「どういう事って、暁闇がオレらの相棒は力貸してくれるって言ってたからさぁ」(笑)
マサキ「話し合い出来るならどうにかなるって事になって、オレはアキラ、ジュンはミツルとサイに着いて来てもらって交渉したって感じ?」(笑)
ユウはアキラとミツルとサイを睨みつけた。
ミツル「そう睨むなってぇ」
アキラ「1人で行かす訳にもいかんかったんや、しゃーないやんか」
サイ「アキラの言う通り」
ユウ『はぁ、万が一なんかあったらどうするつもりだったんだ?』
マサキ「正直あんまり考えて無かったな」(笑)
ジュン「まあユウも暁闇も口下手だからお前らに任せるより話早いだろ?」(笑)
グサッ
ユウと暁闇の心に何か突き刺さったようだ。
ミツル「とりあえず後はオレとサイとアキラだな」
マサキ「水禍さん、残りの3人の相棒達は力貸してくれると思いますか?」
水禍 〈水禍でいいわよ、そうねぇ、血の気は多いけど話はわかる奴らだからねぇ、最低限殺し合いみたな事は無いわ、多分(小声)〉
アキラ「わいも早く相棒に会いたいなぁ、みんなが羨ましいで」
ナツ「じゃあとりあえずアキラの相棒呼んでみるか、春嵐との連携試したいしな」
春嵐 〈そうっすね、僕達のコンビネーション見てもらうっす〉
水禍 〈まあこっちは竜種が4体だし最悪一体ならどうにでもなるわ、ねっ瑞光〉
水禍は瑞光の肩を小突いた。
瑞光 〈う、うん……、皆さん先程は私のせいでご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありませんでした……〉
瑞光はみんなに頭を下げた。
ユウ『瑞光大丈夫だよ、この件に関して君は一切悪くない、悪いのは暁闇だから』
全員暁闇に痛い視線を向ける。
暁闇 《なんでみんなしてオレを睨むんだよぉ……》
暁闇は少し不満そうだった。
少しの沈黙の後、ユウはみんなの顔を見て何か決断したようだ。
ユウ『ナツと春嵐はアキラの手伝いを、マサキ、水禍、ジュン、瑞光はミツル手伝いを頼む、オレと暁闇はサイと行く』
ユウの言葉に親友たちが驚いた。
ナツ「ちょっと待てユウ、ここからは1体づつやってかないと危険だろ!!」
マサキ「そうだ、危険は避けるべきだ!!」
冷静になって考えたアキラがナツに近づく。
アキラ「ナツ、良いから行くで、力貸してくれや」
アキラはナツを引っ張って石像に向かう。
ミツルも何か感じたんだろう、2人に近付いて言った。
ミツル「ほら俺たちも行こうぜ」
ミツルも2人を連れて石像に向かった。
ナツ「待てアキラ、まだ話は終わってない!」
アキラ「わいらを命がけで助けに来たユウが判断したんやで、最悪何か起きてもどうにかする自信があるっちゅうこっちゃ」
ナツ「!、そうか、オレ達はあいつを信じて自分の仕事すれば良いだけか」(笑)
春嵐 〈皆さんはユウさんの事、信頼してるんですね〉
ナツ「そりゃな、自分のことより親友優先な奴だもん、まあオレらもそうだけどな、ホント良いダチ持っちゃったもんだよ」(笑)
アキラ「ホンマや、こいつらと出おうて無かったらクソみたいな人生やったろうからな」(笑)
春嵐 〈僕は、皆さんが羨ましいです大人になっても親友と呼べる人達がこんなにいるんですから、この世界の人達は幸せ物ですね〉
ナツ「それは違うぜ、こっちの世界じゃ人間同士の戦争が当たり前だし、オレ達の住んでる日輪だって、表向きは平和だけど裏じゃ何処の国が暗躍してるか分からない、一般人の小さい事を言うならイジメはあるし、挑戦してる奴を邪魔する奴、こっちの世界は腐ってるぜ?」
春嵐 〈なんかごめん〉
ナツ「春嵐が謝る必要なんかねぇよ?、春嵐と出会えてオレは凄く嬉しいよ、オレ達が最強コンビになってみんなを守れるようになろうな!」(笑)
春嵐 〈うん、僕も大事な物を守れるようになりたい〉
話しながら歩いていると3人は石像の前に着いた。
スゥー、ハァー、スゥー、ハァー
アキラは大きく深呼吸をした。
アキラ「よっしゃ、ナツ、春嵐準備はえーか?」
〈「もちろん!!」〉
アキラ「ほな行くでぇー!!」
アキラは勢い良く石像に触れた。
ゴゴゴゴゴゴ、ピシッピシッ
春嵐の時と同じように音を立てながら石像にヒビが入る。
すると表面が剥がれ落ち始めると隙間から炎が溢れ出す。
ガラガラガラ、ボォォォオオオ
〈…………ここは、…何処?……レギオン?〉
春嵐 〈燐火さん大丈夫ですか?、僕が分かりますか?〉
彼女は燐火、喧嘩っ早い性格だが密かに春嵐の事が好きで、春嵐にはデレてしまう、ちなみに竜種の中で1番の火力をもつ。
燐火 〈………ん?、し、春嵐?!、わ、私なんでレギオンにいるの?〉(照)
春嵐 〈えーと、僕が知る限り説明させていただきますね?〉
春嵐が燐火に状況説明中………。
春嵐 〈僕が暁闇さんから聞いたのは、こんなところだと思います〉
燐火 〈なるほど、まあ話は何と無く理解した、それでアンタが?……〉
アキラ「わいが燐火はんを呼ばせてもろたアキラと言います、よろしゅーお願いします」
燐火 〈へぇ、話し方はちょっと独特だけど礼儀正しいじゃん、私は燐火って言うんだぁよろしくねー〉
春嵐 〈それで燐火さん、話を聞いてどうですか?、力貸して頂けますか?〉
燐火 〈それに関しては、アキラの力を見てから決めるわ、私達はこれでも誇り高き竜種、私に見合う力を私に見せてみな!〉
アキラ「ええで、そっちの方がわいに合っとる、勝負せえ燐火ぁぁ!」
燐火 〈いい咆哮じゃん、私に攻撃を当てることが出来れば認めてあげる〉
アキラ「舐められたもんや、行くでぇぇえ」
アキラは弓を構え、燐火の頭目掛けて矢を射る。
しかし燐火は難なく矢を躱した。
アキラ「流石に躱してくるわな」
燐火 〈それなりに上手いねー、でもそれじゃ私には当たらないよ!〉
休まずアキラは矢を射り続け、燐火が躱し続ける、2人はまるで舞を踊ってる様だった。
その光景を見た春嵐とナツが口開いた。
春嵐 〈なんだろう……、この2人の戦いは、まるで芸術です……〉
ナツ「ホントだな……、美しい……」
戦いを見ていた2人は、アキラと燐火が織りなす戦いが美し過ぎて魅入ってしまっていたその時。
バリバリバリ、ドッカーーン!
ユウ達の方から大きい雷の音と爆発音がしたが、4人は気づかない。
この戦いが出来るだけ続いて欲しいと願う2人だったが、戦いは突然終わりを告げる。
アキラ「これじゃいつまでやっても無駄やな……、よしっ」
アキラは何かを思いついたのか、残り8本の矢の内3本を同時に射り燐火の頭、心臓、右肩を狙う。
燐火 〈この精度で同時撃ちって、この子ヤバすぎでしょ〉(笑)
燐火は紙一重で左に躱す、しかし燐火が左に躱して来る事を誘導したアキラは既に4本の矢を撃ち出していた。
燐火〈くっ、私の動きが読まれてる、仕方ないっ!〉
攻撃を避けれないと察した燐火は飛んで来る矢を横から爪で薙ぎ払う。
燐火〈よしっ、?!、いな…〉
チクッ
薙ぎ払った後すぐに次の攻撃に備えようとした燐火だがそこにアキラの姿は無く、アキラを探そうとした刹那、足にチクッという痛みが走り、燐火が足元を見るとアキラが矢を足に突き立ている。
アキラ「ふぅ、わいの勝ちやな燐火」(笑)
燐火 〈なんでアンタがこんなところに?、確かに私は目を逸らしたけど一瞬だったし、アンタ本当に人間?〉
アキラ「あれっ?、案外気付かへんねんな、戦いの中で燐火との繋がりみたいなもん感じてな、燐火の魔力みたいな物もろて、足に集めてダッシュして近づいたっちゅうこちゃ」(笑)
燐火 〈アンタすごいね!、センスの塊じゃん!、戦ってこんなに楽しかったの初めて!〉(笑)
アキラ「わいも楽しかったで、と言う訳でこれからよろしゅう頼むわぁ燐火」(笑)
燐火 〈こちらこそよろしくね、アキラ〉(笑)
ナツ「このコンビ最強かもしれない……」
春嵐〈うん〉(苦笑)
その頃、ミツル一行は。