5.はじまりの町シードフレア
それなりの戦利品を携えてほくほくと帰ってきた。
まずは鍛冶屋行ってみようか。作れなかったとしても何に使えるかぐらいは教えてもらえるだろうしな。
「この素材使って短剣とかって作れる?」
鍛冶屋に着いて置いてある武器やら防具やらを眺めた後、店の奥でトンカチ振り回してた厳ついおっさんにグラスネークの牙について聞いてみたが
「グラスネークの牙ねぇ・・・1本じゃさすがに作ってやれねぇが、その牙3本と1800Gあればそこに並べてあるスピローダガーと同じものを作ってやれるぜ。」
ちなみに置いてある短剣は3000G。買えなくはないけど作ったほうがお得っぽいのは確かだな。
「なるほど。それじゃまたこの牙手に入れたら来るかもしれないからそん時はよろしく。」
「おうよ」
そんな感じで鍛冶屋を後にした俺はギルドにやってきていた。
それというのも金目当てにクエストを受けたかったからだ。
ギルドの中はこれまた人でごった返していた。当然受付なんかも埋まっている。
まぁこのゲームで受付に行く必要とかないんだがな。目当ては受付嬢だろうが・・・露骨にあざといキャラクリされてやがる。
VRMMOではありがちなクエストカウンターの混雑だが、FFOではギルド内に入れば視界にギルドアイコンが表示されそこからクエストが受けられるようになっている。
・・・ドアの前に突っ立ってても邪魔になるから壁際行こ。
さて、クエストの確認だな。
クエスト▾
・【納品】:薬草を入手せよ
▶ 薬草x5の納品 ▶ 報奨金 300G
・【納品】:赤い実を入手せよ
▶ グラスベリーx3の納品 ▶ 報奨金 400G
・【納品】:やわらかい毛皮
▶ グラスラビットの毛皮x3の納品 ▶ 報奨金 600G
・【討伐】:草原の兎
▶ グラスラビットx5の討伐 ▶ 報奨金 800G
・【討伐】:草原の捕食者
▶ グラスネークx3の討伐 ▶ 報奨金 1000G
薬草とかグラスベリーとかさっき戦ってた時は気にもしてなかったな。今度からモンスター見つけるまでとかに探してみるか。
てか、兎の皮あと一個足んねぇ。ゲーム初めてさっそく妖怪に取りつかれたな。
しゃーないしゃーない切り替えていこう。
クエスト受けられる枠は10個あるわけだし全部受けといても大丈夫だよな。破棄もできるみたいだし、しばらくはこの町に逗留することになりそうだしな。
次は・・・そうだな。道具屋とかもあるけど今はまだいいかな。最初にもらった初心者用ポーションもそのまま残ってるし。
気になってた串焼きの屋台っぽいのにでも行ってみようか。
「うめーなこれ」
祭りの出店みたいになってる串焼きの屋台でグラスラビットの串焼きを3本(100G)なるものを買った。
VR系の料理ってなんか微妙なのも多いって聞くけどこれはあたりなのかね。
兎の肉持ち込んだら安くなったりするんだろうか・・・。聞いとけばよかったかね。肉のクエストはないし。
よしそれじゃ狩りに向かうとするかね。
目標はクエスト関連の素材の取集と鍛冶屋にもっていく用のグラスネークの牙があと2本。
次に帰ってくるときにはLv.5くらいにはなれてるといいなぁ。
ネ「ギルドの名前どうする?」
執「冒険者ギルドは使いたくねぇなー」
ネ「んでも一番しっくりくるのは冒険者ギルドじゃね?」
執「てか主人公冒険者ギルドに登録しなきゃクエスト受けられねぇのか?」
ネ「そんな感じじゃね?」
執「冒険者ギルド登録しなきゃクエスト受けられないんだったら他のギルドのやつらどうすんだよ」
ネ「あーどうするんだろ」
執「そんなんお前農協とか黙ってねぇぞ!」
ネ「この世界に農協は存在しません」
執「そんじゃあもう冒険者ギルドじゃなくていいよね」
ネ「んじゃギルドだけでいっか」
製作途中で一番盛り上がった会話をダイジェストでお送りしました。次回もお楽しみに。