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魔女の鑑とマスク

作者: 儚世

マスクを外すのが怖い。マスクを取ったら醜い顔だって他人にバレて嫌われるから。あの子の方が可愛いから。なにより君に嫌われたくなかった。


小学4年生だった。当時はコロナなんて流行ってなかったからマスクをする時期はインフルエンザが流行る2月ごろだけ。多分この時期に気づいてしまったんだと思う、マスクをしたら顔が半分も隠せてしまうことに!!小学生という幼い子供だったがなんとなくわかっていた。あの子は他の子より顔の造形が可愛いから好かれる所がある。もちろん顔だけではないことはわかっていた。しかし顔が可愛い。この人間顔ステータスはかなり重要になってくる。好きな人に構ってもらえる可能性は高いし、顔がいいという理由で就職に有利になってしまうところがあるのだ。世の中本当に理不尽すぎる。全く。 自分は昔からかなりのかまってちゃんだった。幼稚園の時から友達が少なく、その数少ない友達達は儚世が1番の友達ではなかった、自分は大切にされない存在なんだと寂しく思っていたので、少し誰かに構ってもらえるだけで最高に嬉しかった。どうしたら人にかまってもらえるのだろう。そんなことばかり考えて、あの子はよくかまってもらっているな。この子はあの子よりかまってもらっているな。かまってもらえる人間を観察してた。その中で気づいたのだ、顔が良い子はよくかまってもらっている!それに気づいた時から顔が良い子が羨ましくてしょうがなかった。それと同時に自分の顔が嫌で嫌でしかたなくなった。自分の顔が見られることを恐れた。その時気づいてしまったのだ偉大なマスクの存在に!!それからは2月が終わってもマスクを外さなかった。給食の時に顔を見られるのが嫌だったので顔を隠しながら食べた。夏になっても外さないので周りからは少し異常に見えたかもしれない。しかしそんなことより顔を見られて嫌われるほうが嫌だった。小学生5年、6年、そして中学に上がった。外してみようと一瞬外してみると知り合いに「誰?」と言われるほどマスクを手放していなかった。今は外せているが自分の顔に対する評価が鏡を見るたび変わってしまう。不細工で不細工でどうしようもない時があれば、意外と普通に見えることもある。同じ顔なのに気分だったり他人の評価だったりでコロコロ変わってしまうのだ。体型だってそうだ人に痩せていると言われてもどうやっても自分には痩せているように見えない。人の価値は外見じゃない。わかってる、わかってるけど。どうしても脳が理解をしてくれない。整形をしたら多分依存になってしまう。これはわかりきったことだ。いつか自分を認められる日が来ることを願うばかりだ。

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