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RPGっぽい異世界でだらだら冒険者生活する  作者: いかぽん
第一章 異世界と冒険者生活、あるいは残念妖精と山盛りのチート能力
3/121

ポイントが余る幸せ

 俺はいろいろ考えた末、チートポイントを47ポイントほど使って、こんな感じにステータスを強化してみた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 名前:カイル

 種族:人間

 性別:男

 クラス:ノーマルマン

 レベル:1

 経験値:0/10,000


 HP:260(+200)

 MP:96(+80)


 STR:53(+40)

 VIT:52(+40)

 DEX:49(+40)

 AGL:53(+40)

 INT:54(+40)

 WIL:48(+40)


 スキル

 ・獲得経験値倍化:10レベル

 ・治癒魔法:5レベル

 ・炎魔法:5レベル

 ・ステータス鑑定

 ・ステータス隠蔽

 ・痛覚遮断


 チートポイント:153(-47)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




 カッコ内がポイント割り振りによる増減分だ。


 能力値にはすべて最大割り振り。

 こういうのは極振りによる一点集中が基本かと思うが、割り振りに上限があるなら話は別だ。

 レベルアップで上限も伸びるらしいが、だとしても現時点で、このぐらいは割り振っておいても損はないだろう。


 それに何しろ、まだ1レベルだ。

 油断していて死んでしまっては、元も子もない。

 これで安全と安心が買えるなら、安い投資と考えるべきだろう。


 というわけで、能力値上昇に4ポイント×6で24ポイント消費。


 スキルでは、獲得経験値倍化の最大レベル取得は必携だろう。

 極論、ほかのスキルなんかはあとで継ぎ足せばいいんだが、これだけは初期で最大レベルの取得がマストだ。

 これで10ポイントを消費。


 それから、どう考えても有用な治癒魔法を最大レベルで。

 あと攻撃魔法のサンプルとして炎魔法を、これも最大レベルで取得してみた。

 この辺はわりと何となく。

 これで合計10ポイント消費。


 あとは、「ステータス鑑定」というスキルと「ステータス隠蔽」というスキルを取得してみた。

 前者は視界内の任意の対象のステータスを見ることができるスキルで、後者はそのスキルを持っている相手から自分のステータスを隠すスキルとのこと。

 この手の情報は生命線になりうるから、各1ポイントで取れるなら、取っておいてまず損はしないだろう。

 これで2ポイントを消費。


 「痛覚遮断」は、自分が感じるはずの痛みを、任意にシャットアウトできるスキルらしい。

 痛みは生命の危機に対する警告の役割を持っているというから、完全になくなってしまうのは危険だが、任意で切れるという内容ならば問題はないだろう。

 これに1ポイント消費。


 以上で47ポイントを消費して、残りの153ポイントは残しておくことにする。

 ほかにも取っておいた方が良さそうなスキルはいろいろあるんだが、後付けでどうとでもできるので、将来の出来事を予測して先行入力しておく必要もない。


 というわけで、ひとまず以上の内容で確定してみた。


 すると、ふっと体が軽くなった気がした。

 さらには、体の奥底から力が湧いてくるような気分になる。


 俺の体を見ると、わずかの間だが、金色のオーラのようなものに包まれていた。

 それがすぅっと、俺の体に吸い込まれるように、薄らいでゆく。


 ……あ、これあかんやつや。


 俺いま、何でもできる気がしてる。

 ヤバいヤバい。


 ぐっぐっと、両の拳を握りしめる。

 何となくファイティングポーズっぽいものを取って、何となくシャドウボクシングっぽい動きをしてみる。


 バババババッと、アスキーアートを彷彿ほうふつさせる速さで拳が繰り出される。

 一秒間に二十発とか、そういうレベル。


 ジャンプしてみる。

 ぴょんと跳んだ高さは、自分の身長をゆうに超えていた。

 トランポリンで思いのほか高く跳んだ時のように、ゾッとする。

 ……これアレだよ、格闘ゲームのキャラのジャンプ力並みだよ。


 で、ほかにもいろいろ試していると、横でニヤニヤしている妖精が目に入った。


「……何だよ」


「いやぁ、ご主人様、男の子だなぁと思って」


「……心はいつまでも少年なんだよ。悪いか」


「悪くないっすよ~。元が三十(ピーッ)歳でも、今の体は十五歳の少年っすから、人に見られても若気の至りで済ませられるっすよ。安心っすね!」


 フィフィがそう言って、親指をぐっと立ててくる。


 ぬぐぐぐぐっ……!

 こいつ、いつか見てろよ……!


「……で、そんなことより」


「そんなことより」


「これから俺はどうしたらいいんだ?」


 俺がそう聞くと、フィフィは通販番組に出てくる外人さんのような仕草で、肩をすくめた。


「さあ?」


「さあ、って……お前、案内役ナビゲーターなんだろ」


「別にご主人様には、何をしろっていう使命があるわけでもないっすからね。好きにすればいいと思うっすけど。そっすねー……とりあえず、何も思いつかないなら、ご主人様の元の体の持ち主が行こうとしていた、街にでも行ってみたらどーっすか? 別にこの森でずっとサバイバルしててもいいっすけど」


 うわぁ、すんげー適当……。

 自由過ぎるのも、考え物だな。


 まあでも、そうだな。

 とりあえず街に行ってみるか。


「じゃ、街で。どっち?」


「あっちっすね」


 俺はフィフィに誘導されて、森の小道を歩き始めた。


 ちなみに、チートポイント使って飛行能力でも取れば、もっと早く移動できるけど、高速飛行するやつは3~4ポイントかかるから、ひとまず保留。

 麗らかな日和なので、散歩がてらのんびりと歩くことにした。


 あ、でも、何かの拍子で高いところから落ちたりして慌てると嫌だから、やっぱり飛行能力、今のうちに取っといたほうがいいな。


 1ポイントで、落下時の速度を落とす落下制御能力を。

 2ポイント目で、徒歩並みのスピードの低速浮遊能力を。

 3ポイント目で、全力で走ったときと同じスピードでの飛行能力を。

 4ポイント目で、全力走行の5倍速で飛べる、高速飛行能力を獲得可能だ。


 別にポイントケチる必要もない気がするけど、ひとまず3ポイント分あれば、不自由はしないかな。

 俺はステータスから、チートポイント使用で、飛行能力スキル3レベルを獲得。


 これで残りチートポイントは150か。

 200ポイントにごねておいてよかったな、安心感が違う。

 あのときの俺、グッジョブ。


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