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RPGっぽい異世界でだらだら冒険者生活する  作者: いかぽん
第六章 少女誘拐事件、あるいはこのあと滅茶苦茶セックスはできなかった話
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新たなる脅威

いまだに執筆環境が安定しないのですが、ひとまずちまちまと書き進めていってみます。

また長期更新停止になったらごめんなさい。m(_ _)m

今のところ、二月後半あたりからまたちょっと止まる予定ではあるのですが……。


なお、うまくいけば、こちらの作品(↓)と一章ずつ交互に更新してゆくスタイルになるかと思います。

……ええ、うまくいけば。

『セーラー服の勇者 ~ぼっち系女子高生の異世界冒険譚~』

http://ncode.syosetu.com/n3334du/

──ティト視点──


「ふんふふ~ん、ふんふんふ~ん♪」


 今日も鼻歌交じりに、カゴを片手に市場でお買い物です。

 新鮮なお肉屋お野菜、お魚が並ぶ中、主婦目線で良いものを物色して回ります。


 我が家はお金にはそんなに困っていないみたいですけど、それでも良いものを安く手に入れられるなら、それに越したことはありません。

 やっぱりこう、一家の大黒柱のお嫁さん……じゃなかった、家計を預かるメイドとしては、こういうところは、手が抜けないところです。


 というわけで、こんにちは。ティトです。

 まだ本当の意味でのお嫁さんじゃないことぐらい、ちゃんとわかってますよ? 大丈夫ですよ?


 それに、カイルさんは行く先々で可愛い女の子を引っかけてきますからね。

 なかなか油断ができません。

 カイルさんのハーレムの最古参としては、新人イビリ……じゃなかった、新入りの動向には、常に目を光らせておかなければなりません。


 でも今のところは、カイルさんのハーレムの中で、私が一歩リードしているつもりです。

 まあみんなで幸せになればいいんですけど、やっぱりこう、独占欲っていうんでしょうか、私を一番愛してほしいって思うようなところは、否定できないですよね~。


「今日の晩御飯はなんにしよ~♪ カイルさんは何が食べたいかな」


 胃袋をつかんでしまえば勝ちって、よく言いますしね。

 正直言って、パメラちゃんやアイヴィさんには、家事で負ける気はしません。


 フェリルちゃんは、魔族なせいか、その辺さっぱりみたいですし。

 まあ今のところ、私の敵はいない感じですかね~。


 ……えっ、冒険者として?

 あー、えっと、まあ……そっちは、アイヴィさんとかに譲ってあげてもいいかなって。


 でも、空いた時間にこっそり魔術書を読んで、勉強しなおしたりはしてるんですよ?

 メイドとしての賃金代わりに、冒険で得た報酬を分け与えてもらっているので、そのお金で高価な魔術書だって買えちゃったりするわけで。


 何にせよ、カイルさんへの恋慕の情を除いても、いい環境だなぁと思います。

 だからこそ、ううんそれがなくても、王子さまの一の従者として、これからも頑張っていきたい所存なのです。


 そしていずれは私も、王子さまの横に座るお姫さまに……って、王子さまはお姫さまとは結婚しないか。

 じゃあ何だろう。カイルさんが王様になって、私がおきさきさま?

 いやでも私、お妃さまっていう柄じゃないよなぁ……。


 なーんてことを買い物しながら考えつつ、買うものを買ってから、愛しの我が家へと向かう。


 今日はまだカイルさんになでなでしてもらってないから、さて、いつなでなでしてもらおうかな~。

 ぎゅーって抱きついて、なでなでしてもらって、そのまま今日こそめくるめく大人の時間に……と、突入?


「いやーっ♪ きゃーっ、きゃーっ♪」


 道端でいやんいやんと身をよじってみたり。

 でもすぐにちょっとだけ冷静になって、こほんと一つ咳払い。


 まあ、大丈夫。

 言ってもここは路地裏なので、そうそう人通りがあるような道でもないです。




 ……そう。

 ないはず、だったのだけど──


「……誰ですか、あなたたち」


 ──私が歩いていた細い路地の先に、黒いフード付きコートに身を隠した人たちが数人、姿を現した。


 背丈や体格はそれぞれ異なるけど、一様にフードを目深にかぶっていて、顔はよく見えない。


 しかも、私の誰何すいかの声にも、何も答えない。

 露骨にあやしい人たちだった。


 私は即座に、戦闘を意識する。

 私だって、カイルさんたちと一緒に冒険してきて、多少は強くなっている。

 その辺の暴漢にどうこうされるほど、弱くはないつもりだ。


 でも──魔法の補助具になる杖を、今は持っていない。

 それに加えて、相手の人数が多い。

 お世辞にも有利とは言えない状況だ。


 逃走も、当然視野に入れるべき。

 そう思った私は退路を確認するため、ちらと背後に視線を向ける。

 すると──


「うそ……気配なんて、なかったのに……」


 狭い路地で私を挟み撃ちにするように、背後にも黒ずくめのフード男が数人、姿を現していた。


 しかもそのうちの一人が、すっと身を沈めて──私に向かって駆けて寄ってきた。


「──っ!?」


 ──速い!

 私はとっさに振り返って、迎撃しようとしたけど、全然間に合わなかった。


「か、はっ……!」


 お腹に一発、重たいのを入れられて──

 私は食材の入ったカゴを取り落とし、そして同時に、意識も落ちてゆくのを感じた。


「カイル……さん……」


 最後に感じたのは、崩れ落ちる私の体を抱きかかえようとする、目の前の男の腕の感触だった……。


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