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ヒトコブラクダのDRKは、その名がいつ、誰によって付けられたのか覚えていない。
それは、どうでもいいことである。どうでもいいことだと思いながら、DRKはサバンナの真ん中を歩いている。
DRKは何日か前に、某隊商から抜けだしてきた。
来る日も来る日も背中に重い荷を背負わされ、灼熱の砂漠を歩かされ、いい加減に嫌気が差していたからだ。
「ぼくはこの砂漠の北の果てにあるという、伝説のオアシスを探す旅に出る。そこで一生ダラダラ暮らすんだ」
仲間のラクダたちにそう言い残すと、DRKは隊商を出ていった。止めるラクダはいなかった。
砂漠といっても、この辺りはサバンナ地帯だから灌木も生い茂っているし、水場も点在している。
目指す北の果てのオアシスは遠いが、旅は順調だった。